現代社会は情報で溢れかえっており、私たちは日々、膨大な量の情報に触れています。しかし、その多くは記憶に残らず、効率的な学びを妨げているかもしれません。
今回は、樺沢紫苑先生の著書『学び効率が最大化するインプット大全』から、あなたの記憶力と集中力を最大化するためのインプット術をご紹介します。普段何気なく行っている習慣が、実はあなたの学習効率を下げている可能性も。これらの知見を参考に、明日からの学びを劇的に変えていきましょう。
衝撃の事実!インターネットの情報吸収率はたった3%?
あなたは1週間でどれくらいの情報をインターネットで目にしているでしょうか?
そして、そのうちどれだけ覚えていますか?
ある実験では、175人に「ここ1週間でインターネットで見た情報」を思い出してもらったところ、なんと平均で3.9個しか思い出せなかったそうです。 1日に20個ほどの情報に触れるとすれば、1週間で140個もの情報に接触しているにもかかわらず、記憶に残るのはたったの4個。これは、情報吸収率がわずか3%という衝撃的な数字です。
引用:『学び効率が最大化するインプット大全』樺沢紫苑著
多くの情報に触れていても、それが記憶に定着していなければ意味がありません。いかに効率よく情報をインプットするかが重要です。
勉強中に音楽はNG?集中力を奪う意外な原因
「勉強中に音楽を聴くと集中できる」と思っている方もいるかもしれません。しかし、ある研究では、そうではない可能性が示されています。
英グラスゴー・カレドニアン大学の研究によると、「テンポの速い曲」「テンポの遅い曲」「環境音」「無音」の4つの条件下で認知機能検査を行った結果、音楽や雑音がある群は、「無音」と比べてすべての検査得点が低下したそうです。特に「テンポの速い曲」の影響は大きく、「無音」と比べて記憶力テストの得点が約50%も低下したとのこと。
引用:『学び効率が最大化するインプット大全』樺沢紫苑著
集中して記憶したいときには、できるだけ静かな環境を選ぶことが、学習効率アップの鍵となりそうです。
音楽が「良い効果」を発揮する場面とは?
一方で、音楽が良い効果を発揮する場面もあります。特に運動時には、その効果が顕著に現れるようです。
イギリスのブルネル大学の研究では、長距離ランナーに「クイーン」や「マドンナ」の曲を聴かせたところ、走行距離が18%伸び、タイムも短縮したそうです。また、イギリスのシェフィールド・ハラム大学の研究では、BGMがある場合は、同じ運動にもかかわらず、ない場合よりも7%の酸素消費量の低下が見られました。
引用:『学び効率が最大化するインプット大全』樺沢紫苑著
音楽は、運動パフォーマンスの向上に役立つことが科学的に示されています。集中を要する作業と、気分を上げたい運動など、状況に応じて音楽を使い分けるのが賢い方法と言えそうです。
脳の疲労回復には「目を閉じる」だけ?
日々の情報過多で、私たちの脳は常に疲労しています。脳の疲労回復には、特別なことをしなくても効果的な方法があります。
国際医療福祉大学の研究では、「安静閉眼」「ガム」「アロマセラピー」を5分間行い、光トポグラフィ(近赤外線計測装置)で脳の血流を調べたところ、「安静閉眼」で最も前頭前野の脳血流がアップし、高い脳疲労回復効果が確認されたそうです。 たった数分、目をつぶっているだけで脳の疲労は回復するのです。ハンカチなどで光を遮断するとさらに効果的です。
引用:『学び効率が最大化するインプット大全』樺沢紫苑著
たった数分、目を閉じるだけで脳の疲労は回復するのです。ハンカチなどで光を遮断するとさらに効果的とのこと。スキマ時間や休憩時間に試してみてはいかがでしょうか。
スマホ・SNSがあなたから奪っているもの
現代生活に欠かせないスマホとSNSですが、これらが私たちの心身に与える影響についても警鐘が鳴らされています。
SNSとメンタルヘルス
ピッツバーグ大学の研究では、SNSの利用頻度が高ければ高いほどうつ病になりやすい。利用時間が短い人と比べ、利用時間の長い人がうつ病になるリスクは2.7倍高まる、という結果が出ました。
引用:『学び効率が最大化するインプット大全』樺沢紫苑著
SNSは情報収集やコミュニケーションに便利ですが、使いすぎには注意が必要です。
スマホと学業成績
東北大学、川島隆太教授の研究によると、スマホの使用時間が1時間増えるごとに、数学・算数の成績が約5点減るという結果が出ています。同研究では「勉強時間」ごとの検討も行っており、「勉強時間30分以下でスマホを使わない生徒」より、「勉強時間4時間以上でスマホを使う生徒」のほうが成績が低い、という驚くべき結果になっています。スマホを使用することで勉強した結果が無効化される、ということです。
引用:『学び効率が最大化するインプット大全』樺沢紫苑著
スマホを使用することで、せっかくの勉強が無効化されてしまう可能性があるのです。集中して学習したい場合は、スマホを遠ざけるなどの工夫が必要でしょう。
「座りすぎ」が寿命を縮める?
シドニー大学の研究によると、1日に座っている時間が4時間未満の人と比べ、11時間以上の人は、40%も死亡リスクが高まりました。同研究者によると「テレビをじっと座って見続けると、1時間ごとに平均余命が22分間短くなると推定される」とのこと。
引用:『学び効率が最大化するインプット大全』樺沢紫苑著
デスクワークが多い方は特に注意が必要です。定期的に立ち上がって体を動かす、休憩時間に散歩をするなど、座りすぎを防ぐ工夫を取り入れてみましょう。
効率的なインプットで最高の自分を目指そう
今回ご紹介した研究結果は、私たちが普段無意識に行っている習慣がいかに学習効率や健康に影響を与えているかを教えてくれます。
- 情報は質を重視し、量を減らす
- 集中したい時は静かな環境を選ぶ
- 運動時には音楽を活用する
- 脳の疲労回復には目を閉じる時間を設ける
- スマホやSNSの使用時間を意識的に減らす
- 長時間座りっぱなしを避ける
これらのポイントを意識して、日々のインプットを見直すことで、あなたの学習効率は格段に向上し、より充実した毎日を送れるようになるでしょう。ぜひ、今日から実践してみてください。
コメント