お金について考えていると、「どうすれば資産を守れるのか」「税金や金融の仕組みをもっと知りたい」と感じることがあります。『マネーロンダリング』は、そんなお金に対する見方を大きく揺さぶってくれる一冊です。
今回読み返して特に印象に残ったのは、単純に「お金を増やす方法」を語るのではなく、税金、金融機関、国家、海外送金など、お金を取り巻く仕組みそのものに目を向けているところでした。
この記事では、『マネーロンダリング』から、特に印象に残った言葉を紹介しながら、お金について考え直すきっかけになったポイントをまとめます。
『マネーロンダリング』が突きつける、お金への見方
最初に強く印象に残ったのが、人間が「分からないもの」にどう向き合うのかという一節です。
たいていの人間は、自分がまったく理解できないことは、徹底的に拒絶するか、盲目的に信用するか、どちらかしかできない。
引用:『マネーロンダリング』橘玲著
これは、お金について考えるときにも当てはまるように感じました。
金融や税金の仕組みは複雑です。分からないからこそ、「専門家に全部任せる」か、「よく分からないから考えない」のどちらかになりやすい。
でも、お金に関する重要な判断をするなら、完全に理解できなくても、少なくとも仕組みを知ろうとする姿勢は必要なのだと思います。
『マネーロンダリング』を読む面白さは、まさにその「知らない世界」を覗いていくところにあります。
『マネーロンダリング』で考えさせられた税金との関係
特に興味深かったのが、資産運用と税金についての考え方です。
「資産運用に成功する方法は何か?」と訊かれた。秋生はしばらく考えて、「資産運用しないことと、税金を払わないこと」と
引用:『マネーロンダリング』橘玲著
さらに、こんな言葉もありました。
リスクを取って勝負しても、マーケットに勝てるのは、ごく一部の選ばれた天才たちだけだ。そんなことなら、大多数の人間は最初から投資などしないほうがいい。一方、税金を払わなければ、その分だけ確実に利回りが上がる。これはノーリスクで、そのうえ誰にでもできる確実な方法だ。どんなプロでも、税コストを安定的に上回る運用をすることは簡単ではない。
引用:『マネーロンダリング』橘玲著
もちろん、この言葉をそのまま現代の生活に当てはめればいいという話ではありません。
僕が面白いと思ったのは、「投資でどれだけ利益を出すか」だけではなく、「利益が出たあとに何が残るのか」という視点です。
投資というと、つい利回りばかりを見てしまいます。しかし実際には、税金や手数料などによって手元に残る金額は変わります。
お金を増やすことを考えるなら、表面的な利回りだけを見るのではなく、最終的に自分の手元へどれだけ残るのかを見る。この考え方は、今のお金との付き合い方にも応用できると感じました。
国家よりも、自分のお金について考える
もう一つ、かなり強烈だったのが国家と個人の関係についての一節です。
世界の人口の九五パーセント以上は、日本国が破産しようが金融恐慌が起ころうがどうでもいいと思っている。秋生もその一人だ。国家の破産はべつに珍しいことではない。肝心なのは、自分がどう生き残るかだけだ。
引用:『マネーロンダリング』橘玲著
かなりドライな考え方ですが、だからこそ考えさせられます。
普段は日本という国の中で生活しているので、国家や日本円、国内の金融制度を当たり前のものとして考えてしまいます。
しかし、世界全体から見れば、日本という国も世界の一部にすぎません。
この視点を持つだけでも、「日本だから大丈夫」と思い込むのではなく、自分の資産や生活をどう守るのかという個人の視点が生まれます。
お金について考えるとき、国や金融機関にすべてを任せるのではなく、自分自身が仕組みを理解しておくことの重要性を感じました。
『マネーロンダリング』から考える、お金と幸福
お金について考えていると、「お金があれば幸せになれるのか」という疑問も出てきます。
ハイライトの中には、こんな印象的な一節もありました。
もって体験したからだ。 金で幸福が買えるわけではないというのは、この世の真実のひとつだ。もうひとつの真実は、貧乏だと人は不幸になる、ということだが。
引用:『マネーロンダリング』橘玲著
この言葉には、お金について考えるうえでの現実感があります。
「お金がすべてではない」というのは、その通りだと思います。一方で、お金が不足すると生活の選択肢が狭くなり、不安や不自由につながることもあります。
だからこそ、お金を目的そのものにするのではなく、人生の自由度を高めるための手段として考えることが大切なのだと思いました。
『マネーロンダリング』を読むと、お金を単なる数字としてではなく、人の生活や社会の仕組みと結びついたものとして考えたくなります。
こんな人に『マネーロンダリング』をおすすめしたい
『マネーロンダリング』は、お金についてもっと深く考えてみたい人に向いていると感じました。
特に、投資だけでなく税金や金融機関、海外のお金の流れなどにも興味がある人なら、普段とは違った角度からお金を見るきっかけになるはずです。
また、「金融のことは難しそうだから分からない」と感じている人にも、あえておすすめしたい一冊です。
分からないものを盲目的に信用するのではなく、「そもそも、どういう仕組みになっているのだろう」と考える。
その姿勢を持つだけでも、お金との付き合い方は少し変わっていくのではないでしょうか。
まとめ
『マネーロンダリング』のハイライトを読み返して感じたのは、お金について知ることは、単純に資産を増やす方法を学ぶことではないということです。
税金、金融機関、国家、海外送金、そして幸福。
お金を取り巻くさまざまな仕組みを知ることで、「自分はお金とどう付き合っていきたいのか」を考えることができます。
分からないからこそ拒絶したり、誰かを盲目的に信用したりするのではなく、自分なりに仕組みを知ろうとする。
そんな姿勢を持つきっかけとして、『マネーロンダリング』を読んでみるのも面白いと思います。
コメント