『嫌なこと、全部やめても生きられる』というタイトルを見て、「本当にそんな生き方ができるのだろうか」と気になりました。仕事、お金、人間関係など、生きていくためには嫌なことも我慢しなければならない。そんな考えを当たり前のように持っている人は多いのではないでしょうか。
本書を読んで感じたのは、何もかも投げ出せばいいという話ではなく、自分が何を必要としているのかを考え直すことの大切さです。生活に必要なお金を減らしたり、人からどう見られるかを気にしすぎないようにしたりすることで、人生の自由度は意外と高められるのかもしれません。
「もっと稼がなければ」「もっと良い暮らしをしなければ」と疲れている人ほど、一度立ち止まって読んでみると面白い一冊です。
『嫌なこと、全部やめても生きられる』が問いかけるお金との付き合い方
お金は多ければ多いほど安心できる。そう考えがちですが、本書には、その感覚を少し違った角度から考えさせる言葉があります。
印象に残ったのが、次の一節です。
・貯金をすればするほど所有を喪失する恐れも増していく
引用:『嫌なこと、全部やめても生きられる』プロ奢ラレヤー著
貯金そのものを否定するというより、「持つこと」と「安心すること」が必ずしも同じではない、と考えるきっかけになりました。
何かをたくさん所有すれば、それを失いたくないという気持ちも生まれます。お金を増やすことだけを人生の目的にするのではなく、自分は何のためにお金を必要としているのか。その部分を考えることが大切なのだと思います。
さらに興味深かったのが、お金の使い方についての考え方です。
僕が思う「楽しいお金の使い方」は、生活コストをできるだけ下げた上で、余ったお金は無駄なものに使う方法 です。というのは、無駄なものにお金を使う人が少なくなっているからこそ「無駄遣いをしている人は端から見ても面白いから」です。
引用:『嫌なこと、全部やめても生きられる』プロ奢ラレヤー著
効率やコスパばかりを考えていると、お金の使い方まで「正解探し」になってしまいます。
でも、生活に必要なコストを小さくしたうえで、余ったお金を自分にとって面白いことに使う。そんな発想なら、お金に追われるのではなく、お金を楽しむ感覚を取り戻せそうです。
生活コストを下げれば選択肢が増える
『嫌なこと、全部やめても生きられる』を読んでいて、特に考えさせられたテーマが生活コストです。
収入を増やすことばかり考えてしまいますが、必要なお金そのものを減らすという方向もあります。
・人生の満足度を下げずに生活コストを下げるには、家賃を低くする ・生活コストを下げる=給料を上げられる ・良い家に住んでいることは、なんのスキルにもならない
引用:『嫌なこと、全部やめても生きられる』プロ奢ラレヤー著
「生活コストを下げる=給料を上げられる」という考え方が印象的でした。
毎月必要なお金が少なくなれば、それだけ働き方の選択肢も広がります。高い収入を維持するために嫌なことを我慢し続けなければならない状況から、少し距離を取れる可能性もあります。
もちろん、何にお金をかけたいかは人それぞれです。大切なのは、世間一般の「良い暮らし」をそのまま目指すのではなく、自分の満足度を落とさずに減らせるものはないか考えてみることなのでしょう。
『嫌なこと、全部やめても生きられる』から考える何もしない時間
現代では、空いている時間があると「何か有意義なことをしなければ」と考えてしまいがちです。
勉強する。仕事をする。情報を集める。何かを生み出す。
そんな価値観とは少し違う方向を示してくれる一節も心に残りました。
・資本家以外は「時間」よりも「お金」を大事にしたほうがいい ・何も生み出さない時間を大事にすることも幸せな生き方
引用:『嫌なこと、全部やめても生きられる』プロ奢ラレヤー著
特に「何も生み出さない時間」という言葉が印象的です。
何かを生み出していなければ、その時間には価値がない。そんな感覚を持っていると、休んでいる時間にまで罪悪感を覚えてしまいます。
しかし、人生のすべてを生産性で評価する必要はありません。ぼんやり過ごしたり、好きなことだけをしたりする時間そのものが幸せなら、それも十分に意味のある時間なのだと思います。
人間関係は全員に好かれなくてもいい
そして本書の中でも、とりわけ気持ちを軽くしてくれたのが人間関係についての言葉でした。
「日本人の 99%に嫌われたとしても、残りの1%は120万人もいる。それでも人生に登場する人間の数にしては十分に多すぎる。もし仮に 70 億人に嫌われても、気の合う人間が3人くらい側にいたら、それでいいんじゃね?」
引用:『嫌なこと、全部やめても生きられる』プロ奢ラレヤー著
全員から好かれようとすると、どうしても自分の行動を周囲に合わせることになります。
嫌われないように言いたいことを我慢したり、本当はやりたくないことを引き受けたりすることもあるでしょう。
けれど、自分の人生で実際に深く関われる人数には限りがあります。それなら、すべての人に好かれることよりも、本当に気の合う人との関係を大切にしたほうがいい。
そう考えるだけでも、人間関係に対するプレッシャーはかなり小さくなるように感じました。
まとめ
『嫌なこと、全部やめても生きられる』を通して感じたのは、人生を楽にするためには「増やす」だけではなく「減らす」という考え方もあるということです。
もっと稼ぐ。もっと所有する。もっと評価される。もっと多くの人に好かれる。
そうやって何かを増やし続けなくても、生活コストを下げたり、必要以上に人の目を気にすることをやめたり、何もしない時間を認めたりすることで、今より身軽に生きられるのかもしれません。
特に、周囲の価値観に合わせることに疲れている人や、お金や仕事のために嫌なことを我慢するのが当たり前になっている人には、今の生活を別の角度から見直すきっかけになる一冊だと思います。
すべてをそのまま真似する必要はありません。「これは自分の生活にも取り入れられそうだ」と思った考え方を一つ試してみる。それだけでも、毎日の選択が少し変わっていくのではないでしょうか。
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