FACTFULNESS(ファクトフルネス)から学ぶ、世界を正しく見るためのデータ思考

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現代社会は情報に溢れており、私たちは日々多くのニュースに触れています。しかし、私たちが「常識」だと思っている世界の姿は、本当に正しいのでしょうか。本書『FACTFULNESS』は、データに基づき、思い込みを乗り越えて世界を正しく見る習慣(ファクトフルネス)の大切さを教えてくれます。今回は、私たちが陥りがちな思い込みの正体と、それを防ぐための思考法を整理していきましょう。

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1. 私たちの目を曇らせる「分断」と「ネガティブ」の罠

1-1. 世界を2つに分ける「分断本能」

私たちは無意識のうちに、世界を「開発途上国」と「先進国」のような2つのグループに分けて考えがちです。しかし、実際のデータはその中間に大半の人がいることを示しています。

大半の人は低所得でも高所得でもなく、中所得の国に暮らしている。世界が分断されていると考える人には想像できないだろうが、これが事実だ。低所得国と高所得国のあいだには分断があると思われているが、実際に分断はなく、代わりに中所得国がある。そこには、人類の 75%が暮らしている。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

中所得の国と高所得の国を合わせると、人類の 91%になる。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

なぜ私たちは、このように世界を極端に分けてしまうのでしょうか。それは、人間に備わっているドラマチックな本能が原因です。

わたしが思うに、人はドラマチックな本能のせいで、何事も2つのグループに分けて考えたがるからだろう。いわゆる「二項対立」を求めるのだ。良いか悪いか、正義か悪か、自国か他国か。世界を2つに分けるのは、シンプルだし直感的かもしれない。しかも双方が対立していればなおドラマチックだ。わたしたちはいつも気づかないうちに、世界を2つに分けている。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

事実に基づいた世界の見方を身につけるにあたってのいちばんの障害は、自分の原体験のほとんどがレベル4から来ているということだ。そしてそれ以外の体験は、非現実的で極端な出来事を好むマスメディアのフィルターを通して得たものだろう。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

ドラマチックすぎる「分断された」世界の見方の代わりに、4つのレベルで考える。これこそが、この本で伝授する「事実に基づいた思考法」のひとつめにして最も大事なポイントだ。意外と簡単だっただろう?

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

ファクトフルネスとは……話の中の「分断」を示す言葉に気づくこと。 それが、重なり合わない2つのグループを連想させることに気づくこと。多くの場合、実際には分断はなく、誰もいないと思われていた中間部分に大半の人がいる。 分断本能を抑えるには、 大半の人がどこにいるか探すこと。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

1-2. 悪いニュースに惑わされる「ネガティブ本能」

世界はどんどん悪くなっている、と感じることはないでしょうか。しかし、長期的なデータを見れば、多くの指標が改善していることがわかります。

現在の世界の平均寿命は 70 歳を超え、 72 歳になった。国連によれば、2100年には、世界の平均寿命はいまより 11 年ほど延びるという。

それにもかかわらず、世界が悪化しているように思えるのは、私たちの元に届く情報の性質に原因があります。

ファクトフルネスとは……ネガティブなニュースに気づくこと。 そして、ネガティブなニュースのほうが、圧倒的に耳に入りやすいと覚えておくこと。物事が良くなったとしても、そのことについて知る機会は少ない。すると世界について、実際より悪いイメージを抱くようになり、暗い気持ちになってしまう。 ネガティブ本能を抑えるには、「悪いニュースのほうが広まりやすい」ことに気づくこと。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

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2. 恐怖と数字の大きさに圧倒されないために

2-1. 恐怖を煽る刺激的な情報

ニュースでは、時にショッキングな事故や災害、事件が大きく取り上げられます。これらは私たちの感情を揺さぶりますが、統計的な事実を見失う原因にもなります。

世界では毎年6万人が、ヘビのせいで命を落としている。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

2011年3月 11 日。日本の三陸沖の太平洋、深さ 29 キロメートル(米国地質調査所推定)の場所で、巨大な断層破壊が起きた。地震によって日本の本州は2・4メートルも東に移動し(米国地質調査所推定)、大きな津波が発生した。

1時間後に到達した津波によって各地が水没し、約1万8000人が亡くなった。

そもそも執筆時点で、福島の原発事故による被ばくで亡くなった人は、ひとりも見つかっていない。

1986年に起きた史上最悪の原発事故、チェルノブイリ原発事故のときはどうだったか。このときも多くの識者が、被ばくした人のあいだで死亡率が大幅に高まると予測した。しかし、世界保健機関が後に出した調査報告によると、原発の近くに住んでいた人も含め、死亡率が大幅に高まったという証拠は見つからなかった。

2001年以降、旅客機をハイジャックして誰かを殺害したテロリストはひとりもいない。

全死亡数の0・1%を占める自然災害、0・001%を占める飛行機事故、0・7%を占める殺人、0%を占める放射線被ばく、0・05%を占めるテロなどだ。

ファクトフルネスとは……「恐ろしいものには、自然と目がいってしまう」ことに気づくこと。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

2-2. ひとつの数字の大きさに騙されない「直線見通し本能」

1つの大きな数字を見せられると、それがとても重大なものに思えてしまいます。しかし、全体における割合を見たり、他の数字と比較したりしなければ、その数字の本当の意味は理解できません。

人は、何かの項目をずらりと並べたとき、どの項目も同じくらい重要だと思いがちだ。だが、多くの場合はそうではない。むしろいくつかの項目が、ほかのすべての項目を合わせたよりも重要になる。だから、わたしは人々の死因を調べたり、家計簿をつけたりするときは、まず「全体の8割を占める項目はどれだろう?」と考えるようにしている。

小さい項目に注目する前に、「8割はどこにあるのだろう?」「なぜこの項目は、こんなに大きいのだろう?」「ということは、何が考えられるだろう?」と問いかけてみよう。

世界の人口バランスを把握するためには、大まかな割合を覚えておくことが有効です。

暗証番号になぞらえて「1・1・1・4」と覚えておこう。地図の左から順に、アメリカ大陸には約 10 億人、ヨーロッパ大陸には約 10 億人、アフリカ大陸には約 10 億人、アジア大陸には約 40 億人が暮らしている。

提示された数字を正しく解釈するために、常に次の問いを持つようにしましょう。

●この数字は、どの数字と比べるべきか? ●この数字は、1年前や 10 年前と比べたらどうなっているか?

●この数字は、似たような国や地域のものと比べたらどうなるか? ●この数字は、どの数字で割るべきか? ●この数字は、合計するとどうなるのか? ●この数字は、ひとりあたりだとどうなるのか?

ファクトフルネスとは……ただひとつの数字が、とても重要であるかのように勘違いしてしまうことに気づくこと。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

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3. 多角的な視点とこれからの世界のリスク

3-1. 単一の視点から脱却する

かつて「発展するはずがない」とみなされていた国々が、現在では世界の製造業の中心を担っているように、世界は常に変化しています。

ひどい飢饉や紛争があった時代には、中国もバングラデシュもベトナムも、経済発展などありえないと思われていた。いまではあなたのタンスの中の洋服のほとんどはこれらの国でつくられている。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

ひとつの見方に固執せず、視野を広げることが不可欠です。

ファクトフルネスとは……ひとつの視点だけでは世界を理解できないと知ること。 さまざまな角度から問題を見たほうが物事を正確に理解できるし、現実的な解を見つけることができる。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

3-2. 私たちが真に警戒すべき5つのリスク

思い込みを排除した上で、私たちが本当に注視し、対策を講じなければならない人類のリスクとは何でしょうか。著者は次の5つを挙げています。

わたしがいちばん心配している5つのリスクは、感染症の世界的な流行、金融危機、世界大戦、地球温暖化、そして極度の貧困だ。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

特に感染症の流行は、歴史的に見ても凄まじい被害をもたらしてきました。

第一次世界大戦中に世界中に広がったスペインかぜで、5000万人が命を落とした。大戦の犠牲者よりも、スペインかぜで亡くなった人のほうが多かった。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

インフルエンザウィルスは目に見えない粒子になって飛沫感染する。感染者が地下鉄に乗ると、同じ車両の人は全員感染する可能性がある。接触しなくても感染するし、同じ場所に触らなくても感染する。

引用:『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, and 関 美和著

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結論

私たちは刺激的なニュースや個人的な思い込みによって、世界を歪んで捉えてしまいがちです。しかし、分断や恐怖、単一のデータに惑わされず、大半の人がどこにいるのかをデータから探し出すことによって、世界を正しく見ることができるようになります。過度な恐怖や悲観論に流されることなく、事実に基づいた思考法(ファクトフルネス)を日々の習慣にしていきましょう。

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