もしも一年後、この世にいないとしたら。|今を生きるということ

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この記事では、清水研氏の著書『もしも一年後、この世にいないとしたら。』から、私たちが今をどう生きるべきかについて考えさせられる言葉をいくつか引用しながら、その意味について掘り下げていきます。人生の終わりを意識することで見えてくる、かけがえのない「今」の価値について考えてみましょう。


 

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人生は有限だからこそ「今」を大切に

 

私たちは、日々の忙しさに追われ、つい未来のことばかり考えてしまいがちです。しかし、著者は、人生の終わりがいつ来るかわからないからこそ、今この瞬間を大切にすることの重要性を説いています。

「自分の人生がいつ終わりを迎えるのかは誰にもわからない。  だからこそ、今生きている瞬間をかけがえのないものとして大切にしてほしい」

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

この言葉は、私たちに「今」という時間を最大限に活かすことの尊さを教えてくれます。

 

健康への意識と予防

 

人生を大切に生きる上で、健康は不可欠です。著書では、がんの予防についても触れられています。

がんの原因の中で最も大きい要因は喫煙ですので、タバコを吸わないことでがんになるリスクを下げることができます。また、お酒はほどほど、塩分は控えめにしたほうが良いと言われています。そのほか、肝臓がんの原因となる肝炎ウイルスの治療、胃がんの原因となるピロリ菌の駆除、わが国では議論はありますがHPVウイルス(※2) のワクチンなども、がんの予防法として知られています。

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

日々の生活の中でできる予防策を取り入れることは、自分自身を大切にすることにつながります。


 

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困難に直面した時の心の持ちよう

 

もしも重い病気を告げられたら、私たちはどう反応するでしょうか。著書では、そのような状況における心の動きについても言及されています。

過去の研究では、がん告知後にうつ状態になられる方の割合は5人に1人という報告がありますし、がん告知後1年以内の自殺率は、一般人口の 24 倍というデータもあります。

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

この厳しい現実を知ることで、私たちは心のケアの重要性を再認識できます。しかし、著者は悲しみや苦しみを受け入れることの意義も語っています。

悲しみという感情は苦しみを癒してくれるので、次に進むために大切な役割を果たします。

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

悲しみは決して無駄な感情ではなく、次へ進むための大切なプロセスなのです。

 

レジリエンス(立ち直る力)を育む

 

人は困難を乗り越える力を持っています。著者はその力を「レジリエンス」と呼び、それを育むことの重要性を強調しています。

人は悩みと向き合う力(レジリエンス)を持っていることを実感したからです。私ができることはその力を育むことであり、そのためには話をじっくり聴いて、その人の悩みをきちんと理解する作業を積み重ねることが最も大切だということを実感しました。

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

誰かの話をじっくり聴き、理解しようと努めることが、その人のレジリエンスを育む上で最も大切だという気づきは、私たち自身にも当てはまるでしょう。


 

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「いつか」ではなく「今」やるべきこと

 

私たちは「いつかやろう」と先延ばしにしてしまうことが多々あります。しかし、人生には限りがあります。

しかし、「いつかはやりたい」と思っていることがあったとしても、人生には期限があることを意識しないで「そのうちやればいいや」と先延ばしにしていると、結局実現しないまま終わってしまうこともあります。あなたのこころが「絶対にやりたい」と言っているものがあるのならば、どのような形でやれば実現できるのか、いつ始めたらよいのか、機会をしっかりとうかがって準備されることをお勧めします。

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

心から「やりたい」と思うことがあるのなら、具体的な行動に移す準備を始めることが重要です。

 

心の声に耳を傾ける

 

日々の選択においても、自分の心の声に耳を傾けることの重要性が述べられています。

胸に手を当てながら「自分は今どんなものを食べたいと感じているんだろう」ということだけに集中してお店の棚を眺めます。そうすると、自然と食べたいものに手が伸びていきました。  理屈ではなくて、食べたいと思ったものを食べることで、少しだけ心は満足するように思います。

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

これは、食事だけでなく、日々のあらゆる場面において、自分の内なる声に意識を向けることの大切さを示唆しています。

 

緩和ケアと希望

 

もし病に罹患しても、現代医学は様々なサポートを提供してくれます。

国立がん研究センターが一般の方向けに作成している『がん情報サービス』(※) というウェブサイトの中には、がんの療養と緩和ケアに関する項目があり、がんに伴う体の痛みの多くは、鎮痛薬を適切に使うことで癒すことができること、現在は苦痛をやわらげるための技術(緩和医療)が進歩していて様々なサポートが得られることが具体的に書かれています。

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

つらい状況でも、適切なケアを受けることで苦痛を和らげることが可能です。そして、希望を捨てないことの重要性も語られています。

重い病に罹患した時の心構えとして、「最善を期待し、最悪に備えよ(Hope for the best. Prepare for the worst.)」という言葉があります。近年、医学は進歩し、例えばがんの領域ですと、 質 が悪いと言われた肺がんの治療成績が飛躍的に改善していたりしますので、「まだまだ自分の治療はうまくいくはずだ」と期待することは当然だと思います。

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

最悪の事態に備えつつも、最善を期待する心構えが大切です。


 

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過去の経験から学ぶ「今」の尊さ

 

過去の危ない経験を振り返ることで、今生きていることのありがたさを実感できるという著者の言葉は示唆に富んでいます。

私は学生時代に自動車の無謀運転で、一歩間違えれば死んでしまっていたようなことが実際にありました。思い出すだけでも身の毛がよだつような記憶なのですが、でもその時のことが頭に浮かんだときはしばしその記憶と向き合い、私もあそこで死んでいたのかもしれないな、などと考えるようにしています。  そうすると、心が凍り付いてしまう記憶が去って行った後に、今生きていること、時間が与えられていることをしみじみと感じ、あたたかい感覚に包まれます。  みなさんの体験の中でも、「もしあのときこうだったら命に関わっていたかもしれないな」というものがあれば、その記憶を大切にしてください。最初はつらいかもしれませんが、私のように、味わってみるのもひとつの方法でしょう。

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

自身の人生における「もしも」の瞬間を振り返ることで、今を生きることの尊さを深く感じることができます。

 

「普通」の連続が「幸せ」

 

病気を経験された方の言葉も紹介されています。

一日一生。一日一日を大切に過ごしたい。今を生きなければ意味ないと強く思います。病気になるまでは、いろんな人に気を遣っていた人生だったなと。死ぬ時はひとりだと知っていると、周りを気にしていた自分って何なんだって心底思うんです。今起きていることはただの『普通』ではない。『普通』の連続が『幸せ』なんです」

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著

この言葉は、「普通」と感じる日常がいかにかけがえのないものかを示しています。当たり前ではない「今」を大切に生きることが、真の幸せにつながるのでしょう。

「今日一日をこの様にすごせることは当たり前ではない」ということを意識することは、「今、ここにある自分」を大切に生きることにつながるでしょう。

引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』清水研著


 

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まとめ

 

『もしも一年後、この世にいないとしたら。』は、私たちに人生の有限性を意識させ、だからこそ「今」をどう生きるべきかを問いかけてきます。健康への配慮、困難に立ち向かう心の力、そして「いつか」ではなく「今」行動することの重要性。これらのメッセージは、私たちが日々をより豊かに生きるためのヒントを与えてくれるでしょう。

あなたにとって、「今」を大切に生きるためにできることは何でしょうか?

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