毎日頑張っていると、気づかないうちにモノや考え事で、心がパンパンになっちゃうこと、ありませんか?
「もっとスッキリ、心地よく暮らしたいな…」
そんな時に、ふと手に取った禅僧・枡野俊明さんの著書『[持たない]』。
この本には、心がふわりと軽くなるような、シンプルで豊かな生き方のヒントがたくさん詰まっているように感じました。
今日は、私が「なるほど!」と思った、暮らしや心の「持ち物」を見直すきっかけになるかもしれない、いくつかのエッセンスを共有します。
モノとの「ちょうどいい関係」を見つけるヒント
昔の禅僧、良寛さんは、ごはんを炊くのも食べるのも、たった一つの器で済ませていたようです。すごいシンプルですね!
私たちはつい、「まだ使えるから」「いつか使うかも」って、モノを溜め込んでしまいがち。
でも、使われずに棚の奥に眠っているモノを見て「あぁ、もったいない…」って思うのは、ちょっと違うのかも。
枡野さんのお話では、本当に大切で、ちゃんと使っているモノと丁寧に向き合うこと。
そして、使わないモノは手放して、今あるモノを大切に使うことこそが、本当の意味での「もったいない」を活かすことにつながるようです。
ものと真剣に、ていねいに向き合ったら、理にかなったものだけが身のまわりに置かれます。
執着心で余計なものが増えて、結局、「(使いもしないし、捨てられもしない)ああ、もったいない」ということにはならないのです。
「もったいない」はものを粗末にしない、大切に扱うということだけに使う。
引用:『[持たない]』枡野俊明著
お部屋も心も、本当に大切なもので満たしたいですね。
心の中の「重荷」を手放してみる
モノだけじゃなく、心の中にも手放したい「重荷」ってありますよね。
仏教では、私たちを悩ませる心のクセとして「貪(とん)・瞋(しん)・癡(ち)」の三つを挙げています。
- 貪(とん):もっともっと!と欲張る気持ち
- 瞋(しん):カッとなったり、イライラしたりする気持ち
- 癡(ち):物事の本質が見えなくて、自分だけが正しい!と思い込んじゃう気持ち
こういうネガティブな感情に気づいて、「あ、今イライラしてるな」とか「欲張りになってるかも」って、少し距離を置いてみること。
それだけでも、心が楽になるかもしれません。
それに、ついつい他の人と自分を比べちゃうこと、ありますよね。
でも、高杉晋作の言葉にもあるように、
「人は人、吾は吾なり。」
引用:『[持たない]』枡野俊明著
なんですよね。あなたはあなたの、私は私の、素敵なところがたくさんあるはず。
比べても何も変わらないし、変えられるのは自分だけ。
できないことや、どうにもならないことにクヨクヨするエネルギーを手放して、「ま、いっか」って思えると、もっと自由になれそうです。
「今、ここ」を大切にするということ
「一期一会」って、素敵な言葉ですよね。この瞬間、この出会いは、たった一度きり。そう思うと、目の前の人や時間に、もっと心を込めて接したくなります。
毎日のごはんの時間も、実はとっても大切。「五観の偈(ごかんのげ)」という禅の教えでは、食事をいただく前に、たくさんの恵みや作ってくれた人への感謝、そして自分自身の行いを静かに見つめる時間を持つそうです。
難しく考えなくても、ただ「いただきます」「ごちそうさま」に心を込めたり、食材の色や香り、味をゆっくり感じてみたりするだけでも、日常がもっと愛おしく、豊かなものに感じられるかもしれませんね。
親しい関係にも、温かい思いやりを忘れずに
作家の宇野千代さんの「親しき仲にこそ礼儀あり」という言葉も紹介されていました。
家族や親友みたいに、仲良くなればなるほど、ついつい甘えが出て、言葉遣いや態度が雑になっちゃうこと…反省です(笑)。
どんなに気心の知れた相手でも、感謝の気持ちや思いやりを忘れずにいたいな、と改めて思いました。
『[持たない]』を読んで感じたのは、モノも、心の中の余計なこだわりも、少しずつ手放していくことで、本当に大切なものが見えてきて、毎日がもっと穏やかで、温かいものになるんじゃないかな、ということです。
全部をすぐに変えるのは難しいけれど、まずは何か一つ、「これは今の私に必要かな?」って問いかけてみることから、始めてみるのはいかがでしょうか?
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