「郡上市3泊4日の旅」で一番心に残ったのは、有名な観光地だけではありませんでした。
飛騨牛を食べ、郡上八幡を歩き、白川郷まで足を伸ばす。もちろん、それだけでも十分楽しい旅です。
しかし、地元の居酒屋でお店の方と話していると、郷土料理やお祭り、その土地で暮らす人たちの日常まで見えてきました。
ネットで調べるだけでは出会えないものがある。今回の3泊4日は、改めて「やっぱり旅って素晴らしい」と感じる時間になりました。
郡上市3泊4日の旅は飛騨牛からスタート
1日目は中部国際空港から電車で岐阜方面へ向かい、レンタカーを借りて郡上市へ移動しました。

宿泊したのはフェアフィールドのホテルです。建物も内装もきれいで、気持ちよく過ごせました。

ホテルを拠点に地域を楽しむ

リビングには大きなテーブルがいくつもあり、本棚や無料のコーヒーマシン、紙皿なども用意されています。買ってきたものを持ち込んで食べられるのも便利でした。
部屋にはシャワーブースがありますが、湯船はありません。その代わり、道の駅にある日帰り温泉の50円割引券をいただけます。
夕食も基本的にホテルのプランには入っていません。
最初は少し不便なのかなと思いましたが、実際にはこれが良かったです。フロントで周辺の飲食店一覧や観光マップをいただき、地域のお店へ出かけるきっかけになりました。

初めて食べる飛騨牛

初日の夕食は、ホテルの方がおすすめしてくれた「焼肉のだいこく家」へ。徒歩圏内で、リーズナブルに飛騨牛を食べられるとのことでした。
飛騨牛を食べるのは今回が初めてです。

カルビやロース、ハラミなどを注文しましたが、脂がしっかり乗っているのに食べやすく、口の中で溶けるような食感でした。
締めには冷麺を注文しました。

いつも食べている透明で太く、コシの強い麺とは違い、やや細めで黄色みがかった麺です。
同じ冷麺でも地域によって違う。そんな小さな発見だけでも、ここまで来た価値があるなと思いました。
孤独のグルメの聖地を目指して下呂へ

2日目は朝からレンタカーを走らせ、約1時間かけて下呂市へ向かいました。
目的地は「大安食堂」です。「孤独のグルメ」に登場したお店を実際に訪れてみたかったのです。
注文したのは、五郎さんが食べていたとんちゃん、けいちゃん、そしてマトンそばです。

鉄鍋に調理途中の状態で運ばれてきて、テーブルでもう少し焼いてからいただきます。
特に印象的だったのが、とんちゃんです。味付けが絶妙で、ご飯が止まりません。
マトンには少し独特の風味がありますが、タレと一緒になることで食べやすくなります。そばを加えて食べると、さらにおいしく感じました。

テレビで見た料理を、その土地まで行って実際に食べる。聖地巡礼の面白さを存分に味わえました。

郡上八幡では水のある暮らしが見えてくる

下呂市から戻り、今回の旅のメインでもある郡上八幡へ向かいました。
郡上市周辺を車で走っていて感じるのは、とにかく川が多いことです。
流れも速く、川の中まで入って釣りをしている人を何度も見かけました。おそらく鮎を釣っているのでしょう。

水を汲んでコーヒーを作る

郡上八幡では、水出しコーヒーを作れるボトルを購入しました。
近くの給水スポットで水を汲み、その水でコーヒーを作ります。
町を歩いていると、民家の目の前にある用水路のような場所で鯉を飼っている家も何軒か見かけました。
日常の風景の中にきれいな水がある。そのこと自体が、郡上八幡らしさなのかもしれません。
食べ歩きでもご当地グルメに出会う

散策中には精肉店を見つけ、コロッケと明宝フランクフルトをいただきました。
コロッケは肉汁を感じられておいしく、明宝ハムのフランクフルトもプリプリです。
さらに町を歩いていると、上空には郡上おどりと書かれた提灯が並んでいました。

このときは「有名なお祭りなんだな」くらいの知識しかありませんでした。しかし、この提灯が後になって地元の方との会話につながっていきます。
散策後は車で郡上八幡城へ。観光客も多く、町歩きとはまた違った郡上の景色を楽しめました。

温泉とサウナで旅の疲れをリセット

この日は道の駅の温泉とサウナへ行く予定でしたが、残念ながら定休日でした。
予定どおりにいかないのも旅です。
そこで車を走らせ、「かみほの湯」という温浴施設へ行くことにしました。
建物はきれいで、入浴から退場まで自動で完結できる設備も整っています。
サウナもしっかり熱く、水風呂も広め。外気浴までできて、歩き回ったあとの体には最高でした。
予定していた場所へ行けなかったのは残念でしたが、結果的には別の良い施設を知ることができました。
郡上市3泊4日の旅を濃くした居酒屋での会話

2日目の夕食は、ホテルでもらった飲食店マップを頼りに「喰心坊」へ行きました。
お刺身やハムカツ、ナス焼きなどをいただきます。


印象に残ったのは料理だけではありません。
お会計のときに「どこから来たの?」という話から会話が盛り上がりました。
私たちが泊まっているホテルから来る観光客も多いそうで、「車で送ってあげるよ」とまで言っていただきました。
旅先でこうした親切に触れると、その町自体の印象まで温かいものになります。
予定になかった白川郷へ

3日目は世界遺産の白川郷へ向かいました。
実は当初の予定には入っていませんでした。
前日の居酒屋で観光地の話をしたところ、「やはり有名なのは白川郷」という話になり、それなら行ってみようと予定を変更しました。
車で2時間かからないくらいだったと思います。
到着すると外国人観光客の多さに驚きました。体感では日本人が1割もいないのではと思うほどでした。
有名な茅葺き屋根の家に入って見学したり、展望台から景色を眺めたりして白川郷を楽しみます。
もちろん食べ歩きもしました。

豚まんとメンチカツを食べましたが、特にメンチカツは肉汁があふれるほどジューシーです。食べ終わるのがもったいないと思うくらい、おいしい一品でした。
鮎の塩焼きを1時間待って食べる

郡上へ戻ってからは、道の駅で遅めのランチです。
屋台で見つけたユニークな巻きサンドを食べました。

だし巻き卵は驚くほど分厚く、ふわふわ。おからサンドイッチも食べ応えがありました。
そして、どうしても食べたかったのが鮎の塩焼きです。
きれいな川が多い郡上市まで来たのだから、鮎は食べておきたいと思っていました。

囲炉裏で焼くため、完成まで約1時間とのこと。
予約してからお土産などを見て時間を過ごし、1時間後に戻っていただきました。

焼き目は香ばしく、身はふわふわ。たっぷりの塩との相性も良く、「1匹ではなく2匹以上食べてもよかった」と思うほど満足しました。
漬物ステーキから土地の暮らしを知る

3日目の夜は「呑上」という居酒屋へ行きました。
早い時間だったこともあり、マスターや女将さんが気さくに話しかけてくれました。
ここで昼間に見た郡上おどりの提灯について聞いてみると、お祭りについて詳しく教えてもらえました。
海のない岐阜県で普通にお刺身が食べられることや、郷土料理についても話を聞くことができました。
漬物ステーキに残る先人の知恵

特に印象に残った料理が「漬物ステーキ」です。
日にちが経って酸っぱくなった漬物を卵と一緒に焼いて食べる料理だそうです。
雪深い地域では漬物をたくさん作ります。しかし、時間が経つと酸っぱくなり、そのままでは食べにくくなる。
そこでおいしく食べるために生まれたのが、この料理だったようです。
料理一つにも、その土地で暮らしてきた人たちの知恵があります。
ネットで「岐阜県の郷土料理」と検索すれば名前は分かります。しかし、地元の人から背景まで聞きながら食べると、同じ料理でも感じ方がまったく違いました。
最終日に岐阜市の見え方が変わった
4日目はホテルをチェックアウトし、岐阜市へ向かいました。
駅前には金色の織田信長像が立っています。

前日の居酒屋では、岐阜市から名古屋までは電車で30分ほどで通えるため、ベッドタウンとしての側面もあるという話を聞いていました。
その話を知った状態で岐阜市を歩くと、街の見え方が少し変わります。
建物や駅を見るだけでは分からない街の役割が、現地の人との何気ない会話によって見えてくるのです。
旅の思い出は観光地だけでは作れない
今回の郡上市3泊4日の旅では、飛騨牛、とんちゃん、けいちゃん、鮎、漬物ステーキなど、たくさんの土地の味に出会いました。
郡上八幡の水や白川郷の景色も忘れられません。
一方で、予定していた温泉が定休日だったり、逆に予定になかった白川郷へ行くことになったりと、思いどおりにならないこともありました。
それも含めて旅なのだと思います。
そして何より印象に残ったのは、居酒屋やホテルで出会った人たちとの会話でした。
郷土料理が生まれた理由、お祭りのこと、観光客のこと、そこで暮らす人たちの日常。
検索すれば観光スポットは簡単に見つかりますが、土地の営みまではなかなか検索できません。
これから旅をするときも、私は現地の人とのコミュニケーションを大切にしたいと思います。
もし次に旅へ出かけるなら、今日できることは一つだけです。旅先で入ったお店で「この辺りでおすすめはありますか?」と聞いてみてください。
そこから、ガイドブックには載っていない旅が始まるかもしれません。
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