良好な人間関係を築くヒント。『人の心をつかむ15のルール』から学ぶコミュニケーション術

あなたは、人との関わりの中で「なぜかこの人とは話しやすいな」「この人の話はすっと心に入ってくるな」と感じたことはありませんか？

もしかすると、その方は無意識のうちに、人の心をつかむコミュニケーションの秘訣を実践しているのかもしれません。

今回ご紹介するのは、レス・ギブリン著『人の心をつかむ15のルール』です。この本には、人間関係を円滑にし、相手との信頼関係を築くための具体的なヒントが詰まっています。

今回は、本書の中から特に印象的だったいくつかの引用部分をご紹介し、それが私たちの日常生活やビジネスシーンでどのように活かせるのかを考えてみましょう。

反論は賢者の選択ではない？

私たちは、相手の意見に賛成できないとき、つい反論したくなることがあります。

しかし、本書では、その行動に一石を投じます。

生涯にわたって忘れてはいけないのは、「愚か者ほど反論したがる」という事実だ。たとえ相手が間違っていても、賛同することができれば、それはあなたの器が大きいことの証しであり、賢者のしるしである。

引用:『人の心をつかむ15のルール (レス・ギブリン)』レス・ギブリン著

相手の意見に反論するのは、絶対的な理由があるときだけにする

相手の意見に賛成できないことはよくあるが、「絶対に反論しなければならない場合」を除いて、それをわざわざ口に出す必要はない。

また、相手の意見に反論する必要は、実際にはめったにない。

引用:『人の心をつかむ15のルール (レス・ギブリン)』レス・ギブリン著

これらの引用は、反射的に反論するのではなく、一度立ち止まることの重要性を教えてくれます。相手の意見に耳を傾け、理解しようと努める姿勢は、たとえ意見が異なっても、相手に敬意を示すことにつながります。

感情的な反論ではなく、本当に必要なときにのみ、建設的な意見を伝えることが、成熟したコミュニケーションと言えるでしょう。

「私」よりも「あなた」を意識する

会話の中で、私たちは無意識のうちに「私は～だと思う」「私の経験では～」と、「私」を主語にして話しがちです。

しかし、相手の心をつかむためには、視点を変えることが重要です。

あなたの語彙から「私」という単語を排除しよう。

そして、「私」を「あなた」という単語に置き換えよう。「あなた」（ ＝目の前の相手）は、ふだん使っている言葉の中で最も強い力を持つ単語である。

引用:『人の心をつかむ15のルール (レス・ギブリン)』レス・ギブリン著

このアドバイスは非常に強力です。相手に関心を持ち、「あなたはどう思いますか？」「あなたの経験を聞かせてください」のように、「あなた」を主語にした質問や言葉を増やすことで、相手は自分が認められていると感じ、心を開きやすくなります。

相手目線で考え、相手に話をさせる

では、具体的にどのように相手に関心を示せば良いのでしょうか？

人前で話すのがうまい人は、相手目線で話を考えるあなたの話を〝面白い話〟にする方法は、「相手目線で考える」ことだ。派手なパフォーマンスは必要ない。自然体で誠意を持って、聞き手の関心事を話せばいい。

引用:『人の心をつかむ15のルール (レス・ギブリン)』レス・ギブリン著

これは、一方的に自分の話をするのではなく、相手が何に興味を持っているのかを考え、それに合わせた話題を選ぶことの重要性を示しています。

そして、相手に関心を持つことは、相手に気持ちよく話をしてもらうことにもつながります。

誰もが自分について話すときは、夢中になり、すっかり心を奪われる。 自分について話す機会が得られると、誰もがその機会を与えてくれた人に好意を抱くもの

引用:『人の心をつかむ15のルール (レス・ギブリン)』レス・ギブリン著

人は、自分自身について話すのが好きな生き物です。相手に気持ちよく自分の話をしてもらう機会を提供することは、相手に好意を持ってもらうための効果的な方法です。良き聞き手になることが、人との関係を深める鍵となります。

賛同の力

私たちは、自分に賛同してくれる人に好感を抱き、反対する人に不快感を覚える傾向があります。これは人間関係の基本的な心理と言えるでしょう。

賛同して心をつかむための３つの法則

１ 誰もが自分に賛同してくれる人を好む

２ 誰もが自分に反論する人を嫌う

３ 誰もが反対されることをうとましく思う

引用:『人の心をつかむ15のルール (レス・ギブリン)』レス・ギブリン著

必ずしも相手の意見全てに同意する必要はありませんが、理解を示す姿勢や、共感できる点を見つける努力は、相手との良好な関係を築く上で非常に有効です。

第三者の評価を活用する

何かを勧めたり、自分の意見の正当性を示したりする際に、直接的に「これは良いものだ」「私は正しい」と言うよりも、効果的な方法があります。

相手の疑問に直接答えているのではなく、商品の購入者や過去の雇い主、前の入居者に「代弁」してもらうかたちで第三者からの評価を活用している。 そうすれば、あなたが直接答えるよりも情報の信ぴょう性を高めることができる。

引用:『人の心をつかむ15のルール (レス・ギブリン)』レス・ギブリン著

これは、客観的な第三者の声、つまり口コミや評判、推薦などを活用することの有効性を示しています。これにより、あなたの言葉に説得力が増し、相手はより安心してそれを受け入れることができるようになります。

まとめ

『人の心をつかむ15のルール』から引用したこれらの言葉は、どれもシンプルながらも人間関係の本質を突いています。

反論を控え、相手に敬意を払い、相手に関心を持ち、気持ちよく話をしてもらうこと。そして、賛同の力を理解し、必要に応じて第三者の評価を活用すること。

これらのルールを日々のコミュニケーションの中で意識することで、あなたはきっと、より多くの人との間に良好な関係を築くことができるはずです。

ぜひ、本書を手に取って、さらに多くのヒントを得てみてください。