語彙力は、単に言葉をたくさん知っているということではありません。時と場合、そして相手との関係性に応じて、最適な言葉を選び取れる力こそが、周囲から「仕事ができる」「信頼できる」と思われる鍵となります。
今回は、齋藤孝氏の著書より、日常の言葉をワンランク上の表現に言い換えるポイントを整理してご紹介します。
1. ビジネスを円滑にする依頼と感謝の言い換え
仕事の現場では、相手への敬意を払いつつ、自分の意図を正確に伝える必要があります。
「教えてほしい」の使い分け
目上の人や専門家に対して教えを請う際、内容によって言葉を使い分けるのが大人。
大学の先生などから継続的に講義を受けているときは「ご教授ください」で、ビジネスで 目上の人から知識や方法を教えてもらうときは「ご教示ください」が適当です。
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
相手を気遣うクッション言葉
何かをお願いする際、相手の状況を思いやる一言があるだけで印象は大きく変わります。
暇なときにお願いします→お手すきのときにお願いします
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
ご都合のよいとき」「 お時間のあるとき」 引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
感謝と謙遜の表現
相手に手間をかけさせた時や、恩恵を受けた時の表現です。
目上の人に対しては「お手を煩わせて申し訳ありません」
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
ご配慮をありがとうございます ↓ ご 厚情、痛み入ります
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
2. 誠実さを伝える謝罪と断り文句
ミスをした時や、やむを得ず誘いを断る時こそ、語彙力の差が表れます。
深い反省を伝える
単なる「すみません」ではなく、状況に応じた謝罪を選びましょう。
お詫びするときに「 平に伏してお詫び申し上げます」
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
「寛恕」は、心が広く、思いやりのあること。また、広い心で誤りなどをとがめだてせずに許すこと。「 どうかお許しください」というニュアンスで「ご寛恕いただきたくお願い申し上げます」
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
角を立てない断り方
「できない」という事実を、相手への敬意を保ったまま伝える技法です。
残念ですが、おうかがいできません ↓ よんどころない急用ができまして
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
「承服」は承知して従うこと。納得できないときに「 承服いたしかねます」と言うと、丁寧ながら拒否の意思を伝えられます。
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
3. 知性を感じさせる教養語彙
状況を的確に言い表す四字熟語や慣用句を知っておくと、説明に深みが増します。
人物や成果を称える言葉
白眉 三国志で蜀の馬氏の兄弟の中で、眉の中に白毛のあった馬良がもっとも優れていたということから、同類の中でも優れている人物のことを指します。
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
錚 々 たる 金属の楽器の音がよく響く様を指した言葉です。その分野で肩を並べるものがないほどの存在であることを指します。
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
獅子奮迅 の活躍 「獅子奮迅」は、百獣の王である獅子が、猛りはやることから、獅子が奮い立ったように、 激しい勢いで物事に当たる ことを意味します。
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
情景や時間、心の動きを表現する
四季折々の言葉や、繊細な感情を表現する言葉を添えることで、コミュニケーションにゆとりが生まれます。
東雲 東の空がわずかに明るくなる頃。明け方。
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
「衷心 忸怩 たるものがある」は、「心の中で恥ずかしくてたまらない」ということですね。
引用:『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』齋藤 孝著
語彙力は「信頼」を築く道具
言葉を尽くすことは、相手を尊重することに他なりません。本書で紹介されているような言い換えを一つずつ実践することで、相手に与える安心感や信頼感は劇的に高まります。
「ありていに言えば(正直に言うと)」、語彙力は一生の財産です。まずは今日の一言から、意識的に変えてみてはいかがでしょうか。
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