お金と経済の真実:私たちは「搾取」されているのか?

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お金持ちは「悪」なのか?

「日本人はお金持ちを目の敵にするけれど、自分が豊かな生活を送れていて、さらにお金に余裕がある状態じゃないと、他人のことは助けられないよ」 たしかに、自分が最低限の生活しかできない状態であったら、お金に困っている他人を助ける余裕はありません。この時、改めて思ったのは、お金を持っていることが悪いことなのではなく、そのお金をどのように使うかということが重要なのだということです。

引用:『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ (投資の教科書)』森永康平著

私たちは、お金を稼ぐこと自体にネガティブなイメージを抱きがちです。しかし、著者も指摘するように、自分が豊かな状態になければ、他者を助ける余裕も生まれません。お金を持つこと自体が悪いのではなく、そのお金をどう使うか、どう社会に還元するかが重要なのです。

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ギャンブルの真実:宝くじの還元率はわずか4割?

競馬や競艇、競輪の払戻率は7割を超えています。「うん? 払戻率って何?」と思った方もいるかもしれませんね。簡単にいうと、Aが勝つか、Bが勝つかという賭けをした時に、100万円集まったうちの 30 万円を運営費として徴収し、残りの 70 万円を賞金にする場合、払戻率は 70%ということになります。 では、クイズの答えはどうでしょうか? なんと宝くじの払戻率は ① の約4割なのです。「競馬よりも低いなんて……!」と驚いた人もいるかもしれませんし、もう宝くじは買わないと思った人もいるかもしれません。こういうギャンブルは マイナスサムゲーム といって、運営をする胴元だけは儲かり続け、ギャンブル参加者は不利な条件の中で遊戯をしているわけです。

引用:『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ (投資の教科書)』森永康平著

宝くじは夢を買うもの、という認識があるかもしれません。しかし、その還元率の低さを知ると、驚く人も多いのではないでしょうか。競馬や競輪と比べても、宝くじの還元率は著しく低いことがわかります。これらは「マイナスサムゲーム」と呼ばれ、胴元だけが儲かる仕組みになっています。

それを念頭に置いた上で購入するようにすると、視野が広がると思います。

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資本主義社会における「搾取」とは?

マルクスは資本家は賃金(給料)と引き換えに、労働者から労働力をもらうが、実際には資本家は労働者を賃金以上に働かせて「剰余価値」を生み出し「搾取」をしているというのです。少し難しい言い方をしてしまったので、簡単な例で説明してみます。たとえば、労働者が1時間で500円分の仕事をしたとしましょう。その時、資本家が給料として500円を払ってしまうと、資本家の手元には何も残りません。そこで、資本家は労働者に700円分働かせて、500円を渡すことで200円を利益として手元に残そうとします。つまり、搾取をしているというわけです。こう聞くと何かずるいように聞こえてしまいますが、マルクスは、 弱肉強食の資本主義社会においては、資本家側に回らないと豊かになれず、労働者はずっと資本家にお金を搾り取られ続ける ということをいっているのです。

引用:『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ (投資の教科書)』森永康平著

マルクスの「搾取」の概念を分かりやすく説明しています。労働者は賃金以上の価値を生み出し、その差額が資本家の利益、つまり「剰余価値」となるという考え方です。一見すると不公平に聞こえるかもしれませんが、マルクスは、資本主義社会で豊かになるためには、資本家側になる必要があると指摘しています。

雇う側と雇われる側の宿命のようですが、実際にその通りです。たくさんのお金を手に入れるには前者の雇う側になる必要があるということです。

あなたは会社の「オーナー」ですか?

株式会社は株主が保有しています。株主は言い換えればオーナーです。株式の大半を奪われてしまっているあなたは、所詮は雇われ社長でしかないのです。

引用:『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ (投資の教科書)』森永康平著

自分が会社に勤めている場合、私たちは会社の「労働者」であり、会社の「オーナー」ではありません。会社の真のオーナーは株主であり、その構造を理解することは、お金との付き合い方を考える上で非常に重要です。

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所得税の計算方法

年間に400万円の所得がある人は以下のような計算をします。 ・400万円のうち、330万円を 超えた 70 万円分→税率 20% ・330万円のうち、195万円を 超えた 135万円分→税率 10% ・195万円全て→税率5%  よって、 (195万円×5%)+(135万円× 10%)+( 70 万円× 20%)= 37 万2500円

引用:『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ (投資の教科書)』森永康平著

所得税の計算は複雑に感じますが、このように段階的に税率が適用される累進課税制度となっています。自分の所得に対する税額を理解しておくことは、家計管理の基本です。

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年金制度の仕組み

掛金を事業主が出す企業型年金と、加入者自身が出す個人型年金(iDeCo)があり、企業、個人ともに様々に税優遇され、掛けたお金は定期預金や投資信託で運用される。

引用:『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ (投資の教科書)』森永康平著

年金制度には、企業型と個人型(iDeCo)があります。どちらも税制優遇があり、老後の資産形成を考える上で重要な選択肢となります。

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副業の現実:稼げるのは一部の人だけ?

「副業系すきまワーカー」の平均年収は 63 万円です。しかし、 全体の 55%は 10 万円未満 です。一部の「副業系すきまワーカー」が多く稼いでいるため、結果として平均値が引き上げられているだけで、データから読み取れる事実は 副業をしたところで半分以上の人は 10 万円も稼げない

引用:『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ (投資の教科書)』森永康平著

副業は近年注目されていますが、実際に大きく稼げている人は一部に限られるのが現実です。平均年収だけを見ると魅力的ですが、その裏には多くの人が月に1万円も稼げていないという実態があります。

実際、副業で稼ぐというのは本当に大変です。

しかし、自分の力だけで1円でも稼いでみると成功体験も手に入れられますし、世の中の見方も変わります。

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経済の指標:GDPとインフレ

GDPとは?

GDPとは一定期間内に国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値の合計 です。このGDPは日本語で〝国内〟総生産といいます。ですから、日本企業が国外で生産した付加価値は含まれません。

引用:『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ (投資の教科書)』森永康平著

GDP(国内総生産)は、国の経済規模を示す重要な指標です。国内で生み出された付加価値の合計であり、海外での日本企業の活動は含まれません。

インフレの種類

このインフレには2種類あって、景気が良くなることで人々がどんどんモノを買い、それに応じて値段も徐々に上昇していく「ディマンドプル・インフレ」 と、原材料の値段が高騰することでモノの値段も上昇していく「コストプッシュ・インフレ」 があります。

引用:『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ (投資の教科書)』森永康平著

インフレには、需要の増加による「ディマンドプル・インフレ」と、原材料費の高騰による「コストプッシュ・インフレ」の2種類があります。どちらも物価上昇を意味しますが、その原因が異なります。

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お金の常識を疑う

預金はお金が持ち込まれて発生するのではなく、貸し出しをすることで発生する ということ。   金利を下げれば、家計や企業が借り入れをして投資や消費をすると思われていたが、実際はそうならなかった ということ。   国債を大量に発行すると円の価値が急落し、ハイパーインフレになるといわれていたが、1年間で100兆円以上の国債を発行しても円の価値は急落せず、むしろデフレになっている

引用:『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ (投資の教科書)』森永康平著

私たちが当たり前だと思っているお金や経済の仕組みには、実は多くの誤解があるかもしれません。預金が貸し出しによって生まれること、金利を下げても必ずしも消費や投資が増えないこと、そして国債を大量発行しても必ずしもハイパーインフレにならないことなど、著者は常識を覆すような視点を提供してくれます。


この記事を通して、あなたのお金と経済に対する見方は変わりましたか? もしご興味があれば、ぜひ本書を手に取ってみてください。

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