大人の読解力を鍛える|情報に振り回されず本質を見抜く読書術

Book

情報があふれる現代では、ただ文章を読めるだけでは十分とはいえません。大人の読解力とは、相手の真意を理解し、情報の信頼性を見極め、本質を読み取る力です。

齋藤孝著『大人の読解力を鍛える』には、その力を身につけるためのヒントが数多く紹介されています。本記事では、特に印象に残った内容をもとに、日常生活や仕事でも役立つ読解力について考えてみます。

スポンサーリンク

大人の読解力とは相手の真意を読み取る力

私たちは会話や文章を読むとき、つい言葉そのものだけを受け取ってしまいがちです。しかし、本当に重要なのは、その言葉の奥にある「伝えたいこと」です。

大人の読解力の基本は「相手の伝えたいことの中心=真意を捉える」ことにあります。
引用:『大人の読解力を鍛える』齋藤孝著

同じ言葉でも、相手の立場や状況によって意味は変わります。仕事でも人間関係でも、「何を言ったか」だけではなく、「なぜそう言ったのか」を考える習慣が、読解力を大きく伸ばしてくれます。

スポンサーリンク

大人の読解力は全体を見る視点から生まれる

物事を深く理解するためには、一部分だけではなく全体像を見ることが欠かせません。

ものごとの本質を理解するには、「全体を俯瞰して見渡す」という視点が求められるのです。
引用:『大人の読解力を鍛える』齋藤孝著

SNSでは短い文章だけが切り取られて拡散されることも少なくありません。しかし前後の文脈を知るだけで、印象が大きく変わることがあります。

だからこそ、一つの情報だけで判断せず、背景や流れまで確認する姿勢が重要なのです。

スポンサーリンク

行間を読むことで見えてくる本当のメッセージ

本書では、まど・みちおさんの詩を例に「行間を読むこと」の大切さが語られています。

子ゾウに向けられた「あなたってお鼻が長いんだね」という言葉は、いわば身体的な特徴をからかった意地悪な悪口。しかし当の子ゾウはそれを意地悪とも思わず、むしろ嬉しそうに「そうよ。お母さんだって長いのよ」と答えています。  その誇らしげな子ゾウの姿には、「自分の身体的特徴を何ものにも代えがたい大切な個性と捉え、自分が自分であることに自信を持って生きることは素晴らしい」という思いが込められている。まど・みちおさんご本人がそのように語られています。
引用:『大人の読解力を鍛える』齋藤孝著

さらに著者は、このように述べています。

書かれている文章だけで理解しようとするのではなく、その描写の裏に何があるのか、本当は何を言おうとしているのかを常に想像しながら読む。これが行間を読むということです。
引用:『大人の読解力を鍛える』齋藤孝著

文章を読む際には、書かれていない部分を想像することも大切です。それによって作品の魅力だけでなく、相手の考えや感情まで理解できるようになります。

スポンサーリンク

ネット時代だからこそ情報の真偽を見極める

スマートフォンが普及した現在では、情報を調べること自体は難しくありません。

今の世の中、スマホがあればすぐにネットで情報をチェックできます。100%白か黒かを識別することは難しくても、疑わしいのか、信用できそうなのかのアタリをつけることくらいは、誰だってできるようになっています。  なのに、それをしないという人が想像以上に多いんですね。非常にもったいないというか、現代においては「どうかしてる」とさえ思ってしまいます。スマホでササッと調べれば瞬時にわかりそうなものなのに、それをしないのですから。
引用:『大人の読解力を鍛える』齋藤孝著

情報を鵜呑みにするのではなく、一度立ち止まって確認する姿勢こそ、現代に必要な読解力だと感じました。

スポンサーリンク

出典を確認する習慣が読解力を育てる

SNSでは名言や格言が数多く流れていますが、本当に本人が言った言葉なのか疑わしいものもあります。

本書では、有名な「福沢諭吉の心訓」を例に紹介しています。

一、世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。 一、世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。 一、世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。 一、世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。 一、世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕して決して恩にきせない事です。
引用:『大人の読解力を鍛える』齋藤孝著

一、世の中で一番美しい事は、全ての物に愛情を持つ事です。 一、世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。  有名なのでご存じの方も多いかと思いますが、この7か条は『福沢諭吉の心訓』と呼ばれ、その名のとおり福沢諭吉が残した名言として世に広まっています。
引用:『大人の読解力を鍛える』齋藤孝著

そして重要なのが次の一節です。

いくら検索しても出典元となる活字記事が見つからない場合、その情報の信憑性には大きな疑問があると考えたほうがいいでしょう。
引用:『大人の読解力を鍛える』齋藤孝著

検索結果だけで安心せず、出典まで確認する習慣が、情報リテラシーを高める第一歩になります。

スポンサーリンク

まとめ

『大人の読解力を鍛える』は、単なる読書術の本ではありません。

真意を読み取ること、全体を俯瞰すること、行間を想像すること、そして情報の信頼性を確認すること。これらはすべて、仕事や人間関係、SNSとの付き合い方まで変えてくれる力です。

情報が多すぎる時代だからこそ、読む量よりも「どう読むか」が重要になります。本書は、その視点を身につけたい人におすすめの一冊でした。

コメント