私たちは日々、多くの選択を自分で行っていると考えがちです。しかし、実際には行動の半分近くが「習慣」によって支配されています。自分を変えたいと願うとき、必要なのは強固な意志力ではなく、脳の神経細胞を書き換えるための具体的なテクニックです。
佐々木典士氏の著書『ぼくたちは習慣で、できている。』から、人生をより良くするための習慣作りのヒントを探ります。
1. 意志力に頼らず「作業興奮」を利用する
多くの人が「やる気が出たら始めよう」と考えますが、脳の仕組みはその逆です。やる気を司る側坐核は、実際に行動を起こすことでしか活性化しません。
「やりはじめないと、やる気は出ません。脳の側坐核が活動するとやる気が出るのですが、側坐核は、何かをやりはじめないと活動しないので」
引用:『ぼくたちは習慣で、できている。』佐々木典士著
まずは5分だけ、あるいは一行だけといった極めて小さなハードルから手をつけることが、習慣化の第一歩となります。
2. 感情のマネジメントが成功率を左右する
習慣を維持するためには、その時の「気分」が大きな役割を果たします。不安や悲しみといった負の感情は、将来の報酬を待つ力を奪い、目の前の誘惑に負けやすくしてしまいます。
セロトニンが少ない状態=不安があると、意志力が失われ好ましい習慣の達成が阻まれるということだ。
引用:『ぼくたちは習慣で、できている。』佐々木典士著
逆に、楽しいことを考えたり、自分を肯定したりすることで、自制心(意志力)は向上します。自分を責めるのではなく、現在の努力を認める心の余裕が、結果として継続を生みます。
3. 「やめるべき習慣」を定義する基準
新しいことを始める前に、まずは悪癖を断つ必要があります。何をやめるべきか迷ったときは、それが「次世代に繋げたいものか」を自分に問いかけてみてください。
「それを自分の子どもに習慣にして欲しいかどうか?」という質問だ。実際に子どもがいなくても、もちろんこの質問は成り立つ。
引用:『ぼくたちは習慣で、できている。』佐々木典士著
終わった後に後悔が残るもの、学びが得られないものを洗い出し、禁止ではなく「もうしなくてもいい」という解放の視点を持つことが大切です。
4. 成長そのものを目的に据える
目標を「大会での優勝」や「特定の数値」に置きすぎると、達成後の燃え尽きや、結果が出ない時の挫折を招きます。プロゲーマーの梅原大吾氏のように、「日々の成長」そのものを目的にすることが、最強の継続術となります。
梅原さんにとっての目的は「成長し続ける」ことであり「大会で勝つこと」ではない。勝つことを目標にしていると燃え尽きて続かないからだそうだ
引用:『ぼくたちは習慣で、できている。』佐々木典士著
結果はあくまで付随するものであり、毎日「やるべきことをやっている」という手応えこそが、自己肯定感の源泉となります。
結論
習慣を身につけることは、単なるライフハックではなく、脳の構造を物理的に変えていくプロセスです。
習慣を身につけることは、意志力を鍛え、誘惑を断てるようになることなどではない。自分が感じられる「報酬」を書き換えるということ。何度も何度も行動することで、実際に自分の脳に変化を起こすということだ。
引用:『ぼくたちは習慣で、できている。』佐々木典士著
今日から始める小さな繰り返しが、やがて人格を作り、あなたの人生を望む方向へと運んでくれるはずです。
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