家づくりは一生に一度の大きな買い物。だからこそ、「こうしておけばよかった」と後悔しないために、事前にしっかりと知識を身につけることが大切です。本書『後悔しない家づくりのすべて』から、賢い家づくりのヒントをピックアップしてご紹介します。
選択肢を広げる!中古・建売住宅の魅力と賢い土地選び
新築の注文住宅だけが家づくりの選択肢ではありません。中古住宅や建売住宅には、コスト面や安心感といった独自のメリットがあります。
中古住宅や建売住宅は、注文住宅よりも安価で、現物を見たうえで購入できますから「イメージと違う」という後悔もありません。マンションの中間階の中住戸は、四方を部屋に囲まれているため断熱性が高く、コストパフォーマンスに優れます。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
また、土地選びも家づくりの重要なステップです。後悔しないために、以下の3つのポイントを必ずチェックしましょう。
土地を検討するにあたり、特にチェックしておくべきポイントは、「価格は適正か」「敷地に問題はないか」「ハザードマップにかかっていないか」の3つ です。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
予算の現実を知る!建物の総費用とメンテナンス費用
建物の価格は、本体価格だけではありません。付帯工事費用や諸費用、そして消費税も加算されることを忘れてはいけません。
建物は、本体価格に加え、建物付帯工事費用、諸費用、さらに消費税も数百万円の額になります。大まかな目安として、 本体価格の1・5倍に消費税を足した金額を建物の総予算と想定する といいと思います。たとえば、1500万円の土地に、2000万円の家を建てるなら、土地代に経費が乗って1620万円。建物は経費込みで本体価格の1・5倍で3000万円+消費税。トータル4920万円まで膨らんでいきます。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
また、家を建てた後もメンテナンス費用がかかることを想定しておく必要があります。
一般的な耐久性を持つ建売住宅を例に挙げるなら、 30 年で約850万円のメンテナンス費用がかかる とされます。これを分割すると、月に約2万3000円を積み立てる計算です。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
外構工事も忘れずに予算確保
外構工事は家の印象を大きく左右しますが、意外と忘れがちな費用です。
外構の予算として 最低でも建物本体価格の7〜8%、できれば 10%を確保 しておきましょう。また、外構を同時に提案できる住宅会社を探しておくと、きちんと相談に乗ってくれるはずです。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
資産価値と環境を考える!家具と太陽光発電
長く使う家具は、単なる消耗品ではなく、住まいを豊かにする投資です。
上質な家具というのは、使い心地がよくて美しいだけではなく、末永く使うことを考えてメンテナンスがしやすくなっています。資産価値も高く、たとえばデンマークのカールハンセンアンドサン社が製造する椅子、通称「Yチェア」は、新品で9万円前後ですが、中古になっても7~9万円の値段で売買されています。安い家具を使い捨てるのは、地球環境にもマイナスです。 あきのこないデザインの名作家具を揃え、日々慈しみながら暮らしていくのはどうでしょう。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
そして、これからの時代に欠かせないのが太陽光発電です。
結論から先にいいましょう。太陽光発電パネルは、「載せないと損」です。なぜなら、 太陽光発電のリターンはかなり正確に計算でき、損をする可能性が極めて低い からです。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
住宅会社の選び方と性能の重要性
家づくりを成功させるためには、信頼できる住宅会社を見つけることが不可欠です。
「社長に魅力がない」「理念がない」「実績が少ない」「担当者が論理的ではない」「見積もりがおおざっぱ」「他社をけなす」。 このような会社は避けたほうがいいでしょう。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
押さえておきたい住宅性能の5要素
住宅の性能は、快適で安全な暮らしを送る上で非常に重要です。
住宅における性能は、以下にわけられます。 「耐震性(建物の構造体の強さ)」「耐久性(耐候性、雨漏り防止)」「メンテナンス性(維持管理、修繕がしやすい工夫)」「温熱環境(断熱、気密、空調計画)」「省エネ性(建物の燃費、光熱費、太陽光などの創エネ)」の5つ です。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
特に断熱性能と耐震性は、住み心地と安全に直結します。
断熱材の性能は、「断熱材の熱の通しにくさ」と「断熱材の厚み」 で決まります。高性能の断熱材も、薄ければ熱を逃がしやすくなります。また、断熱性能は断熱材だけではなく、内装仕上げ材(壁紙など)、防湿気密シート、石こうボード、構造用面材、通気層、外壁下地、サイディングといったものの組み合わせで総合的に決まります。 断熱材の性能ばかり推してくる会社は、あまり優良とはいえません。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
住宅において、 断熱性能の目安として「国の基準、G1、G2」という3つがある と知っておきましょう(さらに寒冷地でも対応できるG3レベルもある)。 何もオーダーしなければ、断熱性能は基本的に国の基準並みとなりますが、よりあたたかな家を望むなら、G1、G2とグレードを上げることになり、追加でコストがかかる可能性も高いです。ただ、断熱性能を高めることで、設置するエアコンの台数が減ったり、ランニングコストが抑えられたりして、いずれ初期投資は回収できます。加えて 長く健康で快適に住み続けられるというメリットもあるので、G2レベルを目標とし、最低でもG1レベル以上にしておくことをおすすめ します。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
耐震等級3の建物では、倒壊、全壊、大規模半壊はゼロで、地震後も軽微な修繕 で住み続けられました。 命はもちろん、日々の生活を守り、維持するためにも、耐震等級3の取得をおすすめします。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
快適な「小さな家」を実現する間取りの工夫
「広い家=良い家」という常識にとらわれる必要はありません。小さな家でも、工夫次第で豊かな暮らしを実現できます。
個人的な感覚としては、 4人家族なら 26 坪あれば十分に暮らせます。 実際に、私が担当した施主の方の中には、家族4人、 22 坪の家で暮らす人がいますが、とても豊かな生活を送り、満足されています。 「小さな家」にする大きなメリットは、サイズを抑えた分、 浮いたコストを「質を高める」方向に使える ことにあります。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
実際にどのようなポイントを押さえて小さな家を建てれば、豊かに暮らしていけるでしょう。 間取りに関しては、 階段やホールを家の中心に配置し、できるだけろうかを減らす と、スペースをフル活用できます。窓の配置などを工夫して庭や空とのつながりを持たせたり、吹き抜けやロフトを採用して縦方向の視線の抜けをつくったりすると、床面積以上の開放感が得られます。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
窓の役割と配置の考慮
窓は採光や通風に重要ですが、多すぎるとデメリットもあります。
実は窓というのは、構造的にいうと建物における「弱点」であり、たくさんつくるほどデメリットが大きく なってきます。例を挙げると断熱性能、耐震性、メンテナンス性、収納性、コストパフォーマンスといった点が、低下していくのです。 窓の本来の役割を考えてみると、次の4つになるかと思います。「自然の光をとり入れる」「景色をとり入れる」「出入りする」「通風をうながす」。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
キッチン設備の選び方
キッチンは毎日の生活に密接に関わる場所。使い勝手の良い設備を選びましょう。
カウンターの高さは、1・1~1・3mが目安 となります。食洗器は、「浅型は思いの外食器が入らない」と感じる人が多く、 深型食洗機がおすすめ です。加熱機器は、 掃除のしやすさ重視ならIH です。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
無駄をなくす!トイレ・浴室・バルコニーの再考
本当に必要な設備かどうか、改めて考えてみることが大切です。
そうしてなんとなくトイレを2つ依頼する前に、考えてほしいことがあります。 私のリサーチにおいて、 建築後に2階トイレを頻繁に使用しているという話を聞いたことがありません。「掃除が面倒だからできるだけ1階を使う」という人もいます。それほど使用頻度の低い設備に予算と空間を割く必要が、果たしてあるでしょうか。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
トイレや浴室に「窓を設けない」メリットは、いくつもあります。 まず前述した通り構造的な弱点である窓を減らせ、断熱性を上げ、掃除の手間も省けます。また、トイレや浴室を外壁側ではなく建物の内側に配置するという選択肢が加わることで、間取りの自由度がより高まります。そうして設計上の課題を解決できるようになるケースも多いです。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
年に2〜3回」という答えなので「その程度であれば、間違いなくやめておくべき」と私はアドバイスをします。 なぜなら、 建築コストが200万円ほどかかるのを考えれば、割に合わない と思うからです。 年に2回、 20 年使っても、宿泊1回あたり5万円を支払う計算です。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
なぜバルコニーがほしいのか。「物干し場として使う」という人がよくいますが、前述のデメリットを考えれば、 庭に干したほうが圧倒的にラクで低コスト であると思います。庭がないとしても、 全自動洗濯乾燥機を採用したり、浴室や脱衣所に室内干しできるスペース をつくったりしたほうが、確実にメリットが大きいです。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
子どもの成長を促す間取り
子どもの個室は、いつから与えるべきか悩む家庭も多いでしょう。家族とのコミュニケーションを重視した間取りも検討してみましょう。
子どもは、リビングやダイニングといった家族との共同空間で社会性を身につけていきます。 個室にこもるよりも、家族の中で過ごす時間が増えるような間取りにするのがおすすめです。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
豊かな庭づくりのヒント
庭は家の外観を彩るだけでなく、生活に潤いを与えてくれます。
庭木の数は「3本以上植える」。 それなりのボリューム感を得るには、最低3本は必要です。配置としては「手前と奥に、高さの違う木を植える」 ことで、奥行きや空間の広がりを出します。木の種類については「常緑樹と落葉樹を両方植える」。
引用:『後悔しない家づくりのすべて』げげ著
いかがでしたでしょうか。家づくりは複雑で多くの選択肢がありますが、本書の知識を参考に、ご自身のライフスタイルに合った「後悔しない家づくり」を進めてみてください。
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