私たちは日々、時間に追われ、あっという間に過ぎ去る時間の流れに「このままでいいのか?」と漠然とした不安を感じているのではないでしょうか。サトマイさんの著書『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』は、そんな私たちの悩みに、具体的な解決策と人生を豊かにするヒントを与えてくれます。
あなたの時間を蝕む「時間のモンスター」の正体
私たちはなぜ、時間が足りないと感じ、あっという間に人生が終わってしまうと焦るのでしょうか?その原因は、私たちの身の回りにある**「時間のモンスター」**の存在にあります。
スマホがあなたの集中力を奪う
現代社会において、スマートフォンの存在は切り離せません。しかし、その利便性の裏で、私たちの集中力と時間を大きく蝕んでいます。
調査によると、私たちは1日に150~221回もスマホをチェックしています。そして、サザンメイン大学の研究によると、スマホに触れなくても、スマホが視界に入っているだけで、学力テストの成績が低下するそうです。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
スマホは、私たちの意識を常に引きつけ、重要なタスクへの集中を妨げます。これはまさに、私たちの時間を食い荒らす「時間のモンスター」と言えるでしょう。
思考停止に陥らせる自己欺瞞
「自分は正しい」「これが自分のポリシーだ」と思いつつも、なんとなく違和感を覚えることはありませんか?それは、自分の本心から目をそらし、言い訳をしている**「自己欺瞞」**である可能性があります。
本人の中では、「自分は正しい」「これが自分のポリシーだ」と思っていますが、それでもなんとなく違和感がある時には、自分の本心から目をそらし、いいわけをしている自己欺瞞を疑ってください。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
私たちは、不都合な真実や、面倒なことから目を背け、思考停止に陥ってしまうことがあります。この自己欺瞞もまた、私たちの貴重な時間を浪費させ、後悔につながる選択をしてしまう原因となります。
「死」から目を背ける非本来性
「人生は短いのではなく浪費している」。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
古代ローマの哲学者セネカは『人生の短さについて』でこう述べています。
イスラエルのバル=イラン大学の研究チームの調査によると、自分の死は他人事として見がちであるという興味深い結果が示されています。 自分の死に関連する情報が出てくると、脳は自分の死について考えるのを防ぐために、本来備わっている予測システムを停止させます。そして、「この死は他人の問題だ」と考えるような防御システムが作動します。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
私たちは、誰もが確実に訪れる「死」から目を背けがちです。この「死」を直視せず、他人の価値観に流されたり、気晴らしに時間を使ったりする生き方を、著者は「非本来性」と呼んでいます。
「本来性」というのは、どんな確実なことよりも確実に迫り来る死というものを受け入れた上で、自分の生き方やあり方を自分で決めて生きていくことです。一方、「非本来性」は、確実に迫まっている死から目を背けて、みんながやっていることに埋没し、他人の価値観に迎合し、未来の不安を消す気晴らしに時間を使うことです。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
これもまた、私たちの時間を無駄にし、後悔につながる生き方と言えるでしょう。
「時間のモンスター」を倒し、充実した人生を送る方法
では、どのようにすれば「時間のモンスター」を倒し、限られた時間を有効活用し、後悔のない充実した人生を送ることができるのでしょうか?
タイムボクシングで時間を「見える化」する
テスラやスペースXのCEOイーロン・マスク氏やマイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツ氏も実践しているのが、「タイムボクシング」です。
世界一マルチタスクな男と言われる、テスラやスペースXのCEOイーロン・マスク氏も、毎日の習慣としてタイムボクシングを取り入れています。また、マイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツ氏も使っているようです。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
コンピュータ科学者のカル・ニューポート氏は、その効果について次のように述べています。
『DEEP WORK 大事なことに集中する──気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法』で有名なコンピュータ科学者のカル・ニューポート氏は、「タイムボクシングを使って週 40 時間働くと、何も考えずに週 60 時間以上の仕事をしたのと同じ量の生産性が得られる」と言っています。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
1日のタスクを書き出すだけでなく、時間割を作り、時間をブロックごとに区切って特定のタスクに集中する時間を設けることで、時間の浪費を防ぎ、生産性を高めることができます。
「緊急ではないが重要なこと」に意識的に時間を使う
『七つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー氏は、次のように提唱しています。
『七つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー氏は、 ② の〝緊急ではないが重要なこと(第2領域)〟に、意識的に時間を使いなさい。といっています。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
日々の忙しさに流されがちですが、長期的な目標達成や自己成長に繋がる「緊急ではないが重要なこと」に意識的に時間を割くことが、充実した人生を送る鍵となります。
ストレスを成長の糧にする
困難や苦痛は、避けるべきものではなく、私たちを成長させるための必要な要素です。
1991年にアメリカで行われた実験で、温室という恵まれた環境で育った木は、急速に成長するけれどすぐに枯れてしまうことが分かりました。世話や栄養が足りなかったわけではなく、欠けていたのはストレスでした。具体的には、風というストレスが、木をたくましく強く育ててくれることが分かったのです。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
幸福な人にも、トラブルや災害などなんらかのストレスは必ずあり、誰でも苦痛を感じます。その時に重要なのが、「困難に直面した時の対処や態度」です。
我々が集中すべきは、遺伝子を変えることでも、外側を変えることでもなく、自分で変えられる習慣的な行動なのです。 そして幸福な人にも、トラブルや災害などなんらかのストレスは必ずあり、誰でも苦痛を感じます。その時に重要なのが、「困難に直面した時の対処や態度」です。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
ストレスを自身の成長の糧と捉え、乗り越えることで、より強くしなやかな自分を築くことができます。
自分の「価値観」を大切にする
メンタルの状態とテキストの内容を分析した研究では、不安やうつの症状が出ている人は、一人称を多用する傾向があることが示されています。
メンタルの状態とテキストの内容を分析した研究では、不安やうつの症状が出ている人は、「私」「自分」「自分自身」といった一人称を使うケースがとても多いというデータが出ています。また、メンタルが悪化しやすい人は、「いつも」「絶対」「間違いなく」といった断言調の言葉を使いやすいといった傾向も見られました。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
これは、過去や未来にこだわり、物事を白黒で捉えがちな傾向を示しています。しかし、本当に大切なのは、他人の評価や社会のルールではなく、自分自身の**「価値観」**です。
「自分から元気にあいさつしたいからした」というように、社会のルールや他人の価値観ではなく、誰になんと思われようが、自分がいいと思っているからやる、というものが価値観です。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
ミシガン大学の観察研究では、「自分の人生に意味や目的がある」と感じている人ほど、早期死亡率が低いという結果も出ています。
ミシガン大学が2019年に発表した観察研究では、「自分の人生に意味や目的がある」と感じている人ほど、早期死亡率が低い、という結果になっています。
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
困難をどのように工夫して乗り越えてきたのかという体験が、あなた自身の強みであり、後天的に顕在化したあなたの価値観となります。
困難をどのように工夫して乗り越えてきたのかという体験があなた自身の強みであり、後天的に顕在化したあなたの価値観
引用:『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(サトマイ)著
他人の価値観に流されず、自分自身の価値観を大切にすることが、後悔のない人生を送る上で不可欠です。
後悔しない人生を送るために
『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』は、私たちの限られた時間をいかに有意義に使うか、そして後悔のない人生を送るための具体的な道筋を示してくれる一冊です。
後悔する時間の使い方
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自分で変えられないことで悩み続ける
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富や名声など、外発的な動機で動き続ける
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苦痛を避け、楽な選択をし続ける
充実する時間の使い方
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自分で変えられることに集中する
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自分の価値観など、内発的な動機を大切にし、行動する
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ストレスを自身の成長の糧にする
この本を読むことで、あなたは「時間のモンスター」の正体を知り、それを倒すための武器を手に入れることができるでしょう。そして、限られた人生を最大限に充実させるためのヒントを見つけられるはずです。
あなたも今日から、自分の時間を大切にするための第一歩を踏み出してみませんか?
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