私たちの健康を左右するのは、食事や運動だけではありません。実は「呼吸の仕方」が、全身の不調に深く関わっていることをご存知でしょうか。
多くの現代人が陥っている「口呼吸」は、空気中の細菌やウイルスをダイレクトに体内に取り込んでしまうリスクを孕んでいます。本記事では、今井一彰先生と岡崎好秀先生の共著『あいうべ体操 舌を鍛えれば病気にならない』から、口呼吸の危険性と、それを改善する画期的な「あいうべ体操」の秘訣を紐解きます。
口呼吸が引き起こす健康リスク|防御壁のない呼吸の危うさ
私たちは1日に約1万リットル以上、回数にして2万回もの呼吸をしています。鼻はこれら大量の空気に含まれる異物を除去する「防御壁」の役割を果たしていますが、口呼吸にはその機能がありません。
口呼吸では、防御がされないまま体の奥深くへ異物を吸い取ることになってしまうのです。
引用:『あいうべ体操 舌を鍛えれば病気にならない――不調の7割は口呼吸が原因?』今井 一彰 and 岡崎 好秀著
特に高齢者にとって深刻なのが「誤嚥性肺炎」です。口腔ケアによって肺炎の発症率が40%低下することからも、口の中を清潔に保ち、正しく飲み込む力を維持することがいかに重要かがわかります。
ドイツの教え「口を閉じなさい」と息育の重要性
医療先進国であるドイツでは、風邪や中耳炎の際に抗生剤を多用するよりも、ある言葉をかけられることが多いそうです。
たとえ風邪や中耳炎にかかっても抗生剤を使用することはほとんどなく、その代わり「mund zu」としきりにいわれるそうです。mundは口、zuは閉じる、つまり「口を閉じなさい」ということです。
引用:『あいうべ体操 舌を鍛えれば病気にならない――不調の7割は口呼吸が原因?』今井 一彰 and 岡崎 好秀著
日本でも、鼻呼吸の大切さを伝える「息育(そくいく)」が広まりつつあります。実際、小学校のクラスで「あいうべ体操」を実践したところ、インフルエンザによる学級閉鎖が相次ぐ中でも、そのクラスだけは発症者がわずか1名にとどまったという驚きの事例も報告されています。
舌を正しい位置へ導く「あいうべ体操」の効果
多くの不調の原因は、舌が本来あるべき位置より下がってしまう「低位舌(ていいぜつ)」にあります。これを解消するのが、今井先生が考案した「あいうべ体操」です。
「あいうべ体操」は、舌を本来の正しい位置に戻すことで、自然に口を閉じられ、「口呼吸」ではなく、人間本来の「鼻呼吸」を身につけられるようにと、私が考案した体操です。
引用:『あいうべ体操 舌を鍛えれば病気にならない――不調の7割は口呼吸が原因?』今井 一彰 and 岡崎 好秀著
この体操を3か月継続した人の約8割が、舌の位置が正常に戻ったとされています。その結果、鼻通りの改善、いびきの減少、さらには関節リウマチや便通の改善など、全身にわたるポジティブな変化を実感する声が上がっています。
今日からできる鼻呼吸へのステップ
鼻呼吸を習慣化するためには、まず鼻の通りを良くすることが大切です。鼻が詰まっているときは、小鼻の横にある「迎香(げいこう)」や、目と鼻の付け根の間にある「睛明(せいめい)」といったツボ押しが有効です。
また、就寝時の口呼吸を防ぐには「ぬれマスク」も推奨されています。
ポイントは、マスクの上部を3分の1ほど外側に折り曲げ、鼻を出すことです。こうすると、口呼吸が抑制され、鼻呼吸が促進されると同時に、口呼吸をしても湿度の高い空気を吸うことになるのでウイルスの侵入を防ぐことができます。
引用:『あいうべ体操 舌を鍛えれば病気にならない――不調の7割は口呼吸が原因?』今井 一彰 and 岡崎 好秀著
まずは食後に10回、1日計30回の「あいうべ体操」から始めて、病気に負けない体づくりを目指しましょう。
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