「人生が豊かになりすぎる究極のルール」について書かれたビル・パーキンス氏の著書『DIE WITH ZERO』から、私たちがより充実した人生を送るためのヒントをご紹介します。この本は、お金を貯め込むことや使うタイミングを遅らせることの問題点を指摘し、健康と時間を重視することこそが人生の満足度を高める秘訣だと説いています。
働き方と「隠れたコスト」
私たちはとかく年収の金額にとらわれがちですが、本当に大切なのは手取りの金額だけではありません。著者は、仕事を選ぶ際に「隠れたコスト」を考慮することの重要性を強調しています。
その仕事に必要なコスト(毎日の長い通勤、高収入の仕事に相応しい身なりをするための衣料費、長時間労働など)が高ければ、年収 7万ドルの人のほうが 4万ドルの人より貧しくなってしまう。それに、稼いだ金を使って何かを楽しむための時間も少なくなる。仕事を比べるときは、この隠れたコストを考えなくてはいけない。
引用:『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著
高収入の仕事でも、それに伴う時間的、金銭的コストを考慮すると、必ずしも豊かであるとは限らないのです。
モノより経験に投資する
現代社会ではモノを所有することに価値を置かれがちですが、幸福度という観点からは、経験への投資がより重要であると著者は指摘します。
心理学の研究でも、人はモノではなく経験に金を使うほうが幸せになれることを示している。モノは買った瞬間の喜びは大きいが、次第にその喜びは減っていく。だが、経験から得る価値は時間の経過とともに高まっていく。
引用:『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著
旅行や新しい学び、人との交流など、経験から得られる価値は、時間とともに色褪せることなく、むしろ記憶の中で輝きを増していくものです。
死ぬまでにお金を使うことの重要性
多くの人が老後のためにと貯蓄に励みますが、『DIE WITH ZERO』では、その行動が必ずしも最善ではないと警鐘を鳴らしています。
莫大な時間を費やして働いても、稼いだ金をすべて使わずに死んでしまえば、人生の貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる。その時間を取り戻すすべはない。
引用:『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著
私たちは、お金を稼ぐために貴重な時間を使っています。そのお金を使い切らずに人生を終えることは、その時間を無駄にしたことになってしまう、というのです。
貯め込みすぎの問題点
著者は、必要以上に貯め込むこと、そしてお金を使うタイミングが遅すぎることこそが問題だと述べています。
必要以上に貯め込むことや、金を使うタイミングが遅すぎるのが問題だと言っているのだ。
引用:『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著
実際、多くの退職者が資産を取り崩すことなく亡くなっているというデータも紹介されています。
・資産額が多い人々(退職前に 50万ドル以上)は、 20年後または死亡するまでにその金額の 11・ 8%しか使っておらず、 88%以上を残して亡くなっている。つまり、 65歳に引退したときに 50万ドルだった資産は、 86歳の時点でまだ 44万ドル以上残っている
引用:『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著
・全退職者の 3分の 1が、なんと退職後に資産を増やしている。資産を取り崩すのではなく、反対に富を増やし続けていた
引用:『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著
これらのデータは、多くの人が必要以上にお金を貯め込み、結果としてそのお金を使う機会を逸している現実を示しています。
健康と時間を最優先に
では、どうすれば後悔のない人生を送れるのでしょうか。その答えはシンプルです。
金ではなく、健康と時間を重視すること。それが人生の満足度を上げるコツなのである。
引用:『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著
お金はあくまで人生を豊かにするためのツールであり、目的ではありません。健康な体で、自由に使える時間があるうちに、多くの経験をすることが、人生の満足度を高めることにつながるのです。
死ぬまでに必要なお金の計算式
著者は、死ぬまでに必要なお金を計算するシンプルな式も提示しています。
では、死ぬまでに必要な金を計算する式を整理してみよう。死ぬまでに必要な金 =( 1年間の生活費) ×(人生の残りの年数) × 0.7
引用:『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著
これは、不必要な貯蓄をせず、人生を最大限に楽しむための考え方を示唆していると言えるでしょう。
『DIE WITH ZERO』は、お金との向き合い方、そして人生の過ごし方について、私たちに新たな視点を与えてくれます。あなたは、残りどれくらいの健康と時間を使って、どのような経験をしたいですか?
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