リーダーと聞くと、強い意思で周囲を引っ張り、すべてを決断していく人を思い浮かべがちです。けれど、『新版 リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』を読むと、その考え方が大きく揺さぶられます。
この本が考えさせてくれるのは、リーダーが何をするべきかだけではありません。むしろ、メンバーが自ら考え、成長していくために、リーダーは何をすべきなのかという視点です。
「自分が頑張ってチームを引っ張らなければ」と思っている人ほど、読んでみる価値のある一冊だと感じました。
新版 リーダーシップからフォロワーシップへが問いかけるもの
特に印象に残ったのは、リーダーシップを「自分がすべてを動かす力」として考えないことです。
フォロワーが自ら考え、主体的に動ける環境をつくる。そのためにリーダー自身が、自分の役割やスタイルを考え抜く。そんな発想が、この本の大きなテーマとして伝わってきます。
リーダーシップの形は一つではないこと。 そして、強い組織をつくるリーダーには誰でもなれるということだ。
引用:『新版 リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』中竹 竜二著
この言葉は、リーダーになることへのハードルを下げてくれると同時に、「自分らしいリーダーとは何なのか」を考えさせます。
誰かの理想のリーダー像をそのまま目指す必要はない。むしろ、自分のスタイルを持ち、それを一貫して貫くことが大切なのだと思いました。
新版 リーダーシップからフォロワーシップへで考える「ブレない人」
リーダーに求められるものを考えると、能力やカリスマ性など、さまざまな要素が浮かびます。
しかし、この本では「理想のリーダー」そのものを追いかけるよりも、「最悪のリーダーにならない」ことから考える視点が面白いです。
一言に要約すると「ダメな上司は、言動にブレがある」のだ。
引用:『新版 リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』中竹 竜二著
これはリーダーに限らず、普段の人間関係にも当てはまる気がします。
言っていることが毎回変わる人、相手によって態度を変える人、都合が悪くなると責任を避ける人。こうした振る舞いは、能力以前に周囲からの信頼を失わせてしまいます。
だからこそ、「何でもできる人」を目指すより、「この人はこういう人だ」と周囲から理解される一貫性を持つことが重要なのだと感じました。
他人の期待に応えすぎない
もう一つ考えさせられたのが、他人の期待との距離感です。
自分で無理だと分かっていること、または、自分のスタイルには添わないものに対しては、最初から、期待に応えない
ようにしている。
引用:『新版 リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』中竹 竜二著
「期待に応えることは良いこと」という考え方に慣れていると、少し意外な発想です。
でも、すべての人の期待に応えようとすれば、自分の軸を失ってしまいます。
無理なものは無理。自分のスタイルに合わないものは、最初から引き受けない。
これは冷たい態度ではなく、長く自分らしく活動するための境界線なのかもしれません。
フォロワーが自ら考える組織をつくる
この本で特に面白いのが、フォロワーを「指示を受けて動く人」として捉えないところです。
主体性のあるフォロワーはリーダーが決断を下すまで、ただ待っているだけではない。リーダーが考えている間、フォロワーはリーダーが考えるように自分たちも考える。
引用:『新版 リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』中竹 竜二著
この考え方を知ると、「リーダーが頑張れば組織は強くなる」という発想が変わります。
リーダーだけが考えるのではなく、フォロワーもリーダーと同じように考える。
もちろん、最後に決断する役割はリーダーにあるとしても、その過程にメンバーが主体的に参加できれば、組織の強さは大きく変わるはずです。
「成長」と「成功」を混同しない
もう一つ重要だと感じたのが、成長と成功を同じものとして考えないことです。
数字や実績が出れば成功。しかし、それだけを追いかけていると、本人の成長につながらないこともあります。
目の前の評価に振り回されるのではなく、自分自身がどう成長していくのかというストーリーを持つ。
これは会社組織だけでなく、仕事や副業、スポーツなど、自分自身を成長させたい場面にも応用できる考え方だと思いました。
リーダーの仕事は「怒ること」ではなく環境をつくること
リーダーになると、部下が思うように動かなかったときに「どう叱るか」「どう指導するか」を考えがちです。
でも、この本には別の方向から問題を見る視点があります。
上手に怒るスキルを磨くよりは、怒らなくてもいいような環境や状況をリーダーとしていかに作るかを突き詰めた方がはるかに自分らしさの構築につながるだろう。特に、感情のコントロールはスタイル構築の際の大切な要素であるため、やりたくないことをやらないための準備や戦略を入念にすることをお勧めしたい。
引用:『新版 リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』中竹 竜二著
これはかなり実践的な考え方だと思います。
怒りを抑える方法を覚えるだけではなく、そもそも怒らなくて済む環境をつくる。
自分が感情的になりやすい状況があるなら、その原因を減らす。自分にはできない役割があるなら、誰かに任せたり、分担したり、別の方法を考える。
「自分が全部やる」という発想から離れることで、結果的に自分らしいリーダーシップを発揮しやすくなるのだと思います。
カリスマではなく、自律するメンバーを育てる
『新版 リーダーシップからフォロワーシップへ』を読んで感じた最大の魅力は、リーダーの存在を大きくする話ではなく、組織の一人ひとりを主体的にする話だということです。
リーダーが常に正解を出し、メンバーがそれに従う組織では、リーダーがいなくなった瞬間に機能しなくなる可能性があります。
一方で、メンバーが自分で考え、リーダーの立場も想像しながら動ける組織なら、特定の誰かに依存しなくても前に進めます。
そのためには、リーダー自身が学び続ける必要もあります。
「自分が教える側だから完成している」と考えるのではなく、自分自身も変わっていく。
そう考えると、フォロワーシップは部下をコントロールするための技術ではなく、相手が自分の力で成長できるように環境を整える姿勢なのだと感じます。
まとめ
『新版 リーダーシップからフォロワーシップへ』は、強いリーダーになる方法だけを教える本ではありません。
むしろ、リーダーが頑張りすぎなくても、メンバーが主体的に考え、成長できる組織をどうつくるかを考えさせてくれる一冊です。
「自分がもっと頑張らなければ」と感じている人ほど、一度立ち止まって読んでみると、新しいリーダー像が見えてくるかもしれません。
カリスマ的なリーダーを目指すのではなく、自分らしいスタイルを持ち、メンバーが自ら動ける環境をつくる。
そんなリーダーシップの考え方に興味があるなら、ぜひ手に取ってみたい本です。
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