上司の仕事は、指示を出すことだけではありません。
部下が自ら考え、行動し、成長できる環境をつくることこそ、優れたリーダーに求められる役割です。
『できる上司は会話が9割』では、部下とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、組織全体の成果を高める方法が紹介されています。
この記事では、本書の内容をもとに、今日から実践できる会話術やマネジメントの考え方を紹介します。
部下のモチベーションは会話で見つける
優れた上司は、自分の理想を押し付けるのではなく、部下一人ひとりが何にやりがいを感じるのかを理解しようとします。
仕事への価値観は人それぞれ異なるため、同じ目標でも動機は違います。
だからこそ、日頃の会話を通じて相手を知ることが欠かせません。
「部下それぞれのモチベーションの源泉がどこにあるのか、部下と共に会話によって探り出し、共通の目標として掲げて進む。」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
目標は与えるものではなく、一緒に見つけるものという考え方が印象的でした。
答えを教えるより、考えさせる
部下が困っていると、つい答えを教えたくなります。
しかし、それでは部下は成長できません。
「あなたが部下に代わって解決策を考えてしまうがゆえに、部下は『どうせ上司がなんとかしてくれるから』と自分の頭で考えて行動することを放棄してしまう」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
上司の役割は、答えを与えることではなく、考えるきっかけを与えることです。
復唱と合いの手を意識する
相手の話を深めるためには、聞き方も重要です。
「① 部下が言った通り『復唱』する。② 部下の発言に『合いの手』を入れる。」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
この2つだけでも、部下は「しっかり話を聞いてもらえている」と感じやすくなります。
問いかける勇気を持つ
部下を育てたいなら、すぐ答えを言わない姿勢も必要です。
「あなたが心の底から『自分の頭で考えられる部下』を育てたいのであれば、『問いかけばかりして、まったく答えない上司』と部下から思われるくらいでなくてはなりません。」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
質問によって考える力を育てることが、長期的には組織全体の成長につながります。
「ほめる」より「承認」が効果的
ほめることは大切ですが、多用すると効果が薄れる場合があります。
「『ほめる』を多用することで、部下がほめられることに慣れてしまい、もはや何をほめられたとしても心に響かなくなるのです。」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
そこで重要になるのが承認です。
結果ではなく、考え方や挑戦そのものを認めます。
「『そういうやり方もあるよね』『おっ、これは意外な展開』というように、部下のやろうとしたことをひとまず認めることはできます。」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
挑戦できる環境をつくることが、成長を後押しします。
感情をコントロールできる上司になる
マネジメントでは感情も重要なスキルです。
「上司に求められるのは、自分自身の感情をコントロールするスキルと、そのうえで部下の感情に働きかけていくスキル」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
本書では、感情を扱う基本として次の4つが紹介されています。
「① 自分の感情を認識する ② 自分の感情をコントロールする ③ 他者の気持ちを認識する ④ 人間関係を適切に管理する」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
まずは自分の感情を理解することが、良い人間関係への第一歩です。
小さな成功体験を積み重ねる
部下は成功体験を積み重ねることで自信を持ちます。
「部下にとって『小さな成功体験をできるだけ多くつくる』」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
また、完璧を求めすぎる必要もありません。
「試せる状態までざっと仕上げて、なるべく早く市場に投入してみる」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
まず行動し、改善を繰り返す姿勢が成果につながります。
指示は思った以上に伝わっていない
上司は「ちゃんと伝えた」と思っていても、実際には十分伝わっていないことがあります。
「自分が出したのは『明確な指示』だと思っていても、厳しい言い方をすれば、『そうあなたが思い込んでいるだけ』ということもあり得ます。」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
さらに、
「ある調査のデータでは、話し手の発話量を100としたとき、聞き手はそのうちの25パーセント程度しか記憶していないという結果が出たそうです。」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
だからこそ、重要な内容は何度も確認しながら共有することが大切です。
オープンクエスチョンで本音を引き出す
部下との対話では、はい・いいえで終わる質問よりも、自由に答えられる質問が効果的です。
「頭に浮かんだクローズド・クエスチョンを、発言する前に頭の中でオープン・クエスチョンに置き換える」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
そして、
「部下からの意見を本気で引き出したいのなら、『自分のため』ではなく、『相手のため』という視点が不可欠」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
相手が話しやすい雰囲気をつくることが重要です。
変えられないことに時間を使わない
会話の中には、議論しても変えられないことがあります。
「『変えられないもの』『コントロールできないもの』は、会話の中で取り扱わない」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
エネルギーは、自分たちが変えられることに集中したほうが生産的です。
WHYから伝える
相手を動かしたいなら、何をするかではなく、なぜするのかを伝えます。
「物事を『WHY(なぜ)』→『HOW(どうやって)』→『WHAT(何を)』という順番で考えて、人に伝える」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
目的を共有すると、部下は納得して主体的に行動しやすくなります。
自分で考える習慣を持つ
仕事で壁にぶつかったとき、すぐ人に答えを求めるのではなく、自分なりに考える時間を持つことも大切です。
「課題に遭遇した際に、まず人のアドバイスを聞きにいくというのは、明らかな『他者依存』だと考えます。」
引用:『できる上司は会話が9割』林 健太郎著
上司も部下も、自分で考える姿勢を忘れないことが成長につながります。
まとめ
『できる上司は会話が9割』は、話し方のテクニックだけでなく、部下との向き合い方そのものを教えてくれる一冊でした。
特に印象に残ったポイントは以下のとおりです。
- 部下のモチベーションは会話で見つける
- 答えより質問を増やす
- ほめるより承認する
- 感情をコントロールする
- 小さな成功体験を積み重ねる
- WHYから伝える
- オープンクエスチョンで本音を引き出す
- 自分で考える習慣を育てる
部下を変えようとする前に、自分の会話を変える。
それが、できる上司への第一歩なのかもしれません。
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