皆さんは「1日3食きちんと食べましょう」と教わって育ってきた方がほとんどではないでしょうか。しかし、それは本当に正しいのでしょうか? 実は、現代人の「食べすぎ」が、さまざまな体の不調を引き起こしているのかもしれません。
今回は、青木厚氏の著書『「空腹」こそ最強のクスリ』から、健康や若さを保つためのシンプルな方法、そしてそのカギを握る「オートファジー」という体の仕組みについてご紹介します。
現代人は「食べすぎ」?
当たり前だと思っている「1日3食」という習慣ですが、実は歴史的に見るとそこまで古いものではありません。江戸時代までは、肉体労働者を除いて1日2食が一般的だったとされています。
1日3食が定着したのは、様々な説がありますが、明治以降に軍隊で採用されたことや、ある博士が「1日2食では必要なエネルギーを摂取するのが難しい」と提唱したことなどが背景にあるようです。
しかし、現代では昔よりも活動量が減っているにもかかわらず、高カロリーな食事を1日3食とることで、体に負担をかけている可能性があります。
食べた後に、あなたが眠気や疲れ、だるさを感じるのは、胃腸や肝臓が発している、疲れのサインかもしれないのです。
引用:『「空腹」こそ最強のクスリ』青木 厚著
健康の鍵は「食べない時間」
食べすぎによる体への負担を減らし、健康や若さを保つためのシンプルな方法。それが「ものを食べない時間(空腹の状態)を作ること」です。
食べすぎによる害から体を守り、健康や若さを維持する、シンプルな方法。それは、「ものを食べない時間(空腹の状態)を作ること」です。
引用:『「空腹」こそ最強のクスリ』青木 厚著
青木氏が推奨するのは、1日16時間以上の空腹時間を作ることです。この「空腹の時間」が、体を内側からきれいにしてくれる重要な役割を担います。
16時間の空腹がもたらす体の変化
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脂肪をエネルギーに変える 最後に食事をとってから約10時間経つと、肝臓に蓄えられた糖質がなくなり、体は次に脂肪を分解してエネルギーとして使い始めます。空腹時間が長くなるほど、余計な脂肪が燃焼され、減っていくのです。
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オートファジーが始まる さらに空腹時間が16時間を超えると、「オートファジー」という仕組みが働き始めます。
オートファジーとは、古くなった細胞を、内側から新しく生まれ変わらせる仕組みであるといえます。
引用:『「空腹」こそ最強のクスリ』青木 厚著
オートファジーが機能すると、細胞内の不要なタンパク質や老廃物が一掃され、細胞が活性化します。これにより、病気になりにくく、若々しい体を手に入れることができるのです。2016年には、オートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した日本の科学者もいます。
16時間断食の具体的なやり方
16時間断食は、「朝食を抜く」のが最も手軽で続けやすい方法です。
【平日の例】
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夜21時に夕食をとる
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翌日の朝食を抜く
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翌日13時以降に昼食をとる
【休日の例】
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土曜日または日曜日のどちらか1日
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朝食と昼食を抜く
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夕食のみ通常通り食べる
空腹時の過ごし方
16時間の空腹時間中、何も食べてはいけないわけではありません。どうしてもお腹が空いてしまった場合は、以下のものを少量なら食べてもOKとされています。
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ナッツ類:ナッツに含まれる不飽和脂肪酸は、オートファジーを活性化させる効果も期待できます。
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チーズ、ヨーグルト、生野菜:これらは「食べ物の塊」ではないため、食べても問題ないとされています。
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ゼロカロリーの飲みもの:血糖値を上げないものならOKです。
糖質は控えめに
健康な体を目指す上で、糖質の摂りすぎにも注意が必要です。
茶碗一杯の白米(約150g)に、どれほどの糖質が含まれているか、ご存じですか? 答えは、約 50 g。これは、3gのスティックシュガー約 17 本分に相当します。
引用:『「空腹」こそ最強のクスリ』青木 厚著
糖質を過剰に摂取すると、消費しきれなかった分が中性脂肪に変わり、脂肪肝の原因になることがあります。脂肪肝はアルコールだけでなく、糖質の摂りすぎによっても引き起こされるのです。
また、脂肪肝は糖尿病のリスクを高めることも分かっています。16時間断食で空腹力を高めることで、自然と糖質への欲求が減っていくはずです。
さいごに
『「空腹」こそ最強のクスリ』は、単に体重を減らすための方法ではなく、オートファジーという体の仕組みを利用して、根本から健康な体を取り戻すことを目的としています。無理なく続けられる方法で、健康的な生活を手に入れてみてはいかがでしょうか。
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