「他人を攻撃せずにはいられない人」から学ぶ、人間関係の護身術

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人はなぜ他人を攻撃してしまうのでしょうか?そして、私たちはそうした攻撃からどのように身を守れば良いのでしょうか?精神科医である片田珠美先生の著書『他人を攻撃せずにはいられない人』から、攻撃的な人の心理と、それに対する効果的な対処法を探ります。


 

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攻撃性の根源にあるもの

 


 

羨望と自己愛

 

「羨望というのは、他人の幸福が我慢できない怒りなのだ」という17世紀フランスの貴族ラ・ロシュフコーの言葉は、攻撃的な行動の根底にある心理を見事に言い当てています。

引用:『他人を攻撃せずにはいられない人』片田 珠美著

他者の幸福を素直に喜べず、怒りを感じてしまう心理は、自己愛の傷つきと密接に関わっています。自分自身に自信がない、あるいは満たされていないと感じている人は、他者の成功や幸福を脅威と感じ、攻撃することで自分の優位性を保とうとする傾向があります。


 

支配欲と嫉妬

 

「人を愛すると同時に嫉妬は生まれるが、愛が終わっても嫉妬だけは生き残る」ので、愛がなくなった夫婦が、自己愛ゆえの嫉妬にさいなまれながら、お互いに相手を支配したいという欲望を抱いて一緒に生活していると、不幸な事態を招きかねないのである。

引用:『他人を攻撃せずにはいられない人』片田 珠美著

この洞察は、愛情が冷めた関係性においても嫉妬や支配欲が残り、それが攻撃的な行動につながる可能性を示唆しています。自己愛からくる嫉妬は、相手をコントロールしたいという欲望に繋がり、関係を破綻させる原因となります。


 

攻撃的な人の意外な心理

 

一般に周囲の人を脅したり、恐怖を与えたりするのは、自分自身が他者を恐れているからである。

引用:『他人を攻撃せずにはいられない人』片田 珠美著

この一文は、攻撃的な人の行動原理について非常に重要な示唆を与えています。彼らが攻撃的であるのは、決して彼らが強いからではなく、むしろ 自分自身が他者を恐れているから なのです。この視点を持つことで、私たちは攻撃的な人への見方を変え、より冷静に対処できるようになります。


 

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攻撃から身を守るために

 


 

攻撃の目的を理解する

 

重要なのは、相手をやり込めることでも、黙らせることでも、自分のほうが有能だと誇示することでもない。攻撃欲の強い人に支配されて振り回されている関係から一刻も早く脱出することこそ第1目標なのだと、肝に銘じておくべきである。

引用:『他人を攻撃せずにはいられない人』片田 珠美著

攻撃的な人の目的は、多くの場合、相手を支配し、自分の優位性を誇示することにあります。彼らの土俵に乗って言い争ったり、自分の正当性を証明しようとしたりすることは、彼らの思うツボにはまってしまうだけです。


 

断固たる姿勢を示す

 

逆に、こちらが、やられるままではすまさない、場合によってはやり返すぞという断固たる姿勢を示すと、引くことが多い。内心びくびくしているので、自分より強い者を避けようとするためである。

引用:『他人を攻撃せずにはいられない人』片田 珠美著

攻撃的な人は、内心では臆病なことが多いものです。そのため、こちらが毅然とした態度で臨むことで、彼らは攻撃をためらうことがあります。これは、物理的な反撃を意味するのではなく、精神的な毅然さや、自身の境界線を明確にすることを指します。


 

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まとめ

 

片田珠美先生の著書から、私たちは攻撃的な人の心理が羨望、自己愛、支配欲、そして何よりも「恐怖」に根差していることを学びました。そして、そうした攻撃から身を守るためには、相手の攻撃に乗らず、自身の安全と心の平和を最優先に考え、毅然とした態度で臨むことが重要です。

人間関係で悩んだとき、この本からの学びが、あなたの護身術となることを願っています。

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