方法序説に学ぶ、人生を生き抜くための哲学

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デカルトの『方法序説』は、哲学の歴史を変えた一冊ですが、実は私たちの日常生活にも役立つヒントがたくさん詰まっています。この本には、私たちが物事をどう考え、どう行動すべきかという指針が示されており、現代を生きる私たちにとっても、その考え方は非常に示唆に富んでいます。

この記事では、『方法序説』から特に重要な教えをいくつかピックアップし、引用を交えながらわかりやすく解説していきます。引用部分は、WordPressの引用ブロック形式で表示していますので、そのままブログに貼り付けても使えます。


 

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確実な真理を見つけるための4つのルール

 

デカルトは、確実な真理にたどり着くための方法として、4つのルールを提唱しました。これは、単に学問のためだけでなく、私たちが何かを判断する際にも役立つ思考法です。

 

1. 疑わしいものは受け入れない

 

まずは、疑わしいものをすべて排除することから始めます。

第一は、わたしが明証的に真であると認めるのでなければ、どんなことも真として受け入れないことだった。言い換えれば、注意ぶかく速断と偏見を避けること、そして疑いをさしはさむ余地のまったくないほど明晰かつ判明に精神に現れるもの以外は、何もわたしの判断のなかに含めないこと

引用:『方法序説』デカルト、谷川 多佳子著

何か新しい情報に触れたとき、すぐに信じ込むのではなく、「本当にそうだろうか?」と一度疑ってみる。この習慣が、誤った判断を下すリスクを減らしてくれます。

 

2. 問題を細かく分解する

 

複雑な問題に直面したときは、一度にすべてを解決しようとするのではなく、細かく分けて考えます。

第二は、わたしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること

引用:『方法序説』デカルト、谷川 多佳子著

大きなタスクも、小さなステップに分解すれば、何から手をつければ良いのかが明確になり、実行しやすくなります。

 

3. 簡単なことから始める

 

問題を細かく分解したら、簡単な部分から順に解決していきます。これにより、着実に前進することができます。

 

4. 漏れがないか確認する

 

最後に、すべての部分を網羅的に見直します。

そして最後は、すべての場合に、完全な枚挙と全体にわたる見直しをして、なにも見落とさなかったと確信すること

引用:『方法序説』デカルト、谷川 多佳子著

計画や思考に漏れがないかをチェックすることで、思わぬ落とし穴を避けることができます。


 

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行動の指針となる3つの格率

 

デカルトは、思考を巡らせる一方で、実生活を生き抜くための**「格率」**も示しています。これは、私たちが日々の生活でどのように行動すべきかを示唆するものです。

 

1. 決めたことはやり抜く

 

わたしの第二の格率は、自分の行動において、できるかぎり確固として果断であり、どんなに疑わしい意見でも、一度それに決めた以上は、きわめて確実な意見であるときに劣らず、一貫して従うことだった。

引用:『方法序説』デカルト、谷川 多佳子著

「決めたこと」を途中で投げ出さず、やり抜くことの重要性を説いています。たとえ完璧な答えが見つからなくても、一度決断したことには責任を持って行動することが大切です。

 

2. 自分の内面をコントロールする

 

運命よりむしろ自分に打ち克つように、世界の秩序よりも自分の欲望を変えるように、つねに努めることだった。そして一般に、完全にわれわれの力の範囲内にあるものはわれわれの思想しかないと信じるように自分を習慣づけることだった。

引用:『方法序説』デカルト、谷川 多佳子著

デカルトは、変えられない外部の状況(運命や世界の秩序)に悩むのではなく、変えられる**自分の内面(欲望や考え方)**をコントロールすることの重要性を説いています。

 

3. 自分を成長させる

 

すべて良書を読むことは、著者である過去の世紀の一流の人びとと親しく語り合うようなもので、しかもその会話は、かれらの思想の最上のものだけを見せてくれる、入念な準備のなされたものだ。

引用:『方法序説』デカルト、谷川 多佳子著

良書を読むことは、偉大な人々の思想に触れ、自身の視野を広げることにつながります。


 

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「我思う、ゆえに我あり」の真意

 

この有名な言葉は、デカルト哲学の根幹をなすものです。

そして「わたしは考える、ゆえにわたしは存在する〔ワレ 惟 ウ、故ニワレ 在 リ〕」というこの真理は、懐疑論者たちのどんな途方もない想定といえども揺るがしえないほど堅固で確実なのを認め、この真理を、求めていた哲学の第一原理として、ためらうことなく受け入れられる、と判断した。

引用:『方法序説』デカルト、谷川 多佳子著

デカルトは、あらゆるものを疑うことから始めました。しかし、何を疑ったとしても、「疑っている自分自身の存在」だけは疑うことができませんでした。この「考えること」こそが、自分の存在を証明する唯一確実な真理であると結論づけたのです。

この考え方は、私たちに「自分の思考」を大切にすることの重要性を教えてくれます。


 

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最後に

 

『方法序説』は、私たちがより良い人生を歩むためのヒントに満ちています。デカルトの思考法を参考にしながら、日々の生活や仕事における判断力を磨いてみてはいかがでしょうか。

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