かつて深刻な赤字に陥り、株価が1年で6分の1まで急落した良品計画(無印良品)。その絶望的な状況から組織を再生させたのは、根性論ではなく、徹底的な「仕組み化」と「PDCA」でした。
当時の社長・松井忠三氏が説く、当たり前のことを当たり前にやり抜く組織へと変貌させるためのエッセンスをご紹介します。
1. 計画を「日々の業務」に落とし込む重要性
優れた経営ビジョンや方針を掲げても、それを現場が実行できなければ意味がありません。多くの組織でPDCAが回らないのは、計画が具体的な行動にまで分解されていないからです。
計画は、日々の業務に落とし込まなくては実行されず、日々の業務に落とし込まないとPDCAは回り出しさえしないのです。
引用:『無印良品のPDCA 一冊の手帳で常勝経営を仕組み化する!』松井 忠三著
単に指示を出すだけでなく、100%実行される仕組みと、それを支える同志を作ることが、実行力のある組織への第一歩となります。
2. 現場の活力と「全体最適」の視点
業績が低迷している時、再生の鍵を握るのは現場の力です。無印良品の改革においても、店長たちが明るく元気に接客し続ける姿が、リーダーの勇気となりました。
現場の第一線の人たちは、自分たちががんばることで会社を再生しようと明るく元気にお客さまに接しようとするのです。
引用:『無印良品のPDCA 一冊の手帳で常勝経営を仕組み化する!』松井 忠三著
一方で、個々がベストを尽くすだけでは組織の力になりません。経営者やリーダーは、個別の主張(部分最適)をまとめ上げ、組織全体としてのベスト(全体最適)を追求し続ける必要があります。
3. 「仕組み」に魂を込めるための哲学
無印良品のブランド哲学は「モノしか見えないモノをつくる」ことです。デザイナーや有名人の名前を一切出さず、素材と機能だけで勝負する姿勢は、業務効率化の際にも貫かれています。
着やすさや洗いやすさ、保湿性など、素材と機能だけで勝負して勝てる商品をつくろうというのが、無印良品のキャッチコピーにもなった「モノしか見えないモノをつくる」なのです。
引用:『無印良品のPDCA 一冊の手帳で常勝経営を仕組み化する!』松井 忠三著
また、値札の種類を203種類から97種類へ減らすといった、徹底したコスト削減と標準化も、この哲学に基づいた「仕組み化」の一環です。
4. 誰がやっても90点が取れる「標準化」の力
特定のカリスマに頼るのではなく、誰が担当しても高いクオリティを維持できるのが強い組織です。100人の店長が100通りのやり方をするのではなく、標準化によって全体のレベルを底上げすることが不可欠です。
お客さまのためには、 90 点以上の店が100店あることのほうが大事なのです。
引用:『無印良品のPDCA 一冊の手帳で常勝経営を仕組み化する!』松井 忠三著
「見えない」ことは標準化できず、標準化できなければ組織のレベルは上がりません。徹底的な可視化こそが、改善の土台となります。
5. 当たり前のことをやり続ける組織が一番強い
最後に、マネジメントにおいて最も重要なのは、罰で人をコントロールすることではなく、自発的に取り組む社風を作ることです。挨拶や整理整頓といった「当たり前」を全員でやり遂げる文化が、最強の組織を作ります。
子どもみたいに、当たり前のことを当たり前にやり続ける組織が一番強いのです。
引用:『無印良品のPDCA 一冊の手帳で常勝経営を仕組み化する!』松井 忠三著
不透明な時代において、悩み尽くした後に必要なのは、自ら決めた責任を果たし、結果が出るまで投げ出さない「責任意識」に他なりません。
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