「なんだか体の調子が悪い」「病院に行ってもスッキリしない」と感じていませんか? もしかすると、その不調の原因は「質的栄養失調」にあるかもしれません。現代の食事は、一見バランスがとれているようで、実は必要な栄養素が不足しがちなのだそうです。
本記事では、医師であり、分子栄養学の専門家である藤川徳美氏の著書『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』から、不調の根本原因と、それを自分で治すための具体的な方法についてご紹介します。
質的栄養失調が慢性疾患の原因
藤川氏は、現代人の多くの不調の原因は「質的栄養失調」にあると指摘しています。
「糖質過多+タンパク不足+脂肪酸不足+ビタミン不足+ミネラル不足」です。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
この質的栄養失調が、うつ病やパーキンソン病、認知症といった慢性疾患を引き起こす大きな要因となっているそうです。
人間の体は、水分を除いた70%がタンパク質でできており、常に合成と分解を繰り返しています。
タンパク質こそは、人間にとって必要な第一の栄養素です。 人間の体は水分を除いた 70%がタンパク質から成り立っています。そして合成と分解を繰り返しています。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
そのため、健康を維持するためには、タンパク質を継続的に供給し続けることが不可欠なのです。しかし、一般的なバランスの良い食事には、このタンパク質が不足し、不要な糖質が大部分を占めていることが多いと藤川氏は警鐘を鳴らします。
これが「質的」栄養失調をもたらし、慢性疾患の原因になっています。タンパク質が足りなくて病気になっているのですから、タンパク質が満たされていけば病気は治ります。つまりタンパク質が慢性疾患を自分で勝手に治してくれるということになります。そのことを自然治癒力というのです。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
医療は「対症療法」にすぎない
藤川氏は、「病院に行けば病気を治してもらえる」という考えにも言及しています。
残念ながら思うように病気は治らないのです。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
多くの医療機関で行われる治療は、あくまでも病気の症状を抑える「対症療法」であり、根本的な原因を解決するものではないと言います。
基本的に、医療機関で行う治療の大半は、対症療法です。病気の治し方を教えてくれるわけではありません。ですから、あなた自身の体のこと、あなたの健康管理を医師に任せている限り、根本的な治療の入り口にさえ立てないということになります。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
自身の健康は、自分自身で管理していく必要があるのです。
不調を治すための具体的な方法
では、どのようにして質的栄養失調を改善すればよいのでしょうか。藤川氏は、以下の4つのステップを提案しています。
①高タンパク/低糖質食+プロテイン+鉄を摂る
②ビタミンB群、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンEを摂る
③その他の脂溶性ビタミン、ミネラルを摂る
④オプションのサプリメントを摂る
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
ここでは、特に重要とされる「タンパク質」「鉄」「糖質」に焦点を当てて詳しく見ていきましょう。
1. タンパク質を徹底的に摂る
藤川氏が提唱する健康維持・病気予防のためのタンパク質摂取量の目安は、「ご自身の体重 × 1g」です。
健康の維持、病気の予防のためにはご自分の体重×1gのタンパク質摂取が必要になります。これが1日最低限の量です。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
さらに藤川氏は、ご自身の例として、体重64kgに対し、体重×1.5gのタンパク質を摂取していることを明かしています。
体重は 64 kg ですが、朝、自宅で 30 g( 90 cc)、クリニックで午前中に 30 g( 90 cc)、さらにクリニックで昼 40 g(120 cc) を摂っています。これは体重 ×1・5gに相当します。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
タンパク質を効率的に摂取するためには、ホエイプロテインが推奨されています。
プロテインは「ホエイプロテイン」一択
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
筋タンパク合成率においてホエイはカゼインよりも 93%高かった」「ソイよりも 18%高かった」「トレーニング後に摂取した場合、ホエイの筋タンパク合成率はカゼインよりも122%高く、ソイよりも 31%高かった」
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
ソイプロテインよりもホエイプロテインの方が、筋肉を作る効率が高いという研究結果も紹介されています。また、プロテインが苦手な場合は、卵を1日5個食べるという方法も提案されています。
「朝、卵5つのゆで卵をつくっておき、1日かけて食べるようにしてみてください」
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
2. 鉄分を積極的に補給する
藤川氏は、うつ病やパニック障害の多くは「鉄不足」によるものだと臨床的に確かめたと言います。
うつ・パニックのほとんどが低フェリチン
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
女性のうつ病やパニック障害とみられる症状の多くは、「鉄不足」によるものだということが、臨床的に確かめられたことです。鉄を投与すると、みるみる治っていかれたことから
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
鉄分を摂取する際には、肉や魚に含まれるヘム鉄が推奨されています。ほうれん草やひじきに含まれる非ヘム鉄は、吸収率が著しく低いため、効率的ではないそうです。
ほうれん草やプルーン、ヒジキに含まれる非ヘム鉄は、肉や魚に含まれるヘム鉄の 10 分の1と著しく低いのです。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
ただし、サプリメントで摂取する場合は、吸収効率の良いキレート鉄が勧められています。
サプリメントのヘム鉄は非効率ですので、私はキレート鉄を勧めています。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
3. 糖質を減らす
藤川氏は、糖質は栄養素ではなく、「栄養ドロボー」だと断言しています。
糖質は栄養素ではありません。むしろ「栄養ドロボー」です。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
体内では糖質を代謝するために必要な主酵素+補酵素(補因子) となるタンパク質、ビタミン、ミネラルを浪費します。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
糖質を摂りすぎると、タンパク質やビタミン、ミネラルが消費されてしまい、質的栄養失調をさらに悪化させてしまうのです。そのため、普段の食事では白米やパン、麺類、菓子などの炭水化物を減らすことが大切です。
最後に
藤川氏の著書は、医療や薬に頼るだけでなく、自分の体と向き合い、根本的な原因から不調を改善していくことの重要性を教えてくれます。
今まで以上に「ど真剣に生きる」ことが大切だと感じています。
引用:『医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる』藤川 徳美著
この機会に、ご自身の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。
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