人との繋がりは、私たちの人生を豊かにし、仕事の生産性をも高める重要な要素です。では、「なぜか好かれる人」たちは、一体どのような習慣を実践しているのでしょうか? 藤本梨恵子氏の著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』から、その秘訣を探ります。
印象を左右する「非言語コミュニケーション」の力
私たちは言葉だけでなく、視線や表情、立ち居振る舞いといった非言語的な要素からも多くのメッセージを受け取っています。
視線が語るメッセージ
女性が名前を呼ばれて振り向くときに、一度視線を下に落としてから振り向くと「色っぽい」と言われるのは、視線を落とすことで、恥じらいを相手に感じさせるからです。このように視線は、私達が思う以上にいろいろなメッセージを発信しています。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
これは、視線がいかに人の感情や意図を伝えるかを示す好例です。同時に、視線は相手に不快感を与えてしまうこともあります。
企業でのハラスメント防止対策が進むアメリカでは、大手動画配信会社ネットフリックスが「職場で5秒以上見つめるのは禁止」というルールを設けて話題になりました。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
上記のネットフリックスについて調べてみましたが、「職場で5秒以上見つめるのは禁止」というルールこそありませんでしたが、ふさわしくないという風潮になっているようです。
「目は口ほどにものを言う」という言葉があるように、人の視線にも敏感です。だからこそ相手の首から下は見ないことで、相手へ敬意を払い、不快にさせないことが重要です。あなたの視線がハラスメントにならないためにも。相手の首から下は見ない!
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
好かれる人は、相手に敬意を払い、視線にも気を配ることで、不快感を与えないように努めているのです。
特に女性は視線に敏感なので男性は女性を見るときには注意しましょう。
笑顔の絶大な効果
誰かがあなたを思い浮かべたときに、「笑顔のあなた」を思い出すくらい、いつも笑顔でいると好かれます。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
笑顔は、相手に心を開いているという無意識のメッセージを伝えます。心理学の研究では、笑顔と人間関係の良好さに明確な相関があることが示されています。
アメリカのデポー大学で、マシュー・ハーテンステイン氏が行った研究では、卒業アルバムで笑顔の人と、そうでない人の人生を追跡すると、あまり笑っていない人の離婚率は、満面の笑みの人の5倍であったという結果が出ています。笑顔が人間関係に大きく影響するのです。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
相手への「関心」と「配慮」が信頼関係を築く
好かれる人は、常に相手への関心と配慮を忘れません。
相手を理解しようとする姿勢
人間は自分のことを理解して欲しい生き物です。カウンセリングの神様と呼ばれるカール・ロジャーズは、信頼関係を築く上で「裁こうとするな、理解しようとしろ」と言っています。理解するためのスタートは相手を見ることです。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
日々他人に対して疑念が出てきたり、自分中心になりがちですが、相手を理解しようと努める姿勢は、信頼関係の基盤となります。
好かれる人は、「興味があると言っていた、〇〇の勉強会が今週末にあるよ!」と相手の関心がある情報をわざわざ送ってきてくれます。体調を崩したときも、「体調はどう?」と相手に関心を寄せます。デール・カーネギーも「友を得るには、相手の関心を引こうとするより、相手に純粋な関心を寄せることだ」と言っています。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
純粋な関心は、相手に安心感を与え、心を開かせます。
思考と行動を変える意識
意識と無意識の割合は1:9などと言われており、意識より無意識のほうが断然影響力が大きいのです。つまり、人間関係を制する人は無意識を制する人なのです。引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
言葉だけでなく、呼吸や仕草、話すスピードなど、無意識的な部分を相手に合わせることで、より深い信頼関係を築くことができます。
口癖が人生を作ると言います。マザー・テレサは「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから」と言っています。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
日々の思考や言葉が、習慣、性格、そして最終的には運命を形作るというマザー・テレサの言葉は、自己認識と行動変容の重要性を示唆しています。
好かれる人が持つ「寛容さ」と「人間らしさ」
ジャッジを手放す寛容さ
人が幸せに生きる方法の1つは、良い・悪いというジャッジを手放すことです。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
ブッダの前で人が癒やされるのは、人をジャッジしないからです。裁かれないとき、人はリラックスしてありのままの自分でいられます。良い・悪いのジャッジを緩め、どちらでもいいと考えられる人は他人に寛容です。だから愛されるのです。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
良い・悪いの判断を手放し、他者をあるがままに受け入れる寛容な心は、人々を惹きつけます。
完璧ではない「しくじり効果」
完璧すぎると人は共感も好感も持てないのです。心理学では「しくじり効果」と呼ばれ、テキサス大学の心理学者エリオット・アロンソンの行った実験が有名です。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
完璧な人よりも、少しの失敗を見せる人の方が親近感を持たれやすいという「しくじり効果」は、人間らしい一面を見せることの重要性を教えてくれます。
日常の習慣が人生を豊かにする
丁寧な姿勢と思いやりの心
常に人や物を大切に扱う姿勢・考え方(全体)が、1つ1つの行動(部分)として現れるのです。雑な行動(部分)だけを直そうとしても、すぐに違う雑さが生まれてきます。丁寧に扱うことの重要性(全体)に気づくとき、自然と行動(部分)は改善されます。考え方が変わると行動が変わります。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
物の扱い方ひとつにも、その人の内面が表れます。丁寧な心遣いは、自然と周囲からの好感に繋がります。
立場が上がれば上がるほど、あなたが行う行為にありがたみが出てくるものです。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
松下幸之助の逸話のように、高い地位にある人ほど、謙虚な姿勢と思いやりのある行動は、人々の心を強く揺さぶります。
過去にとらわれない生き方
過去の人に今の自分の人生を乗っ取られてはつまらないのです。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
過去の嫌な経験に囚われず、前向きに生きる姿勢は、あなたの魅力を一層引き立てます。
能力は心の状態に比例します。
引用:『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』藤本 梨恵子著
心の状態が、私たちの能力の発揮にも大きく影響するという指摘は、良好な人間関係を築く上で、心の平穏がいかに重要であるかを教えてくれます。
『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』は、今日から実践できる具体的なヒントが満載です。これらの習慣を取り入れ、より豊かな人間関係を築いてみてはいかがでしょうか。
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