その敬語、本当に相手に伝わってる?あなたの印象をUPする「品格」ある言葉遣い

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ビジネスシーンにおいて、敬語は単なる言葉のルールではありません。相手への敬意を示すと同時に、自分自身や所属する組織の品格を高める重要なツールです。しかし、時に良かれと思って使っている敬語が、かえって相手に誤解を与えたり、不自然な印象を与えたりすることも。

本記事では、『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」』から、多くの人が陥りがちな敬語の落とし穴と、よりスマートで効果的な敬語の使い方をご紹介します。あなたの言葉遣いを磨き、ビジネスにおける信頼関係をさらに深めていきましょう。


 

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あなたの敬語、もしかして「過剰」になっていませんか?

 

「丁寧すぎる言葉遣い」は、実は相手に違和感を与えることがあります。

1つは、とても丁寧な言い回しをしようとすることです。敬語に対する苦手意識からか、言葉をたくさん足して、なるべく丁寧に言おうとし、それが、パターン化します。例えば、何でも「ございます」をつけて話したり「させていただきます」を連発したり、こういう話し方です。もう1つの特徴は、丁寧な言い回しの中に、突然、不用意な言葉が口をついて出ることです。「やっぱ」「やっぱし」「ぶっちゃけ」「(新しい)やつ」。普段、使っている言葉がとっさに出てくるのです。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

「ございます」や「させていただきます」の多用は、一見丁寧に見えますが、かえって不自然さを生むことがあります。また、丁寧な言葉遣いの中に、くだけた口癖が混ざってしまうと、相手にちぐはぐな印象を与えかねません。

 

「すいません」はもう卒業!ビジネスでは「すみません」も避けよう

 

日常でつい使ってしまう「すいません」も、ビジネスシーンでは避けるべき表現です。

人には口癖があって、顔を合わせた時から、「いやあ、どうも、どうも」をくりかえす人もいれば、「いやあ、すいません、すいません」とくりかえす人もいます。こういう人は、大事な感謝や謝罪もすべて「すいません」ですませているかもしれません 。ビジネスの場では、「すいません」は使わないと肝に銘じましょう。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

感謝や謝罪の気持ちを伝える際は、「ありがとうございます」「申し訳ございません」など、より適切な言葉を選びましょう。

 

「結構です」は「No」だと伝わりにくい!?

 

相手への返答で、「結構です」という言葉を使っていませんか?

ビジネスにおけるYes、Noの意思表示で、「結構です」は避けましょう。明確に「導入いたします」「導入はできません」と言いきることが大切です。ただ、断る時にそれだけ言うのが冷たく感じられるのなら、「せっかくいいお話をいただきましたが」など、丁寧なものの言い方をすると、いい関係が維持できると思います。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

「結構です」は、肯定にも否定にもとれるため、相手に誤解を与える可能性があります。イエスかノーかをはっきりと伝えつつ、断る際には丁寧なクッション言葉を添えることで、良好な関係を保つことができます。


 

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印象を上げる「品格」ある言葉遣い

 

では、どのようにすれば「品格」ある言葉遣いを身につけられるのでしょうか。

 

お客様は「友だち」ではないという前提

 

基本的なことですが、お客様への言葉遣いは、友人へのそれとは明確に区別する必要があります。

一流ホテル、有名レストランでは、お客様を迎える時に「こんにちは」と言ってはいないはずです。それはつまり、 お客様は友だちではないという前提だから です。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

お客様に対しては、より丁寧な言葉を選び、プロフェッショナルな対応を心がけましょう。

 

同僚にも「丁寧語」を

 

社内のコミュニケーションでも、丁寧語を使うことを意識してみましょう。

同僚に丁寧語で話すということです。 「おい、そのファイルとってくれよ」 ではなく、 「そのファイルをとってくれますか」こういう丁寧語を使うのです。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

これにより、社内の人間関係も円滑になり、組織全体の品格も向上します。

 

「恐れ入ります」「かしこまりました」「おかげさまで」を使いこなす

 

これらの言葉は、ビジネスシーンで非常に役立ちます。

何かしてもらった時に、「ありがとうございます」と言わずに、「おそれいります」と言ってみましょう。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

してもらったら「おそれいります」。何かをしてさしあげる時には「かしこまりました」。 こうした言葉が交錯する職場を目指してください。堅苦しく感じるかもしれません。しかし、堅苦しいこと、真面目な態度は、あなた、そしてあなたの属する組織の品格・企業価値を高めるのです。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

もう1つ、覚えておくとよい品位ある言葉は、「おかげさまで」です。 「元気?」「どう、調子は?」と声をかけてくれる上司の気遣いに、「元気です」「快調です」と、ストレートに答えても、間違いではありません。また、相手の気遣いに、感謝をこめて「おかげさまで」とかえすのもよいでしょう。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

相手への感謝や配慮、そして状況への理解を示すこれらの言葉は、あなたの印象をぐっと高めます。

 

相手への配慮を示す言葉遣い

 

顧客対応の際など、相手の状況に寄り添った言葉を選ぶことが重要です。

最大の誠意は、自分に可能なギリギリの線を提示すること です。例えば、電話で問い合わせを受けたとします。 「担当でないので、わかりかねます」これは言い訳です。聞く側の知りたいことは、問い合わせの答えです。すぐに答えられないとしたら、「少々お待ちください。お答えできるものに代わります」

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

「お待たせして申し訳ありません。今、お答えできる者がおりません。折り返しお電話をさしあげてもかまいませんか。よろしければ、連絡できる電話番号をお教えください」

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

すぐに回答できない場合でも、相手が次にどうすればいいかを明確に伝え、配慮を示すことで、誠実な印象を与えられます。

 

「○○様、ありがとうございます」で感謝の気持ちを深める

 

単なる「ありがとうございます」は、誰に対しても、どんな場面でも使う言葉です。接客で使われる「ありがとうございます」が心に響いてこないなら、原因はここにあります。接客の時に、「○○様、ありがとうございます」と名前を言うだけで、「ありがとうございます」の価値ががらっと変わります。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

相手の名前を呼んで感謝を伝えることで、よりパーソナルな印象を与え、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。

 

「参考になりました」は要注意?

 

蛇足ですが、相手から、「学んだ」「教えてもらった」ことを感謝する時に、注意する言い方は、「参考になりました」「参考にいたします」相手から得たことを、「参考程度」 と言っているのですから、人によってはカチンときます。上から見た言い方ととられかねないので注意しましょう。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

相手の知識や助言を「参考程度」と受け止めているように聞こえる場合があるため、注意が必要です。代わりに、「大変勉強になりました」「貴重なご意見ありがとうございます」など、より感謝の気持ちが伝わる言葉を選びましょう。

 

相手の気持ちに寄り添った謝罪

 

謝罪の際には、ただ形式的に謝るだけでなく、相手の気持ちに寄り添うことが重要です。

「私どものミスで、お客様が不快な思いをされたこと、さらに、私どもへの信頼を大きく裏切ってしまったことを深く反省いたします」これが、「相手の気持ち」に対する謝罪です。これがあるかないかで、お客様の受ける印象が大きく変わるのです。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

相手がどのような気持ちになったかを理解し、その気持ちに対して謝罪することで、誠意が伝わりやすくなります。


 

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敬語の精神は「自分よりも相手をたてる」こと

 

自分よりも相手をたてて言葉を使うのが敬語の精神です。ビジネスにおける考え方を、そのように発想すれば、お客様、取り引き先を大事にして手厚い応対ができるはずです。

引用:『敬語の使い方が面白いほど身につく本 ―――あなたの評価を下げている原因は「過剰」「マニュアル」「繰り返し」 』合田敏行、一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター著

敬語は、単なるマナーではありません。相手を尊重し、大切にする気持ちが形になったものです。この「自分よりも相手をたてる」という精神を常に意識することで、あなたの言葉遣いはさらに洗練され、ビジネスにおける信頼と品格を高めることができるでしょう。

日々の会話の中で、少しずつ意識を変えていくことで、あなたの言葉はより魅力的なものになります。ぜひ、今日から実践してみてください。

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