ビジネスにおいて「雑談」と聞くと、何を想像しますか?多くの日本人ビジネスパーソンは、「おしゃべりが上手で、面白い話をする人」が雑談上手だと考えているかもしれません。しかし、世界の一流が考える雑談は、そのレベルをはるかに超えたものです。ピョートル・フェリクス・グジバチ氏の著書『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』を参考に、ビジネスの現場で真に役立つ「雑談力」の秘密に迫ります
世界基準の「雑談」は「意図」と「深み」が鍵
多くの日本人ビジネスマンは、「雑談が上手い人=おしゃべりが上手で、面白い話をする人」 と考えているようですが、ビジネスの現場では、それだけでは不十分です。世界基準のビジネスの最前線では、「明確な意図を持ち、そこに向かって深みのある会話ができる人」 こそが「雑談の上手い人」とされています。
引用:『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ著
つまり、一流の雑談は、単なる暇つぶしや社交辞令ではありません。明確な目的を持ち、その目的に向かって質の高いコミュニケーションを繰り広げることこそが、ビジネスにおける雑談の本質です。
雑談の5つの目的
一流のビジネスパーソンは、雑談を通して以下の5つの目的を達成しようとします。
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状況を「確認する」
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情報を「伝える」
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情報を「得る」
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信用を「作る」
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意思を「決める」
これらの目的を意識することで、雑談は単なる会話ではなく、ビジネスを前進させる強力なツールとなります。
信頼関係構築の核となる「ラポール」とは
ビジネスにおける雑談の重要な目的の一つに、信頼関係の構築があります。ピョートル・フェリクス・グジバチ氏は、雑談を通じて以下の3つの関係を築き、心理学でいう「ラポール」を作ることの重要性を説いています。
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お互いに「信頼」できる関係を築く
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お互いが「信用」できることを確認する
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お互いを「尊敬」できる関係を作る
雑談を通して、「信頼」と「信用」、「尊敬」のある関係を築いて、 心理学でいう「ラポール」を作る ことを目指しています。 ラポールとは、お互いの心が通じ合い、穏やかな気持ちで、リラックスして相手の言葉を受け入れられる関係性を指します。
引用:『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ著
このラポールを築くためには、相手の価値観、信念、希望・期待といった、表面的な情報だけでなく、その人の根底にある部分を理解しようとすることが不可欠です。
「無条件の肯定的関心」で質の高い雑談を
相手と深い信頼関係を築き、質の高い雑談をするためには、「無条件の肯定的関心」を持つことが重要です。
無条件の肯定的関心とは、相手の話を良し悪しや好き嫌いで判断せず、「なぜそのように考えているのか?」を肯定的に知ろう とすることです。 予断や偏見、思い込みを捨て、あるがままに相手の話に耳を傾ければ、相手は安心して話をすることができますから、会話のキャッチボールが成り立ちます。 無条件の肯定的関心を持って雑談に臨めば、ビジネスの場で一方的に持論をまくしたてるような「愚かな雑談」は避けることができます。
引用:『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ著
雑談における「バイアス」の排除
私たちは皆、「思い込み」や「決めつけ」であるバイアスを持っています。
バイアスとは、「思い込み」 とか「決めつけ」 のことです。人にはそれぞれバイアスがあり、それが原因で考え方に「 偏り」を生じさせます。
引用:『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ著
このバイアスは、人間関係の悪化にもつながるため、日頃の雑談を通して低減していく必要があります。無条件の肯定的関心を持って相手の話に耳を傾けることは、自身のバイアスに気づき、それを手放す第一歩となります。
雑談力を高めるための実践的なアプローチ
「興味深い人になりたければ、興味を持て」
僕の好きな名言のひとつに、「If you want to be interesting be interested」(興味深い人になりたければ、興味を持て) というものがあります。
引用:『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ著
これはデール・カーネギーの言葉ですが、まさに雑談の本質を突いています。自分が面白い話をすることよりも、相手に興味を持ち、相手の話に耳を傾けることで、結果的に自分自身が魅力的な存在となるのです。
グーグルから学ぶ「風通しの良い雑談」
世界トップクラスの企業であるGoogleでは、従業員同士の活発なコミュニケーションが企業の躍進を支えています。彼らは、ユーモアを交えながら円滑な情報共有を行い、心理的安全性の高い環境を築いています。
たとえば、画面ロックをせずに離席した同僚に対して、遊び心のあるメッセージを送る仕組みは、まさに風通しの良い文化の象徴と言えるでしょう。
こうした風通しの良さが、グーグルの躍進を支える原動力になっているのです。
引用:『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ著
どの分野の企業でも、従業員や部下が抱える一番の不満は「上司から十分な情報が得られない」、「上司が何を考えているのかわからない」 という点にあります。
引用:『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ著
日頃から雑談を通して情報共有を行い、部下の状況を気遣うことが、生産性の向上にもつながります。
相手が落ち着いて仕事と向き合っていない状態であれば、「最近、何かあった?」とか、「イライラしているみたいだけど、大丈夫?」と相手を気遣うことが大切です。
引用:『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ著
雑談力向上のための4つのポイント
雑談力を高めるためには、以下の4つのポイントを意識しましょう。
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相手を驚かせないレベルの「自己開示」をして、自分という人間を知ってもらう
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好奇心を持って、相手の「人間性」や「人となり」を知ろうとする
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「信頼関係」の構築が目的であることを忘れない
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相手と「ラポール」を作れているか、客観的な目で観察しながら話す
まとめ
世界の一流が実践する雑談は、単なるおしゃべりではなく、明確な意図を持った「深い対話」です。相手への無条件の肯定的関心と好奇心を持ち、信頼関係の構築を目指すことで、雑談はビジネスを動かす強力な武器となります。あなたも今日から、目的意識を持った「雑談」を始めてみませんか?
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