「もっと仕事のパフォーマンスを上げたい」「集中力が続かない」と感じていませんか?実は、脳内物質を理解し、適切に活用することで、仕事の精度と速度を飛躍的に向上させることができます。精神科医である樺沢紫苑先生の著書『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』から、その具体的な方法を脳内物質の働きと共にご紹介します。
集中力を高める脳内物質とその活用法
仕事の効率を上げる上で欠かせないのが集中力です。脳内には集中力に関わる様々な物質が存在します。
ノルアドレナリンで短期集中力を爆発させる
ノルアドレナリンは「闘争と逃走のホルモン」とも呼ばれ、危機的な状況で分泌されます。
ノルアドレナリンは「闘争と逃走のホルモン」とも呼ばれています。闘うか、逃げるか。そうした選択と行動が必要される危機的な状況で分泌されるのです。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
これは、短時間で高い集中力を発揮したい時に活用できます。例えば、
有料メルマガは発行日が決まっており、その日に発行しないと、料金がいただけないというシステムになっています。「2日間で必ず仕上げないといけない」という強烈なプレッシャーがあるわけです。これによって、ノルアドレナリンが分泌され、注意力、集中力が大幅にアップして、短時間で質の高い執筆が可能になったわけです。あなたもなにか仕事をする場合、漫然と取り組まないことです。期間や時間を限定するだけで、効率をアップさせることができます。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
のように、期間や時間を限定することで、意図的にノルアドレナリンを分泌させ、集中力を高めることができます。ただし、
ノルアドレナリン分泌は、あまりに長期に及ぶと「うつ病」になります。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
とあるように、長期的な過剰分泌は避けるべきです。
セロトニンで冷静な集中を
セロトニンは心の安定に関わる物質です。
セロトニンがほどよく分泌された状態は、僧侶が座禅をしているときのように、心が静かな状態になります。激しい情動をコントロールし、心に冷静と落ち着きをもたらすのです。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
冷静で落ち着いた状態での集中力を高めたい場合に重要です。ストレスを軽減し、心穏やかに仕事に取り組むために、セロトニンを意識した生活習慣が役立ちます。
アセチルコリンで発想力とクールダウン
アセチルコリンは、発想力と集中力を高めるだけでなく、心身をクールダウンさせる働きもあります。
発想力と集中力を担う脳内物質が「アセチルコリン」です。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
また、アセチルコリンは全身の臓器をクールダウンする「副交感神経」の伝達物質でもあります。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
新しいアイデアが必要な時や、集中しすぎて興奮状態になった時に、アセチルコリンを意識することで、思考を柔軟にし、心身を落ち着かせることができます。
モチベーションを高める脳内物質とその活用法
仕事の精度と速度を上げるには、モチベーションの維持も不可欠です。
ドーパミンを味方につけて幸福なモチベーションを
ドーパミンは「幸福物質」とも呼ばれ、モチベーションの維持に深く関わっています。
夢のない話でありますが、「ドーパミン分泌=幸せ」なのです。さらに言えば、「幸せになる方法=ドーパミンを出す方法」でもあります。こうしたことからドーパミンは、「幸福物質」とも呼ばれます。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
ドーパミンを分泌させるには、目標設定が重要です。
自分でしっかりと目標を設定し、それに向かって努力したり、工夫したりする過程で、ドーパミンは分泌されるのです。その上で、目標そのものも達成できれば、そこでまたドーパミンが出てきます。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
そして、目標は
短期間で実現可能な目標」を立てて、その実現をくり返すことで、大きな目標を達成するほうが効率的です。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
のように、短期で達成可能なものを設定し、達成感を積み重ねることが効果的です。
また、「楽しい」と感じることもドーパミン分泌を促します。
資格試験や昇進試験でも「楽しい」と思いながら勉強すると、ドーパミンが出ます。「明日も勉強しよう!」という気持ちが自然と湧いてきます。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
さらに、自分へのご褒美もモチベーション維持に繋がります。
イチロー選手は大きな記録を達成したときに、自分に高級腕時計を買うそうです。もちろん、自分へのご褒美として。あまり喜びを表に出さないイチロー選手ですが、自分にご褒美をプレゼントすることで、次へのモチベーションにしっかりとつなげていたわけです。
引用:『脳を最適化すれば能力を2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
ただし、ドーパミンはマンネリを嫌います。
今の自分に満足し、「現状維持で大丈夫」と思った瞬間、ドーパミンが出なくなります。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
ドーパミンはマンネリを嫌います。そして、「工夫」と「変化」を好みます。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
常に新しい挑戦や工夫を取り入れることが重要です。
運動と睡眠がモチベーションの土台を作る
脳内物質を最適に分泌させるためには、基本的な生活習慣が非常に重要です。
適度な運動でやる気を引き出す
運動はモチベーション向上に大きく貢献します。
やる気が出ない。何もしたくない。モチベーションが上がらない。そういう人の多くは、運動不足に陥っている可能性があります。仕事に対するモチベーションを上げる意味でも、適度な運動は重要と考えられます。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
適度な運動は、脳を活性化させ、ドーパミンなどの分泌を促し、仕事への意欲を高めます。
質の良い睡眠で脳を休める
メラトニンは睡眠を促す物質です。
メラトニンは「睡眠物質」であり、濃度が高まると眠気が起こり、スムーズに睡眠へと至ります。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
十分な睡眠は、脳の疲労を回復させ、翌日のパフォーマンスに直結します。
朝食は脳のエネルギー源
脳の機能を最大限に引き出すためには、朝食も欠かせません。
子供の生活習慣と成績に対する調査は、他にもいろいろとありますが、その多くが「朝食をとらない子供は、成績が悪い」という結果を示しています。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
朝食を摂ることで、脳に十分なエネルギーを供給し、午前中の集中力や思考力を高めることができます。
ストレスとの付き合い方
仕事のパフォーマンスを維持するためには、ストレスマネジメントも重要です。
精神的な緊張は、全てストレスです。重要なのは、ストレスから解き放される時間帯がどれだけあるのか、ということです。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
「快」の刺激と「不快」の刺激は、それぞれ異なる脳内物質を分泌させます。
「快」刺激を得たときには、ドーパミンとエンドルフィンが出ます。これらは記憶力、学習力、想像力など脳の機能を大きく高めてくれますので、あなたの成功確率は飛躍的にアップします。逆に「不快」刺激を受けると、ノルアドレナリン、アドレナリンが分泌されます。こちらは集中力、瞬発力を高め「火事場の馬鹿力」を発揮してくれます。ただし、長期に分泌しすぎると「コルチゾール」を高め、免疫力を下げて、心と体をズタズタにして、心と体の病の原因となります。
引用:『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』樺沢紫苑著
短期的な「不快」刺激は集中力や瞬発力を高めますが、長期的なストレスは心身に悪影響を及ぼします。適切な休息を取り、ストレスから解放される時間を設けることが大切です。
まとめ
仕事の精度と速度を上げるためには、脳内物質の働きを理解し、日々の生活や仕事に意識的に取り入れることが重要です。
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ノルアドレナリン:時間を区切ることで短期的な集中力を高める。ただし、過度なストレスは避ける。
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セロトニン:冷静な集中力を保つために、心の安定を意識する。
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アセチルコリン:発想力とクールダウンに活用し、思考の柔軟性を保つ。
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ドーパミン:短期目標の設定と達成、ご褒美、そして常に新しい工夫を取り入れることでモチベーションを維持する。
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運動・睡眠・朝食:脳のパフォーマンスの土台を築く。
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ストレスマネジメント:適切な休息を取り、心身のバランスを保つ。
これらの脳科学に基づいた方法を実践することで、あなたの仕事のパフォーマンスは飛躍的に向上するはずです。今日から、あなたの脳を「最適化」してみませんか?
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