あなたの休日は「未来への投資」? それとも「浪費」? – 『世界の一流は「休日」に何をしているのか』を読んで

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週末、あなたは何をして過ごしますか?

目覚ましをかけずにゆっくり寝て、スマホを眺め、動画サイトを見ているうちにあっという間に一日が終わってしまう…なんてことはありませんか?

実は、数年前の私自身がまさにそうでした。

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日本人の休日の過ごし方

平成 26年版厚生労働白書によると、日本人の「休日の過ごし方」のトップ 3は男女共に次の項目が占めています。

①何となくスマホを見て過ごす

②動画やテレビを観て過ごす

③何もせずにゴロ寝で過ごす

引用:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』越川慎司著

このデータを見たとき、「ああ、やっぱり…」と妙に納得してしまいました。

平日の疲れを癒すために、休日はダラダラ過ごしたい。

その気持ちは痛いほどよく分かります。

しかし、越川慎司さんの著書『世界の一流は「休日」に何をしているのか』を読んで、その考え方は大きく揺さぶられました。

本書によると、「世界の一流」と呼ばれるビジネスパーソンたちは、休日を単なる休息日とは捉えていないようです。

彼らは、休日を「何もしない時間」と考えるのではなく、「積極的にエネルギーをチャージする時間」(休養)と「知的エネルギーを蓄える時間」(教養)と位置づけているのです。

引用:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』越川慎司著

「休養」と「教養」。

この二つのキーワードが、彼らの休日を特別なものにしているのだと感じました。

ただ身体を休めるだけでなく、心と知性を積極的に養う時間。

パナソニック創業者の松下幸之助氏も、同様の考えを持っていたというのは驚きです。

「経営の神様」といわれた松下電器産業(現パナソニック)創業者の松下幸之助が「一日休養、一日教養」を唱えて、現在の週休二日制を導入するきっかけを作ったことは広く知られていますが、世界の一流ビジネスパーソンも同じ考え方をしています。

松下幸之助は、休日の活用法について、次のように語っています。

「事業は人なり。教養がなければいい仕事はできない。しかし、普段は忙しく、時間が取れない。だから一日は休養、そしてもう一日は教養の時間にせよ」

引用:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』越川慎司著

平日忙しいからこそ、休日にインプットし、自分をアップデートしていく。

この考え方は、特に「労働集約型」が多いと言われる日本のビジネス環境において、より重要になってくるのかもしれません。

日本企業の 70%が「労働集約型」のビジネスモデルであることです。

多くの企業が、基本的には「働く人と働く時間を増やせば、売り上げが上がる」という構造になっていますから、働き方改革によって労働時間を減らすと、ダイレクトに業績に影響が出てしまいます。

引用:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』越川慎司著

限られた時間で成果を出すためには、やはり個々のスキルアップや知識の習得が不可欠。

そのための時間として、休日を「教養」に充てるというのは非常に理にかなっています。

では、一流は具体的にどのように「教養」の時間を過ごしているのでしょうか?

本書で特に印象的だったのが「読書」に対する姿勢です。

弊社が日本企業で著しい成果を出している一流ビジネスパーソン 962人に調査したところ、彼らは 1年間で平均 43.2冊の読書をしていることがわかりました。

これに対して、成果が平凡な社員の年間読書量は平均 2.4冊ですから、一流社員は一般社員の 18倍も読書をしていることになります。

引用:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』越川慎司著

年間平均43.2冊! 一般社員の18倍とは…! この数字だけでも衝撃的ですが、さらに重要なのはその「読み方」です。

読書を知識の習得と考えてしまうと、どうしても情報のインプット(入力)が先行することになりますが、彼らは「アウトプットありきのインプット」を重要視することで、読書を自分の「武器」にしているのです。

彼らに共通するのは、「自分の環境にどう活かせるか?」という意識を持って読書をしていることです。

本を読み終えたら、「この知識を明日の仕事にどう反映させるか?」と考え始めて、すぐにそれをアクションに移しているのが彼らの特徴です。

引用:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』越川慎司著

「アウトプットありきのインプット」これは目から鱗でした。

ただ読むだけでなく、「この知識をどう活かすか?」を常に考え、行動に移す。

読書を単なる知識習得で終わらせず、自分の「武器」に変えているのです。

私も読書は好きな方ですが、読みっぱなしになっている本が多いことを猛省しました…。

また、読む本のジャンルにも特徴があるようです。

彼らは平均すると 1週間に 1冊くらいのペースで読書をしていますが、多くが一度に平均 7冊をまとめ買いしており、その内訳が話題のビジネス書 5冊に対して、小説や図鑑など自分が興味のある本が 2冊となっているのです。

引用:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』越川慎司著

ビジネス書だけでなく、小説や図鑑など、一見仕事とは関係なさそうな本もバランス良く読んでいる点も興味深いです。

多様な知識や視点に触れることが、新たな発想や深い思考につながるのかもしれません。

そして、一流の人々の根底にあるマインドセットにも驚かされました。

休日こそが主役であり、平日の仕事は大事な休日のためにある……と考えているのです。

「休みにヨットやスキーをやっているのではない。ヨットやスキーをやるために、働いているんだ」と話すなど、エグゼクティブは仕事よりも休日の楽しみを優先して考えており、ハッキリと「仕事は究極の暇つぶし」と言い切る人もいます。

引用:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』越川慎司著

「仕事は究極の暇つぶし」とまで言い切る人もいるとは…! これは極端な例かもしれませんが、「休日のために働く」という発想は、仕事へのモチベーションを維持し、人生をより豊かにするための重要な視点だと感じました。

仕事に忙殺されるのではなく、充実した休日を送るために、平日の仕事の生産性を上げよう、という好循環が生まれるのかもしれません。

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「書く瞑想」ジャーナリングも試してみたい

「ジャーナリング」も、一流の休日の過ごし方として有効な手法だと感じました。

ジャーナリングは「書く瞑想」とも呼ばれ、マインドフルネスの手法の一つとして世界中のビジネスパーソンが実践しています。

その方法は、頭に思い浮かんだことをランダムに紙に書き出す・・・・・というものです。 (中略) ジャーナリングには、次のような効果があるといわれています。

  • 自分の現状を客観視できる
  • 思考を整理できる
  • 新しいアイデアや考え方が見つかる
  • ネガティブな感情をリセットできる
  • 集中力がアップする

引用:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』越川慎司著

頭の中のモヤモヤを書き出すことで思考が整理され、心が落ち着くというのは、まさに「休養」と「教養」の両方に繋がりそうです

特に、ネガティブな感情をリセットできるというのは魅力的休日の朝、少しの時間を使ってジャーナリングを取り入れてみることで、よりクリアな頭で一日をスタートできそうです。

これはぜひ試してみたい習慣です。

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休日を「未来への投資」の時間へ

『世界の一流は「休日」に何をしているのか』を読んで、休日の過ごし方に対する意識が大きく変わりました。

ただダラダラと過ごす時間は、もしかしたら未来の自分から「時間」という貴重な資産を奪っているのかもしれません。

もちろん、何もしないでリラックスすることも大切です。

しかし、そこに「教養」というスパイスを加えることで、休日は単なる休息日から、自己成長を促す「未来への投資」の時間へと変わるのではないでしょうか。

「アウトプットを意識した読書」や「ジャーナリング」。まずは小さなことからでも、自分の休日に取り入れてみたいと思います。

あなたも、この週末から「一流の休日」を少しだけ意識してみませんか? きっと、月曜日の朝、いつもより少しだけ前向きな自分でスタートできるはずです。

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