足元の雑草から巨木まで|知れば知るほど不思議な「植物」の世界

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私たちは毎日、街路樹や公園の草花、そして食卓の野菜として植物に接しています。しかし、その生存戦略や意外な正体については、意外と知らないことが多いものです。

今回は、稲垣栄洋さんの著書『面白くて眠れなくなる植物学』から、思わず誰かに話したくなるような植物の不思議なエピソードをピックアップしてご紹介します。

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1. 115メートルの巨木と「理論上の限界」

世界で最も高い木がどれくらいか、想像したことはありますか。現在、カリフォルニア州にあるセコイアメスギがその記録を持っていますが、実は木が高くなるのには物理的な限界があるのです。

現存する世界一高い木はアメリカのカリフォルニア州にあるセコイアメスギで高さ一一五メートルにもなると言います。これは二五階建てのビルの高さと同じくらいです。とはいえ、一四〇メートルが理論上の限界です。残念ながら、淡路島を覆い隠すような伝説の巨木は、存在しえなかったのです。

引用:『面白くて眠れなくなる植物学』 稲垣 栄洋著

地面から吸い上げた水を100メートル以上の高さまで運ぶ植物の生命力には驚かされますが、同時に140メートルという「天井」が決まっているという点に、自然界の厳格なルールを感じます。

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2. 葉っぱの並び方に隠された「フィボナッチ数列」

植物の葉が重なり合わずに効率よく日光を浴びるために、実は高度な数学的ルールが使われています。

じつは、この分数の分母と分子は、それぞれがフィボナッチ数列で並んでいるのです。植物の葉の配置が、フィボナッチ数列に従っていることは、シンパー・ブラウンの法則と呼ばれています。

引用:『面白くて眠れなくなる植物学』 稲垣 栄洋著

ひまわりの種の並びや松ぼっくりでも見られるこの「フィボナッチ数列」。植物は意識せずとも、最も効率的なデザインを計算し尽くして生きているのです。

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3. 花の色と虫たちの「ギブ・アンド・テイク」

春先に黄色い花(タンポポや菜の花など)が多いのには、明確な理由があります。それは、厳しい寒さの中で一番に活動を始める「アブ」をターゲットにしているからです。

黄色い花はアブが好む色です。アブは、まだ気温が低い春先に、最初に活動を始める虫です。そのため、春先の花はアブを呼び寄せるために、黄色い色をしているのです。

引用:『面白くて眠れなくなる植物学』 稲垣 栄洋著

一方、ミツバチが好む「紫色の花」は、より複雑な構造をしています。

紫色の花を見ると、複雑な形をしています。細長い構造の形をしていて、花の奥深くに蜜が隠されているのが基本の形です。そして、花びらには蜜のありかを示す蜜標というサインが示されています。

引用:『面白くて眠れなくなる植物学』 稲垣 栄洋著

特定の能力を持つ虫だけを招待し、確実に受粉を成功させる。植物と昆虫の間には、シビアながらも見事な協力関係が築かれています。

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4. 私たちが食べている「イチゴ」の正体

私たちが「イチゴの実」だと思って食べている赤い部分は、実は本当の果実ではありません。驚きの事実は、あの表面にある「つぶつぶ」に隠されています。

じつは、イチゴの種子だと説明したつぶつぶが、イチゴの本当の実です。イチゴの粒をよく見ると、棒状のようなものがついています。これが雌しべの跡です。果実は、雌しべの根元にある子房が発達してできますので、この粒こそが、イチゴの本当の果実なのです。

引用:『面白くて眠れなくなる植物学』 稲垣 栄洋著

私たちが頬張っている甘い部分は「花托(かたく)」と呼ばれる土台が膨らんだもの。植物学的な定義を知ると、いつものデザートも少し違った見え方になります。

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5. 野菜と果物の意外な境界線

「メロンは果物?野菜?」という論争によく遭遇しますが、農林水産省の定義に基づくと、キーワードは「多年生」かどうかにあります。

農林水産省の定義では、「一年生草本類から収穫される果実」を野菜、「多年生作物などの樹木から収穫される果実」を果物としています。バナナは草本類ですが、多年生なので, 果物になるのです。

引用:『面白くて眠れなくなる植物学』 稲垣 栄洋著

バナナは「木」ではなく「巨大な草」であるという事実も驚きですが、その寿命や栽培形態によって分類が決まるというのも興味深いポイントです。

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