その食器ふき、本当に満足してる?
キッチンでの毎日の作業、特に食器洗いの後に使う「ふきん」。
皆さんはどんなものを使っていますか?
一般的な布ふきんは、使っているうちに独特のニオイが気になったり、乾きが悪かったり。
かといって、キッチンペーパーを使い捨てにするのは、便利だけれど環境への負荷や罪悪感が気になる…という方も少なくないのではないでしょうか。
私も長年、しっくりくる食器ふきを探していました。
マイクロファイバーなど、色々な素材を試してきましたが、どれも一長一短。
そんな中、ミニマリストやシンプリストと呼ばれる人たちの暮らしぶりにヒントがありました。
使い捨てへの罪悪感から見つけた「さらし」という選択
やはり「使い捨て」という行為には変わりなく、どこか罪悪感のようなものが引っかかっていました。
環境負荷の観点で他によい方法がないものかと探していました。
そんな中、最近、ふいに見つけた「さらし」を使う生活にシフトしたんですが、なかなかよさそうです。
さらしとは色を抜いた木綿の生地のことで、通気性と吸水性バツグンのため、日本では古くから、台所で使われてきたようです。
私が使っているのは、玉川晒というベーシックな日本製のものです。
10 mの巻物状なので、使い方に応じて切って使います。切込みを入れると、ビーっと簡単に手で裂いて切ることができます。
最初はほつれますが、洗濯を繰り返すと落ち着いてきます。
生地もだんだんやわらかくなってきます。
引用:『シンプリスト生活』Tommy著
「さらし(晒)」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか? 腹帯や手作りマスクのイメージが強いかもしれませんが、実は非常に実用的な布なのです。
「さらし」って、そもそもどんな布?
AIに聞いてみたところ、以下のような説明がありました。
手ぬぐいとさらしは別物ですが、関連性があります。
さらしは、漂白された白い木綿布で、柔らかく吸水性が高い特徴があります。一方、手ぬぐいはさらしを加工して模様を施した布で、体を拭くなど様々な用途に使われます。
手ぬぐいはさらしを基に作られるため、両者は異なるものですが、さらしが手ぬぐいの素材として利用されることが多いです。
引用:AIによる解説
つまり、さらしは手ぬぐいの元になることもある、シンプルで吸水性に優れた木綿布ということですね。
Tommyさんが実践されているように、この「さらし」を食器ふきとして使うことに、多くのメリットがありそうです。
食器ふきとしての「さらし」4つの魅力
さらしを食器ふきとして使うメリットを具体的に見ていきましょう。
- 抜群の吸水性と速乾性 木綿であるさらしは水分をしっかり吸い取り、薄手なので乾きやすい。これは雑菌の繁殖を抑える上で非常に重要です。使った後にサッと洗って干しておけば、比較的すぐに乾き、ニオイも発生しにくいでしょう。
- 自由自在なサイズと多様な用途 多くの場合、さらしは長い反物(ロール状)で売られています。これを自分の好きなサイズにカット(手で裂ける!)して使えるのは大きな利点です。食器ふきとしてだけでなく、台拭き、野菜の水切り、蒸し料理、コーヒーフィルターの代用など、アイデア次第で多様な使い方ができます。
- 経済的で環境にも優しい 長い反物で購入すれば、かなりの枚数のふきんが作れます。使い古したら雑巾にするなど、最後まで活用できるのも魅力。使い捨てのペーパー類と比べて、ゴミを大幅に減らすことができます。
- 暮らしに馴染むシンプルさ 柄のない真っ白な布は、どんなキッチンにも馴染みやすく、清潔感があります。洗濯を繰り返すうちに柔らかく手に馴染んでくる変化も、愛着を持って長く使う楽しみにつながります。
手ぬぐいにも通じる、シンプルという機能美
タオルを手ぬぐいに変えたミニマリストの佐々木典士さんも、その速乾性と多用途性を絶賛しています。
最近、家から「タオル」を手放してすべて「手ぬぐい」に変えてみた。
手ぬぐいはすばらしい。多用途に使えるし、何よりタオル界の常識を覆すほど乾くのが早い。使ったその場に吊しておくと次に使うときには乾いている。
洗面所で手を洗ったら手ぬぐい、洗い物をしたら手ぬぐい、シャワーを浴びたら手ぬぐいで拭く。
ぼくの場合だとバスタオルは洗濯物の 3分の 2ぐらいを占めていたようだ。
引用:『ぼくたちに、もうモノは必要ない。 増補版 (ちくま文庫)』佐々木典士著
手ぬぐいとさらしは厳密には異なりますが、日本の伝統的な布が持つ機能性や、それを現代の生活に取り入れるという発想は共通しています。
シンプルでありながら高機能、それが日本の布の魅力なのかもしれません。
さらしで始める、心地よいキッチン
「さらし」を食器ふきにするという選択は、単に実用的なだけでなく、環境に優しく、経済的で、日々の暮らしにささやかな満足感を与えてくれるかもしれません。
もし今の食器ふきにしっくりきていないなら、一度「さらし」を試してみてはいかがでしょうか。昔ながらの日本の知恵が、現代のキッチンをより快適で心地よい場所にしてくれるはずです。
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