【肝臓専門医が語る】お酒は「百薬の長」!体に良い飲み方で健康寿命を延ばそう

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「お酒は好きだけど、肝臓が心配…」そんな風に思っていませんか?実は、お酒は飲み方次第で「百薬の長」になり得るんです。今回は、酒好きの肝臓専門医、栗原毅先生の著書『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』から、賢い飲酒術を学び、健康的に人生を謳歌する方法をご紹介します。


 

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肝臓に優しい飲み方:チビチビ&糖質オフが鉄則!

 

 

瓶ビールは手酌でチビチビが肝臓を守る極意

 

自宅でビールを飲む際、ついついペースが速くなりがちですが、肝臓への負担を減らすには「チビチビ飲む」ことが大切です。

瓶ビールを手酌でチビチビ。コレが肝臓を守る極意です。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著

さらに、こんな裏技も紹介されています。

家でビールを飲むときの離れ業も紹介しましょう。ノンアルコールのオールフリーでビールを割る!これなら350 ml 分のアルコールで、違和感なく700 ml 楽しめます。最近のノンアルコールはおいしいですよ。試してみてください。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著

 

意外な落とし穴!生グレープフルーツサワーの糖質に注意

 

健康的なイメージのある生グレープフルーツサワーですが、実は肝臓に負担をかける可能性があります。

「生グレープフルーツサワーならいいだろう」と考える人もいますが、残念ながらそうはいきません。グレープフルーツ1個には、約 18 グラムの糖質 が含まれています。グレープフルーツ2分の1個を搾って入れたとすると、糖質9グラムということになります。これは砂糖大さじ1杯と、ほぼ同量です。しかも、砂糖よりも悪質な果糖 ですから、肝臓は悲鳴をあげてしまいます。ストロング缶チューハイと居酒屋のチューハイには手を出さないことが賢明です。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著 果糖は砂糖よりも肝臓に負担をかけるため、注意が必要です。

 

糖質とアルコールの関係

 

肝臓は、糖質とアルコールの両方を処理する工場のようなもの。

糖質とアルコールは肝臓という同じ工場で処理されます。したがって、糖質を減らせば、アルコールが効率よく代謝されるのです。まずは、この理論をしっかりと理解してください。逆に糖代謝の仕事が多いと、肝臓に余力がなくなり、アルコール代謝が低下してしまう のです。つまり、肝臓に負担をかける、悪いお酒の飲み方になるわけです。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著

飲酒時は、ご飯や丼ものなどの糖質摂取量を控えることが、肝臓への負担軽減につながります。 丼もので気をつけたいのが、ご飯の量 です。茶碗1膳のご飯は150グラムが一般的ですが、吉野家の並盛りのご飯は260グラムもあります。1・7倍以上ですね。ちなみに、大盛りは320グラムです。糖質に換算すると、茶碗1膳が 55 グラム、牛丼並盛りが 95 グラム、大盛りが117グラムとなります。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著


 

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適量を知る:ストレスなくお酒を楽しむための秘訣

 

 

禁酒はかえってリスク?適量飲酒のススメ

 

驚くべきことに、完全に禁酒するよりも適量飲酒の方が健康リスクが低いというデータがあります。

総死亡率等のリスクは、飲酒量が増えるにしたがって高くなっていきます。興味深いのは、禁酒者、つまりお酒をやめた人のリスクが最も高い ことです。1日 69 グラムを飲んでいる人よりも高くなっています。お酒を我慢するストレスがいかに悪いかがわかります。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著 お酒を我慢するストレスは、体にとって悪影響を及ぼす可能性があります。

 

あなたの「適量」はどのくらい?

 

栗原先生は、具体的な飲酒量の指針を示しています。

適量は 20 グラム、許容量は 40 グラム という指針を導き出すことができます。1日 20 ~ 40 グラムを目安に、お酒を楽しむのが一番なのです。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著

この目安を参考に、ご自身に合った適量を見つけることが大切です。

 

肝臓のアルコール代謝能力

 

肝臓が24時間フル稼働した場合、約144グラムのアルコールを代謝できるとされています。

体重 60 キロの人が1時間に代謝できるアルコール量は6グラムでしたね。もし、肝臓が 24 時間フル稼働したとすると、144グラムのアルコールを代謝できることになります。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著

しかし、80グラム以上のアルコール摂取は肝硬変のリスクを高めるため、注意が必要です。 記事によると、1日に 80 グラムのアルコールを摂取しても、肝臓に障害が起こる可能性は低いそうです。ところが、 80 ~160グラムで肝硬変になるリスクが5倍、160グラムを超えると 25 倍に跳ね上がる というのです。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著


 

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お酒の知られざる健康効果

 

 

日本酒の驚くべき力:がん細胞抑制と放射線防護作用

 

日本酒には、がん細胞を抑制する効果や放射線防護作用があるという研究結果が報告されています。

日本酒100 ml を2・5 ml に減圧濃縮した液体をつくり、それを5段階の濃度に希釈しました。その試料を膀胱がん、前立腺がん、子宮がんの細胞に加え、 24 時間培養してみると、一番濃い試料( 64 倍)では 90%のがん細胞が死滅したというのです。128倍に薄めた試料では、死滅率 50%でした。このことから、研究者は日本酒にはがん細胞を抑えるパワーがある と結論づけています。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著

秋田大学医学部は、日本酒の放射線防護作用について興味深い実験を行なっています。マウスを3つのグループに分け、それぞれ純米酒、エタノール、生理食塩水を投与します。その後、すべてのマウスに通常は 15 日で半数が死亡する放射線を照射しました。すると、生理食塩水を与えたマウスが 26 日目ですべて死んだのに対して、純米酒を与えたマウスは 30 日後でも 80%が生きていたのです。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著

 

赤ワインはポリフェノールの宝庫

 

赤ワインに多く含まれるポリフェノールは、その抗酸化作用で知られています。

赤ワインと白ワインの違いは、醸造方法にあります。赤ワインは収穫したブドウを皮ごと発酵させるのに対して、白ワインは初期の段階で皮を取り除いてしまいます。赤ワインの濃い色は、ブドウの皮に由来しているのです。ブドウのポリフェノールは皮の部分に多く含まれています。したがって、白ワインよりも赤ワインにポリフェノールが多い というわけなのです。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著

 

糖尿病と飲酒の関係性

 

かつてはお酒の糖質が糖尿病を助長すると考えられていましたが、最近では日本酒に含まれる成分が血糖値を下げる可能性も指摘されています。

糖尿病についても、お酒に対する考え方が変わってきました。かつてはお酒の糖質が糖尿病を助長すると思われていましたが、近年は日本酒に含まれるインスリン様の物質が血糖値を下げると考えられています。このように、「お酒は百薬の長」を支持する研究が続々と発表されています。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著


 

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健康をサポートするその他の情報

 

 

歯周病と糖尿病の意外な関連性

 

歯周病糖尿病には深い相関関係があることがわかっています。

東京医科歯科大学は2013年に、医科と歯科が連携して歯周病と糖尿病の関係を調べる実験を行ないました。歯周病と糖尿病の両方を持つ患者を2つのグループに分け、片方には歯周病の治療だけ、もう一方には糖尿病の治療だけを行なったのです。すると6カ月後には、すべての患者の歯周病と糖尿病が改善したという結果が得られました。これは、明らかに歯周病と糖尿病に相関関係があることを示しています。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著 口腔ケアを怠らないことも、全身の健康維持に繋がります。

 

認知症予防にはターメリック?

 

インド人の認知症発症率が低いのは、ターメリックの摂取量が多いからではないかという興味深いデータもあります。

インド人の認知症がアメリカ人の4分の1 というおもしろいデータがあります。インド人がよく食べるカレーに含まれるターメリックが認知症予防に効果があると考えられています。

引用:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』栗原毅著


お酒は私たちの生活に彩りを与えてくれるもの。今回ご紹介した肝臓専門医のアドバイスを参考に、ご自身の健康と向き合いながら、より豊かな飲酒ライフを送ってくださいね。

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