近年、「AIに奪われる職業」として販売員が挙げられることに不安を感じている方もいるかもしれません。しかし、そんな時代だからこそ、人と人との繋がりを大切にする「顧客力」が求められています。本記事では、『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』の著者、土井美和氏の言葉を引用しながら、お客様との深い信頼関係を築くための接客術をご紹介します。
AI時代に求められる「顧客力」
AIやECサイトの台頭により、店頭への来客数が減少している現代において、単に商品を販売するだけではない、お客様との深い信頼関係を築くスキルこそが不可欠であると土井氏は断言します。
販売員という仕事は「 A Iに奪われる職業 1位」と言われています。
販売員という仕事に自信を持てなくなったり、この先も販売員を続けていくか悩んだりしている人も多いのではないでしょうか。 ECサイトの台頭で、店頭への来客数が減少しているこの時代に、必要不可欠なのは「お客様と深い信頼関係を築くスキル」 =「顧客力」だと断言できます。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
「体験」を販売する接客
お客様は商品を買うだけでなく、「体験」そのものを求めていると土井氏は語ります。お客様に「また会いたい」と思ってもらうためには、商品を買うかどうかにかかわらず、お店にいる時間を楽しんでいただくことが重要です。
商品を買う買わないに限らずお店にいる時間を楽しんでいただくこと、人柄が伝わるような温度感のある空間を作ること、を意識するようになりました。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
販売員は単に「商品」を販売しているだけではなく、人と人とのコミュニケーションなくしては得られない「体験」そのものを販売していると思うのです。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
「Only One」のお客様として向き合うマインド
お客様一人ひとりを「one of them(大勢の中の一人)」としてではなく、「only one(たった一人)」のお客様として向き合うことが、最も大切なマインドです。
忙しい毎日の中で、「 one of them(大勢の中の一人)」としてシルエットでお客様を見るのではなく、「 only one(たった一人)」のお客様としてきちんと毎接客向き合えるかどうか、それこそが一番大切なマインドです。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
お客様との距離を縮める接客術
それでは、具体的にどのようにしてお客様との距離を縮め、深い信頼関係を築いていけば良いのでしょうか。
お客様を「歓迎」する準備
お客様がお店に入りやすい雰囲気を作るためには、「動的待機」が効果的です。
お客様が身構えることなく、リラックスできる状態を目指すのならば、「動的待機」と呼ばれるような、ディスプレイを直しながら、でも顔と意識は入口に向いている姿勢が最適です。「入店したらすぐに声をかけられちゃうかも……」というドキドキ感が入りづらさに繋がるので、体は少し動かしながら、でも意識は常に入口に向けて、「ご自分のペースでゆっくりご覧くださいね」という雰囲気を作りましょう。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
また、ルイ・ヴィトンには「ON STAGE」という言葉があるように、店頭に立つ際には身だしなみや表情、姿勢など、すべてにおいてお客様を歓迎する姿勢が求められます。
ルイ・ヴィトンには、「 ON STAGE」という言葉がありますが、「一歩店頭に出たら、そこは舞台に上がった女優のように、立ち姿、歩く姿など全てがどこから見られていても恥ずかしくない自分であるべき」という意味が込められています。 店頭に立つときには、身だしなみや表情、姿勢や歩き方などいま一度振り返り、相応しい「歓迎」ができているかを確認しましょう。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
会話を広げるアプローチ
お客様への声がけは、商品の話だけでなく、季節の話題などを取り入れることで、会話が広がりやすくなります。
「でも、朝晩はずいぶん涼しくなってきて、秋らしくなってきましたね」「ようやくそろそろニットなどが着れると思うと、楽しみですよね」
というようにお声がけを工夫すれば、まだまだ夏気分のお客様も「秋冬のものをそろそろ見てみようかな」という気分になるはずです。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
また、「以前にも〇〇したことはありますか?」という過去の質問は、お客様の状況を把握するために非常に有効です。
「ご来店ありがとうございます。こちらの商品は以前にもご覧になったことはありますか?」
と声をかけます。この「以前にも ○ ○したことはありますか?」という過去の質問は、とても有効です。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
お客様の感情に寄り添うヒアリング術
お客様との会話では、質問攻めにするのではなく、お客様の感情に寄り添うことが大切です。
「二八の法則」と「共感」
一般的なヒアリングでは「二八の法則」として、お客様に8割話してもらい、販売員は2割話すと言われます。しかし、土井氏は自身の経験から、質問と同じくらい自身の話をすることも重要だと述べています。
よく優秀なサラリーマンが「二八の法則」と言いますが、これは八割はお客様に話していただき、お客様の情報を聞くために二割はこちらが話すということです。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
「私も ○ ○ですよ」「私は ○ ○ですよ」と伝えます。ヒアリングの際に、お客様を質問攻めにしてしまいがちな人に、是非試してもらいたい方法です。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
感情に訴えかける接客
お客様は「感情で買い、理論でそれを正当化する」というマーケティングの有名なフレーズにあるように、感情に訴えかける接客が重要です。
人は感情で買い、理論でそれを正当化する」。これは、有名なマーケッターのダン・ケネディ氏の著書にも度々登場する有名なフレーズです。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
単に商品を説明するだけでなく、お客様がその商品を持つことで得られる「体験」や「感情」に焦点を当てて伝えることで、お客様の購買意欲を高めることができます。
「自分じゃなければ売れなかった」という価値
土井氏は、いくら売れたかという金額よりも、「自分じゃなければ売れなかった金額」こそが、自身の接客の価値だと語っています。
私は、単純にいくら売れたかよりも、「自分じゃなければ売れなかった金額」こそが、自分の接客の価値だと思っています。
引用:『元ルイ・ヴィトン顧客保有数No.1 トップ販売員の接客術 (大和出版)』土井 美和著
これは、お客様一人ひとりと深く繋がり、そのお客様にしか提供できない「体験」を創出することの重要性を示しています。
AIが進化し続ける現代において、販売員の価値は、お客様との「心の繋がり」をどれだけ深く築けるかにかかっています。土井美和氏の接客術を参考に、あなたも「また会いたい」と思われるトップ販売員を目指してみませんか?
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