『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』を読んで印象に残ったのは、頭のモヤモヤを単純に消そうとするのではなく、感情との向き合い方そのものを変えていくという考え方です。
焦りや怒り、悲しみなどの感情が頭から離れず、目の前のことに集中できない。そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。本書には、感情に振り回される状態から抜け出し、自分が本当に目指したいものへ意識を向けるためのヒントが詰まっています。
特に興味深かったのは、幸せな気分になること自体を目的にするのではなく、自分のゴールを持つことを重視している点です。感情、ゴール、仕事への集中という一見別々に見えるテーマがつながっていることに気づかされました。
『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』が問いかける感情との距離
私たちは、いらだちや焦りを感じると、その感情そのものを大きな問題として扱ってしまいがちです。そんな感情との距離について、印象に残った一節があります。
汗をかいたといって悩む人はいないでしょう。それなのに、いらだちや焦り、怒りにはたやすく振り回され、悩んでしまう。どっぷりとその感情にひたってしまう。そんなのはおかしなことだと思いませんか? このような、感情に振り回されてしまっている人を「抽象度が低い」といいます。
引用:『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』苫米地英人著
「汗をかいたことでは悩まない」という比較は、とても分かりやすいと感じました。怒りや焦りも自分の中に生じたものなのに、私たちはそれを何度も考え直し、自分から感情の中へ入り込んでしまうことがあります。
感情が生まれること自体を問題にするのではなく、「いま自分はこの感情に振り回されている」と一段高いところから見る。この視点を持つだけでも、頭の中を占領していたものとの距離が少し変わりそうです。
感情を「娯楽」として味わうという発想
『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』の中でも、とりわけ意外だったのが「感情を娯楽にする」という考え方でした。
すべての感情を娯楽にすること。 これが感情のゴミとつきあう根本原則です。
引用:『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』苫米地英人著
普通なら、悲しみや怒りはできるだけ早くなくしたいものだと考えてしまいます。しかし、なくそうと必死になるのではなく、それも人生で生じる感情の一つとして味わうという発想は新鮮でした。
嫌な感情が生まれたときに「こんな気持ちになってはいけない」と否定するのではなく、少し離れたところから観察する。感情を敵にするのではなく、付き合い方を変えるというところが面白いのです。
なぜ腹が立ったのかを分析してみる
さらに具体的なのが、自分の感情が動いた理由を細かく考える方法です。
止観では感情の動きを意識に上げることが重要ですから、できるだけ詳細に、分析的に、感情の動きの理由を考えます。 「こんなに腹が立つのは、ライバル視しているアイツに言われたからだ。もしも意識していない同僚に言われたら、こんなに気にならないはずだ」「アイツと自分ではタイプも仕事のやり方も違う。自分は自分のやり方で仕事をすればいいんだ」「ちょっと嫌味を言われたくらいで腹を立てるなんて、自分らしくないな」という具合です。
引用:『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』苫米地英人著
これは日常でも取り入れやすそうです。「腹が立った」で終わらせず、「なぜ、この人の言葉だから腹が立ったのだろう」と考えてみる。すると、相手の言葉そのものより、自分の中にある競争意識などが感情を大きくしている可能性にも目を向けられます。
感情をただ感じる状態から、感情を観察している状態へ移る。頭のモヤモヤを整理するときに試してみたい考え方です。
『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』で考える本当のゴール
感情についての話を読み進めると、やがて重要になってくるのが「ゴール」です。
目指すべきは、「嬉しい」「楽しい」「幸せ」という気分ではありません。 目指すべきはゴールです。
引用:『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』苫米地英人著
「幸せになりたい」「楽しく過ごしたい」という気持ちは自然なものです。それでも本書では、気分そのものではなくゴールへ目を向けることが示されています。
たしかに、目の前の感情ばかり気にしていると、その日の気分によって進む方向まで変わってしまいます。一方、自分が本当に実現したいことが明確なら、嫌なことがあった日でも「自分はどこへ向かっているのか」という視点へ戻りやすくなります。
本書を読んでいると、頭のゴミを捨てるとは、単に嫌なことを忘れることではなく、自分にとって重要なものへ意識を戻していくことなのだと感じました。
仕事に集中できない理由を別の角度から考える
仕事に集中できないとき、つい「集中力が足りない」「もっと頑張らなければ」と考えてしまいます。しかし本書では、そもそも自分がやりたいことなのかというところまで問い直します。
本当のゴールとは、自分が心から実現したいゴールです。自分が心からやりたいことに向かっているなら、常に密度高く集中して仕事を進められるのです。
引用:『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』苫米地英人著
集中力だけを改善しようとするのではなく、その前に「自分は何を実現したいのか」を考える。この順番は大切だと思いました。
やりたくないことを続けながら、テクニックだけで集中力や生産性を高めようとしても限界がある。頭がモヤモヤしているときこそ、効率化の方法を探す前に、自分のゴールを見直す必要があるのかもしれません。
感情に振り回されやすい人だけでなく、仕事に集中できない人や、毎日をこなしているのにどこか頭が晴れない人にも考えるきっかけを与えてくれる内容です。
まとめ
『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』を読んで心に残ったのは、嫌な感情を無理に消すのではなく、一歩離れて観察し、自分のゴールへ意識を戻すという考え方でした。
怒りや焦りに振り回されているときは、その感情だけで頭がいっぱいになります。しかし、「なぜ自分はこう感じたのか」と分析してみれば、感情との距離を変えるきっかけになります。
そして、その先にあるのが、自分は本当は何を実現したいのかという問いです。
頭の中がいつもモヤモヤしている。感情に振り回されて疲れてしまう。仕事に集中したいのに、なぜか気持ちが乗らない。そんなとき、自分の頭の中を整理するために読んでみたい一冊です。
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