人から好かれたい、仕事で成功したい、そして心豊かな人生を送りたい。そう願う人は多いでしょう。しかし、どうすればそれが叶うのでしょうか？
歯科医であり経営者でもある井上裕之氏の著書『本物の気づかい』には、その答えとなる考え方が詰まっています。本書で語られる「気づかい」とは、単なる気配りやマナーではありません。それは、「相手に対する愛情、思いやり、感謝の気持ちを行動にあらわすこと」であり、この気づかいを身につけることで、私たちの人生は大きく変わると言います。
なぜ「気づかい」が重要なのか？
『本物の気づかい』では、気づかいを身につけることで得られる5つのメリットが紹介されています。
-
人から好かれる
-
近道をして成長できる
-
チャンスが増える
-
人生で成功できる
-
心ゆたかに生きられる
このメリットの根底にあるのは、「相手に喜んでもらいたい」という純粋な気持ちです。この気持ちをもって行動に移すことが、成功の鍵だと著者は説きます。
「相手によろこんでもらいたい」「幸せになってもらいたい」と考え、行動に移している人は成功するのです。どんなビジネスも、その商品やサービスの価値にお客さんがよろこびを感じてくれれば、うまくいきます。
引用:『本物の気づかい』 井上裕之著
ビジネスの成功も、結局は相手が喜んでくれるかどうかで決まります。そして、相手を喜ばせるためには、相手が何を喜ぶのかを知る必要があります。
相手のよろこびポイントを知るためには、相手に関心をもち、何をしたらこの人はよろこんでくれるのか、常に考えアンテナを張っておきましょう。
引用:『本物の気づかい』 井上裕之著
相手を喜ばせるための3つのヒント
では、具体的にどうすれば相手の喜ぶポイントを見つけられるのでしょうか？ 著者は3つの方法を挙げています。
「自分がうれしいと感じること」を相手にする
相手の立場になって「うれしいと感じてもらえること」を考える
周囲を観察し「人は何によろこびを感じるか」を学んでいく
引用:『本物の気づかい』 井上裕之著
まずは自分が嬉しいと感じることを相手に試してみる。次に相手の立場に立って考え、さらに日頃から周囲の人々を観察して、どんなことに喜びを感じるのかを学ぶ。この積み重ねが、本物の気づかいへと繋がります。
いますぐ実践できる！具体的な気づかいの方法
本書では、日常生活やビジネスシーンで役立つ具体的な気づかいのヒントも数多く紹介されています。
感謝の気持ちを伝える
感謝を伝える際は、ただ「ありがとう」と言うだけでなく、何に対して感謝しているのかを付け加えることが大切です。また、相手の名前を呼んで話しかけることで、より親密な印象を与えることができます。
心理学では相手の名前を呼ぶことで、自分への好感度が上がることがわかっています（ネームコーリング効果）。また、何に対して感謝するのかをつけ加えたほうが丁寧な印象を与えられます。
引用:『本物の気づかい』 井上裕之著
相手の価値観を尊重する
自分と相手の価値観が違うのは当たり前のことです。そんなときは、まず相手を尊重することが大切です。
もし、自分と相手の価値観に大きな違いがあるのであれば、まず相手を尊重します。そして、自分の価値観を押しつけないで、相手が不快に思うことはしないようにします。
引用:『本物の気づかい』 井上裕之著
断られても笑顔で対応する
仕事で断られることは誰にでもあります。そんなときこそ、真価が問われます。笑顔で丁寧に対応することが、将来の信頼関係に繋がります。
「断られたときが勝負です。ニコッと笑顔で、『じゃあ、また何かあったら、よろしくお願いします』と、感じよく言えばいいのです。（略）仕事をいっぱいとってくる、ではなく、どんどん、どんどん断られながら、ずーっと耕して、耕していくと、そこに根が張っていき、〝いいお得意様〟になる」
引用:『本物の気づかい』 井上裕之著
相手の成長につながるフィードバックをする
部下や後輩へのアドバイスは、相手の成長を願う気づかいです。ただ欠点を指摘するのではなく、相手が受け入れやすい伝え方を工夫しましょう。
自分が言いたいことを言うのではなく、どんな助言だったら、相手は受け入れられるのか、相手目線を大切にしましょう。
引用:『本物の気づかい』 井上裕之著
「気づかい」を習慣化し、心豊かな人生を
『本物の気づかい』には、気づかいは一朝一夕で身につくものではなく、日々の習慣によって無意識にできるようになる、と書かれています。
人間は習慣の動物だからです。気づかいを繰り返し行うことで無意識にできるようになります。
引用:『本物の気づかい』 井上裕之著
その習慣化の第一歩として、著者が勧めているのが「トイレ掃除」です。
誰も見ていないところで、次の人のことを考えて気づかいをする。これが自然とできるようになれば、「相手の立場に立って考える」ことが習慣化されて、ビジネスの場面でも相手本位の気づかいができるようになります。
引用:『本物の気づかい』 井上裕之著
まとめ
『本物の気づかい』は、単なるマナー本ではありません。相手の喜びを自分の喜びと捉え、行動に移すことの大切さを教えてくれる一冊です。学歴や育ちに関係なく、人に好かれ、応援される人になるために必要なのは、この「本物の気づかい」を身につけることなのです。
必要なのは、人に自分を好きになってもらうこと、「応援したい」と思ってもらえる人になること。
引用:『本物の気づかい』 井上裕之著
この本を読み、気づかいを実践することで、あなたの人生はきっとより豊かになるでしょう。まずは身近な人への感謝を言葉にすることから始めてみてはいかがでしょうか。
コメント