好きなことを仕事にする。それは多くの人が憧れる道ですが、現実は甘いものではありません。格闘ゲーム界のトッププレイヤーとして知られるネモさんの著書『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』には、単なる精神論ではない、非常に現実的かつ戦略的な「夢の叶え方」が記されています。
サラリーマンとプロゲーマーという二足のわらじを履き、自らの道を切り拓いてきた氏の言葉から、私たちが今の環境を打破するためのヒントを探ります。
チャンスを自ら引き寄せる「行動」の重要性
多くの人は「準備ができてから」「考えがまとまってから」と行動を後回しにしがちです。しかし、ネモ氏は「まずは動くこと」、特に「人に会うこと」の重要性を説いています。
1人で考えていても仕方がない、煮詰まったら人に会ってみる、行動してみるというのは私がよく取るパターンです。
引用:『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』ネモ著
チャンスと出合うには、積極的に人と会って話すこと、周囲に「自分が何をやりたいのか」を明確に伝えておくことが特に大切と私は考えています。すぐには結果につながらなくても、話をした人が何かの折に私のことを思い出して声をかけてくれるケースはたくさんあります。「考えをまとめてから」なんていつまでもじっとしているくらいなら、誰かに会って考えを伝えたほうがいい。そのほうが、チャンスの間口は広がります。
引用:『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』ネモ著
自分の意志を言語化し、周囲に発信し続けることで、自分一人では到達できなかった情報やチャンスが舞い込んでくるようになります。運を引き寄せるのは、思考の深さよりも「試行回数(行動量)」であることがわかります。
「セカンドキャリア」という現実と向き合う
「好きなこと」を追求する一方で、ネモ氏は常に現実的な視点を忘れません。プロゲーマーという選手生命が限られた職業だからこそ、将来への不安を自覚し、戦略的に「仕事を辞めない」選択をしていました。
結局はプロゲーマーとしての生活が成り立たない将来、つまりセカンドキャリアへの不安が手放せないから、私は仕事を辞めないんだよなと自覚していました。
引用:『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』ネモ著
社内業務に携わる割合が低ければ、引退後に会社で働き続けるのは難しいケースがあること、会社が社員として働く場を用意していても、元選手が自分のスキル不足や「スポーツしかできない」という周囲からのレッテルに耐えられず、辞めてしまうケースが多いということなどです。
引用:『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』ネモ著
夢を追うことは、リスクを無視することではありません。むしろ、将来の不安を正しく認識し、社会人としてのスキルを磨き続けることで、結果的に「好きなこと」に全力で打ち込める土台を作っていたのです。
状況を変えるのは「環境」ではなく「意志」
現状に不満があるとき、私たちはつい「環境のせい」にしがちです。しかし、ネモ氏は変化させるべきはまず「自分の気持ち」であると断言します。
このとき、気が付いたんです。「つまらないとか言っているからいけないんだな」と。変化させるべきはもはや使うキャラクターではなく、自分自身の気持ちでした。
引用:『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』ネモ著
悩むのはわかります。でも、その悩みは今の自分の環境だけを見て、「来年は出られないのかな」と思っているだけのことなんですよ。大事なのは「出たい」という意志があるということ。
引用:『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』ネモ著
「どうすれば出られるか」を考える前に、まず「出たい」という強い意志を持つ。その意志があって初めて、環境を変えるための具体的なアクション(例えば、副業や業務委託という形でのスポンサー契約の模索など)が生まれます。
徹底した準備と、結果に対する潔さ
最後に、勝負の世界で生きる氏の「負け」に対する考え方は、ビジネスパーソンにとっても大いに参考になります。
万全の状態だと自分で思えないときは、やはり緊張もするし、失敗するんですよね。それで後悔した経験は、その後も後を引きます。
引用:『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』ネモ著
ほかによく聞かれるのが、「負けたときはどう気持ちを切り替えるのか」。しっかり準備しても負けたなら、もう「仕方ないな」と割り切るしかありません。負けるのは嫌いだし、今でも負けると悔しいという気持ちはすごくあります。でも、勝負は続いていくから、割り切って、切り替えて、次につなぐしかない。
引用:『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』ネモ著
後悔しないためには、準備の段階で自分を追い込み、万全を期すこと。そして、そこまでやって出た結果に対しては、たとえ敗北であっても潔く受け入れる。この切り替えの早さが、次のチャンスを掴むためのエネルギーとなります。
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