筋肉は命の味方!がんに負けない体を作る「スロースクワット」の驚くべき効果

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現代の健康を語る上で、筋肉の重要性は計り知れません。単なる体力や見た目の問題ではなく、最新の研究では、私たちの「いのち」そのものに直結していることが示されています。特に病気や老化と闘う上で、筋肉が果たす役割は、私たちが思っている以上に大きいのです。


 

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筋肉が「いのち」に直結する理由

 

筋肉は単なる運動器官ではありません。最新の研究では、筋肉が命の砦となる可能性が示されています。

最新の研究で、がんを移植したネズミの寿命が筋肉によって左右されるという実験があります。  がんを移植したネズミは、そのままにしておけば筋肉がみるみる萎縮して死んでいきます。しかし、筋肉を増強する薬物を与えて筋肉が減らないようにすると、ネズミの寿命は著しく延びました。つまり、がんになっても、筋肉をしっかり維持できれば長生きできる可能性があるのです。まさに筋肉はいのちに直結するというわけです。

引用:『いのちのスクワット 鍛えれば筋肉は味方する』石井 直方著

この実験が示すように、がんの進行による死亡に、筋肉量の減少が密接に関連していることがわかっています。がんと共に生きる状況になっても、筋肉を維持できれば長生きできる可能性があるのです。

また、筋肉は体内の水分貯蔵庫としての役割も担っています。

人体の約6割は水分です。このうちの約8割は筋肉に保持されているので、筋肉はダムのような役割をして「水分の貯蔵庫」ともいわれます。  ですから、筋肉量が多ければ多いほど体内の水分量は多くなります。逆に、筋肉量が少ない人ほど、蓄える水分量が少なく、脱水症を起こしやすくなります。

引用:『いのちのスクワット 鍛えれば筋肉は味方する』石井 直方著

特に高齢者に熱中症が多い理由の一つは、この筋肉量の減少による脱水リスクの高まりです。さらに脱水は血栓を作りやすくし、脳梗塞や心筋梗塞にもつながると考えられます。筋肉の維持は、熱中症や深刻な血管系の病気を防ぐ上でも極めて重要なのです。


 

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衰えやすい下半身の筋肉と「廃用性萎縮」の罠

 

筋肉は、何もしなければ年齢とともに確実に失われていきます。

30 歳頃から緩やかに筋肉は減り始め、 40 ~ 50 歳辺りで、落ちるスピードが速くなります。この段階での落ち方のペースは、1年で1%です。  なにもしないと 30 歳から 80 歳までの 50 年で、太ももの筋力はほぼ半分になってしまうのです。

引用:『いのちのスクワット 鍛えれば筋肉は味方する』石井 直方著

そして、この筋肉の衰えには、特に注意すべき部位があります。それは下半身です。

まず、上半身の筋肉に比べて下半身の筋肉のほうが衰えやすい傾向があります。 これに対して、下半身の筋力の衰えは、もっと早期のうちから始まります。

引用:『いのちのスクワット 鍛えれば筋肉は味方する』石井 直方著

また、筋肉は使わなければすぐに衰えます。これを廃用性萎縮と呼びます。

非常に単純な話で、筋肉は使わずにいると、それに応じて細く弱くなっていきます。生きものの体はムダを嫌いますので、使われないものは、どんどん切り捨ててよいと判断するのです。これを「廃用性萎縮」といいます。

引用:『いのちのスクワット 鍛えれば筋肉は味方する』石井 直方著

長期の入院などで寝たきりになると、脚の筋肉は1日で0.5%も減少する可能性があり、1か月で15%もの筋肉が失われてしまう恐れがあります。普段の生活で意識的に筋肉を使わないと、あっという間に衰えてしまうのです。


 

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「スロースクワット」が最強の筋肉貯金である理由

 

では、どうすれば効率よく筋肉を維持・増強できるのでしょうか?「とりあえず歩けばいい」と思っている方は多いかもしれませんが、残念ながらそれだけでは不十分です。

残念ながら「それだけでは不十分です」と申し上げなければなりません。1日1万歩歩くようなウォーキングをしても、心肺機能は高められるものの、筋力はあまり鍛えられないのです。

引用:『いのちのスクワット 鍛えれば筋肉は味方する』石井 直方著

そこで著者が提唱するのが「スロースクワット」です。これは、太ももを重点的に鍛えることができ、健康寿命を延ばすトレーニングといえます。

北欧の研究では、太もものサイズが大きいほど余命が長いという報告もあります。太ももの筋肉を効率よく鍛えるスロースクワットは、まさに健康長寿のカギです。

 

スロースクワットの特徴と効果

 

スロースクワットは、普通の筋トレやスクワットとは一線を画す特徴があります。

〈スロースクワットの特徴〉 ・軽い負荷(最大筋力の 30%程度)なのに、筋肉量と筋力が増す ・動きがゆっくりなため、安全性が高い ・少ない回数(1セットあたり 10 回程度の反復)で効果が得られる

ゆっくり動く、動きを止めない──ここが通常のスクワットとの大きな違いです。

引用:『いのちのスクワット 鍛えれば筋肉は味方する』石井 直方著

なぜ、軽い負荷で大きな効果が得られるのでしょうか?その秘密は、血流を制限したような低酸素環境を筋肉内に作り出すことにあります。

つまり、「 30%くらいの力を発揮したまま、力を緩めずに動作を続けていれば、加圧で血流を制限したときと同じような低酸素の環境を作ることができるのでは?」というアイデアが生まれたのです。

引用:『いのちのスクワット 鍛えれば筋肉は味方する』石井 直方著

この低酸素環境により、筋肉はだまされて、本来あまり力を出していないにもかかわらず、疲労が蓄積し、より筋力アップに重要な速筋線維が動員されることになります。

しかし、 スロトレでは、普通ではないことが起こります。筋肉としては、あまり力を出していないのに、どんどん酸素が減っていく状況というのは、想定外。あたかも筋肉がだまされて、遅筋線維が疲れてしまい、速筋線維を使って乗り切るしかないという状況に追い込まれてしまうといえるでしょう。

引用:『いのちのスクワット 鍛えれば筋肉は味方する』石井 直方著

 

トレーニングのポイント

 

回数にこだわるよりも、筋肉が「熱くなってきた」「だるくなってきた」「疲れた」「張ってきた」といった感覚が得られたかどうかが重要です。この感覚を頼りにトレーニングを行いましょう。

また、筋トレを行う時間帯については、トップアスリートは夕方から夜が多いものの、一般の人は生活リズムに合わせて行うのが一番です。

ただし、朝起きてすぐ、食後すぐ、寝る直前は避けましょう。

引用:『いのちのスクワット 鍛えれば筋肉は味方する』石井 直方著

今こそ、スロースクワットを日々の習慣に取り入れ、筋肉を味方につけ、健康で長生きできる体を作っていきませんか。

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