世の中には、一つのことを極める「ストイックな生き方」もあれば、軽やかに「逃げ場を作る生き方」もあります。正反対のようでいて、実は根底でつながっている二人の哲学。
格闘ゲーム界のレジェンド・梅原大吾氏と、社会派ブロガー・ちきりん氏の対談『悩みどころと逃げどころ』には、私たちが「自分の人生」を取り戻すためのヒントが詰まっています。心に響く言葉を抜粋しながら、その本質を読み解いていきましょう。
1. 「勝ち」よりも大切な「戦い方」の美学
私たちはつい、目に見える「結果」や「勝利」だけに執着してしまいがちです。しかし、プロの世界で戦い続ける梅原氏は、勝敗の先にある「姿勢」の重要性を説いています。
大事なのはまっすぐに戦うこと。それで勝てればもちろん素晴らしいけど、負けてもいいんです。戦い方において自分に恥じることがなければ、負けても堂々としてればいい。
引用:『悩みどころと逃げどころ』ちきりん and 梅原大吾著
勝つことと尊敬されることは別物である|という視点は、ビジネスや日常生活にも通じます。周囲の目を気にするのではなく、自分自身に対して「恥じない戦いをしたか」と問い直すことが、本当の自信につながるのです。
2. 成長への執着を手放し「自分に合う道」を選ぶ
一方で、ちきりん氏は「成長しなければならない」という世間の強迫観念に対し、もっと自由でいいのだと提案します。
私は何か具体的な目標があったら、それを達成するのに必要最小限の努力しかしたくない。それに、昔からそんなに強く「成長したい」と思ったこともない。諦めることも悪くないと思ってるし。
引用:『悩みどころと逃げどころ』ちきりん and 梅原大吾著
「諦めること」や「逃げること」は、決してネガティブな選択ではありません|自分にとって本当に大切なもの(例えばお金よりも時間など)を見極めるための、前向きな戦略なのです。
3. 天職は「見つけるもの」ではなく「決めるもの」
私たちは「自分にぴったりの仕事がどこかにあるはずだ」と探し続けてしまいます。しかし、納得感のある人生を送るための鍵は、探し方ではなく「捉え方」にあります。
大事なことは、「何が本当の天職だったのか?」ではなく、「自分は自分の選んだ道を天職だと思えたか?」ってことなんじゃないかな。
引用:『悩みどころと逃げどころ』ちきりん and 梅原大吾著
誰かに与えられた評価軸で動くのではなく、自分で決めた道を「これでいい」と肯定できること|それこそが、迷いの中に自分なりの「器」を見つけ、納得して生きていくための唯一の方法なのかもしれません。
自分だけの「分」を見つける
ストイックに突き詰める梅原氏と、ウロウロ迷いながら最適解を探すちきりん氏。手法は違えど、二人に共通しているのは「自分の頭でゼロから考えている」という点です。
他人の言葉や社会の常識に逃げ込むのではなく、自分にとっての幸せの「分(ぶん)」を知ること。それこそが、これからの時代を軽やかに生き抜くための「逃げどころ」であり「攻めどころ」になるはずです。
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