『エフォートレス思考』に学ぶ、力を抜いて最高の成果を出す技術

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日常のタスクや仕事に追われ、「頑張っても頑張っても終わらない」と疲弊していませんか?前作『エッセンシャル思考』で「何を」やるべきかを明確にしたグレッグ・マキューン氏が、本書『エフォートレス思考』で提示するのは、それを「どのように」成し遂げるかという技術です。努力を美徳とするマインドセットから抜け出し、最もシンプルでスマートに結果を出すためのエッセンスを、本書のハイライトとともに解説します。

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1. エフォートレス思考の本質

「どのように」やるかを極める

多くの人は、成果を出すために「より多くの努力」が必要だと考えがちです。しかし、限界を感じているのであれば、アプローチそのものを変えなければなりません。

大事なことだけをやろうとしても、それでも多すぎるなら、あきらめるか、やり方を変えるしかない。 エッセンシャル思考は、「何を」やるかを教えてくれた。 エフォートレス思考は、「どのように」やるかを極める技術だ。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

スマートに結果を出す生き方

力を抜いて成果を出すことは、決してサボることでも怠惰でもありません。それこそが、現代を生き抜くための最も賢い戦略です。

現代人なら誰もがそんなマインドセットを刷り込まれていると思う。努力こそが善で、楽をするのは悪いことだと。 だが、力を抜いて成果を出すのは、けっして怠惰なことではない。 むしろ、スマートな生き方だ。 努力でも怠惰でもなく、スマートに結果を出すこと。それこそが、大事なことをあきらめずに、しかも正気を保つための最善の道なのだ。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

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2. 思考のノイズを削ぎ落とす

脳のパフォーマンスを最大化する

人間の脳もコンピューターと同じです。余計な感情や思考パターンが詰まっていると、処理速度が劇的に低下してしまいます。

最適な環境のもとでなら、あなたの脳は超高速に機能する。しかしスーパーコンピューターと同じく、環境によっては処理が遅くなることもある。 ハードドライブに余計なファイルや履歴が詰まっていると、コンピューターの処理は邪魔される。計算能力が失われるわけではないが、パフォーマンスは落ちる。 同様に、頭の中に不要な考えや、ネガティブな感情や、ダメな思考パターンが詰まっていると、あなたの思考は妨げられ、最高のパフォーマンスが出せなくなる。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

特に恐怖や怒りといった強い感情は、脳のリソースを大きく消費する要因になります。

脳は恐怖や怒りといった「感情価」の高いものごとを優先するようにできている 。だから強い感情が渦巻いていると、脳はそちらにリソースをとられて、本当に大事なことをやる余裕がなくなってしまうのだ。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

考えすぎない技術

歴史上、圧倒的な成果を残したWNBAのスター選手、エレーナ・デレ・ダンも、その強さの秘訣を「シンプルさ」と「考えすぎないこと」だと言い切っています。

おたがいの人生を楽にするのでなければ、わたしたちはなんのために生きているというのでしょう 5?」 史上最高にフリースローがうまいバスケットボール選手は、マイケル・ジョーダンでもなければ、ステフィン・カリーでもない。WNBA(アメリカの女子プロバスケットボールリーグ)のスター選手、エレーナ・デレ・ダンだ 1。 キャリア通算のフリースロー成功率は 93・4%。WNBAだけでなく、NBAの歴史を見てもこれほどの数字を出した選手はいない。ポストシーズンの成績も含めれば、成功率は実に 96・4%になる。とんでもない実力だ。 成功の秘密は、子どもの頃に学んだシンプルな方法を貫いていることだ。 フリースローラインの前に立ち、右足を真ん中のポイントに置き、左足をそれに合わせる。ちょうど3回ボールをバウンドさせる。直角に曲げた腕をすっと伸ばし、手首をスナップさせてボールを手放す。 「シンプルにやれば、間違えることはありません」とダンは言う。「何より大事なのは、考えすぎないこと。フリースローのいちばんの敵は、ごちゃごちゃ考えてしまうことなんです」

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

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3. ビジネスと戦略のシンプル化

サウスウエスト航空の常識破りのコスト削減

複雑なシステムを構築することだけが正解ではありません。サウスウエスト航空は、巨額のシステム投資を回避し、圧倒的にシンプルな方法で課題を解決しました。

現代の例でいえば、サウスウエスト航空が似たような戦略をとっている。 サウスウエスト航空は創業以来、コスト削減と着陸から離陸までの時間短縮をビジネスモデルの軸にしてきた。それを実現するうえで、紙の搭乗券は邪魔だった。ちょうど予約システムの電子化が普及しはじめた頃、同社は紙の搭乗券を廃止できないかと考えた。 そうすればコストが抑えられるし、印刷のために時間を取られなくてすむ。ただし、eチケットのシステムを構築するためには、初期費用として200万ドルが必要だった。 紙の搭乗券の廃止はビジネス存続のためにぜひとも取りたい戦略だった。だが、ローコストキャリアである同社にとって、200万ドルは大きすぎる出費だ。 いったいどうすべきか。経営陣は難しい判断を迫られた。 「会議室の空気は重く、誰もが頭を抱えていました」とサウスウエスト共同創業者のハーバート・ケレハーは語る 9。 そのとき、一人がパッと顔を上げ、「他社のチケットに合わせる必要があるんですか?」と言った。「他社と同じシステムをつくらなくても、もっと安いやり方があるんじゃないですか?」 「そうだ、他社に合わせる必要なんかない」と別のマネジャーも賛同した。「うちがチケットだと認めれば、それがチケットんだ。『これがチケットです』と書いて、普通の紙にただ印刷すればいいじゃないか」

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

最も簡単な問題を見つける

マーケティング論の第一人者セス・ゴーディン氏や、LinkedIn共同創業者のリード・ホフマン氏も、戦略における「簡単さ」の重要性を説いています。

「事業がうまくいかず苦戦しているなら、無理に頑張る必要はありません。もっと簡単にできるビジネスがないか、探してみたらどうですか?」 マーケティング論の第一人者セス・ゴーディンはそう語る。 LinkedIn共同創業者のリード・ホフマンも、同様のことを述べている。 「ビジネス戦略でもっとも大事なのは、いちばんシンプルで、簡単で、価値のある問題を解決することです。実際、いちばん簡単な問題を見つけるのは戦略の 要 です」

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

MVP(実用最小限の製品)の活用

完璧なものを最初から作ろうとせず、最小限の努力でスタートすることが、結果的に無駄な労力を省き、顧客に求められる製品を作る最短ルートになります。

デザイン思考の原則に、MVP(実用最小限の製品)というものがある。 『リーン・スタートアップ』の著者エリック・リースは、MVPを「最小限の努力で顧客の反応を最大限に知ることのできるバージョン」と定義する。フィードバックを得るという目的に特化し、機能を最小限に抑えることで、無駄な労力を費やすことなく最初の一歩を踏みだし、顧客の求める製品をつくりあげることが可能になるのだ。 たとえばAirbnb(エアービーアンドビー)は、なんの飾りもないウェブサイトにアパートメントの写真を数点載せるという、非常にシンプルな方法でサービスを開始した。するとまもなく3人の顧客がアパートメントをレンタルしてくれた。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

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4. 成果を生み出す「儀式」と「仕組み」

偉人たちのユニークな儀式

卓越した成果を残した人々は、自分の行動をエフォートレスにするための独自のルーティン(儀式)を持っていました。世界的企業レゴの始まりも、不況期における大工の小さな試みからでした。

レゴの創業者オーレ・キアク・クリスチャンセンがいい例だ。もともと大工の仕事をしていたクリスチャンセンは、不況で仕事が激減し、空っぽの倉庫で頭を悩ませていた。そんなときに、ふとおもちゃをつくってみたのが、レゴ社の始まりだった 7。 LEGOという名前の由来は「leg godt」。「よく遊ぶ」という意味のデンマーク語だ。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

偉大な成果を残した人たちは、自分だけの儀式を持っている。 たとえばアガサ・クリスティーは、風呂の中でリンゴを食べながらミステリー小説を執筆した。ベートーヴェンは毎朝コーヒー豆をひとつずつ数え、きっちり 60 粒挽いてコーヒーを淹れた

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

画家のサルバドール・ダリも、一瞬の睡眠から新たな作品のインスピレーションを得るための、独特な昼寝の手法を実践していました。

ダリは、昼寝をする人だった。これがまた、独特のやり方だ。 まず椅子に深く座り、肘掛けに両腕を預ける。片手の親指と人差し指で、金属の鍵を持っておく。その真下に、逆さまにした皿を置く。その状態で目を閉じ、リラックスする。うつらうつらと眠りかけた瞬間、手に持っていた鍵が落ちる。ガチャン、と音がして、ダリの目が弾かれたように開く。一瞬の眠りから覚めたダリは、新たな作品のための奇妙なアイデアに満ちている。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

自動化と上限の設定

繰り返し練習して仕組みや身体に覚え込ませてしまえば、その後の行動は自動的に、そしてエフォートレスになります。

ノースカロライナ州立大学のラリー・シルバーバーグ教授は、動力学の専門家だ。動力学とは、物体の動きを研究する学問である。 彼は 20 年以上にわたり、数百万本のフリースローを研究してきた。 研究の結果、フリースローを成功させるためにもっとも重要な要素は、ボールを手放すときのスピードであることがわかった。最適なスピードでボールを投げるためには、繰り返し練習して正しい力加減を筋肉に覚えさせる必要がある。いちど体に覚え込ませてしまえば、あとはまったく苦労しなくても、自然にフリースローが入る。 これが、エフォートレスな行動だ。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

また、持続可能な最高のパフォーマンスを維持するためには、「これ以上はやらない」という明確な上限を設けることが極めて重要です。

元トライアスロン選手のベン・バーガロンは、イギリス最強のアスリートたちをコーチしている。クライアントからの要求があれば、時間外労働をする体力がないわけではない。しかし、仕事でもプライベートでもすぐれたパフォーマンスを維持するために、彼はあるルールを守っている。 「午後5時 25 分にオフィスを出る」というルールだ。 暇な日は5時 25 分にオフィスを出る。忙しい日は、それでも5時 25 分にオフィスを出る。たとえ会議中であっても、5時 25 分になったら、すぐに立ち上がってドアに向かう。迷う余地さえない。周囲の人たちも慣れたもので、話を打ち切られても気にしない。午後5時 25 分が彼の限界だと知っているからだ。 南極探検でも、執筆でも、仕事でも変わらない。 エフォートレスなペースで進める最善の方法は、上限をしっかりと決めることだ。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

あえて早期に失敗を経験させる教育

仕組みを通じて、子どもに早くから小さな失敗を経験させることも、将来の大きな致命傷をエフォートレスに防ぐ智慧となります。

妻のアンナと私は、子どもたちに早くからお金の失敗を経験させることにした。 大人になってから全財産で失敗するよりも、8歳や 10 歳でお小遣いを使って失敗するほうがずっといい。 私たちは、子どもたちに3つのガラス瓶を与えた。それぞれ慈善用、貯蓄用、消費用の瓶だ。子どもたちはお小遣いをもらったら、自分で好きな瓶に入れる。親はいっさい口出しをしない。自分で決めることに意味があるからだ。 息子は以前、 40 ドルを貯めて電動レーシングカーを買ったが、あとになって後悔した。本当はレゴの大きなセットがほしかったのに、待ちきれずに使ってしまったのだ。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

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5. 独自の価値の高め方とレバレッジ

読書における「リンディ効果」の活用

現代人の読書量が減少傾向にある中、何を読むべきかという選択の最適化もエフォートレス思考の一部です。古くから残る「古典」を選ぶことで、時代を超えて通用する本質的な知識を効率的に獲得できます。

平均的なアメリカ人の読書量は、1年にたった4冊。そしてアメリカ人の4人に一人は、まったく本を読まない。この傾向は年々悪化しているようだ。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

本の寿命は、その本の年齢に比例する。本が古ければ古いほど、その本が将来にわたって生き残る可能性が高いということだ(これをリンディ効果という)。だから本を選ぶときは、長く読まれている本を優先するといい。つまり、古典を積極的に読んでみよう。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

ユニークさで価値を飛躍させる

他人がやっていることを必死になって追いかけるよりも、誰もやっていない独自のアプローチ(背面跳びを始めたフォスベリーのように)を見つける方が、最小の努力で最大の成果を生み出せます。

1968年 10 月 20 日、フォスベリーはメキシコシティオリンピックで金メダルを獲得し、走り高跳びの世界を変えた。彼の編みだした背面跳びは、英語で「フォスベリー・フロップ」と呼ばれている。 彼以前には、オリンピックで仰向けに跳ぶ選手はいなかった。彼以降、一流選手はみんな仰向けで跳ぶようになった。 フォスベリーのすごいところは、技術的側面だけでなく、そのユニークさにある。ほかの選手が何十年もやってきたのとはまったく違うやり方で、高跳びの世界記録を劇的に押し上げたのだ。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

 

みんながやっていることをとても上手にやるよりも、誰もやっていないことをそこそこうまくやったほうがいい。さらに、誰もやっていないことをとことん極めれば、あなたの価値は飛躍的に高まる。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

人間関係のレバレッジ「3つのI」

投資の神様ウォーレン・バフェットは、一緒に働く人を選ぶ際に明確な基準を設けています。不誠実な人をチームに入れないことは、余計なトラブルや複雑さを未然に防ぐ最高のレバレッジになります。

ウォーレン・バフェットは、従業員やビジネスパートナーを選ぶ際に、信頼を測る3つの基準を用いている。 その3つとは「誠実さ(Integrity)」「知性(Intelligence)」「自発性(Initiative)」だ。頭文字をとって「3つのIの法則」と呼ぼう。3つとも大事だが、何よりもまず誠実さがなければ、ほかの2つが裏目に出ることもある。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

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6. 困難な状況を乗り切る「やらないこと」リスト

無駄な悩みを防ぐ防衛策

人生で予期せぬ困難や大きな壁に直面したとき、余計なエネルギーを消耗させないために「何をやらないか」を定義しておくことが、自分を救う強力な盾となります。

やらないこと ・答えの出ない質問をして自分を苦しめない ・最悪のケースを想像して思い悩まない ・医師が答えを出せなくても不満を言わない ・状況を否定したり、「そんなに悪くない」と言い聞かせたりしない ・無理に期限を決めない ・「なぜ私たちだけが」とは言わない ・医学雑誌の記事すべてに目を通して分析したりしない ・ひとりで抱え込まない

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

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まとめ

私たちは複雑な現代社会において、物事を難しく考えすぎてしまう傾向があります。しかし、人生の本質はもっとシンプルです。

本書からひとつだけメッセージを受けとっていただけるなら、次のことを覚えておいてほしい。 人生は私たちが思うほど困難ではないし、複雑でもない。 詩人ロバート・フロストが書いたように、私たち一人ひとりのなかには「守るべき約束があり、眠りにつく前に進むべき道程がある」。 その途上にどんな困難が待ち受けていようとも、あなたはいつだって、よりシンプルで簡単な道を選ぶことができるのだ。

引用:『エフォートレス思考』 グレッグ・マキューン and 高橋璃子著

もっと肩の力を抜き、スマートに結果を出すための「よりシンプルで簡単な道」を、あなたも選んでみませんか?

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