投資家が大切にするのは「真面目さ」と「互恵関係」

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「投資=ダーティー」「お金儲け=悪」というイメージを持つ人が多い中、本当に良い投資家が大切にしているのはお金ではありません。彼らが大切にしているのは、目に見えない「真面目さ」と、人と人との「互恵関係」なのです。

この考え方は、日本の社会や文化にも大きな影響を与えています。海外と比べて寄付をしない、投資信託をすぐに売却してしまう、そうした行動の背景には、お金や社会に対する独自の価値観が潜んでいるのです。

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日本人が投資で「真面目」になれない理由

 

海外の投資家が20年〜30年という長期スパンで投資を行うのに対し、日本人は投資信託の平均保有年数がわずか2.4年しかありません。

一方、日本では、投資信託の平均保有年数は たったの2・4年(2011年・投資信託協会調べ)。短期間で引き上げるのは、ブラジル株にかぎった話ではないのです。  日本人は3年も保有していません。新入社員には「石の上にも3年だ」とか言いながら、自分自身は3年も 耐えることができないんですね。

引用:『投資家が「お金」よりも大切にしていること』藤野英人著

この傾向は、社会貢献に対する意識にも表れています。海外では、ヒーローが悪を倒すために民間人(お金持ち)が寄付をするという文化が根付いています。一方で、日本では「公務員が悪を倒す」というヒーロー像が一般的であり、民間人が社会を動かすという意識が希薄です。

とにかく、ここで私が強く言いたいのは、アメリカでは「民間人(のお金持ち) が悪を倒す」といった一般的なヒーロー像がある。それに対して、日本でのヒーロー像はあくまでも「公務員が悪を倒す」である、ということです。

引用:『投資家が「お金」よりも大切にしていること』藤野英人著

 

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経済の本質は「共同体のあり方」

 

私たちは、日々の消費活動を通じて誰かの生産活動を支え、誰かの給料になっています。このつながりを経済用語で「互恵関係」といいます。

人は生きているだけで消費活動をしていて、誰かの生産活動に貢献しすべてはつながっている──このことを、経済用語で「互恵関係」 と言います。

引用:『投資家が「お金」よりも大切にしていること』藤野英人著

経済という言葉の語源は、ギリシャ語で「共同体のあり方」を意味する「オイコノミア」にあります。

経済とは「共同体のあり方」であり、どのように生きたらみんなが幸せになれるかを考えるのが、経済学の本質だということです。  まさに互恵関係であり、自他不二こそが、経済の本質なのです。

引用:『投資家が「お金』よりも大切にしていること』藤野英人著

つまり、経済とはお金儲けだけを指すものではなく、共同体全体がどうすれば幸せになれるかを考えることなのです。

 

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日々の行動が未来をつくる

 

私たちは、お金の使い方一つで社会の未来を変えることができます。例えば、チェーン店ばかりが立ち並ぶ「ファスト風土」は、消費者がそういうお金の使い方を選んだ結果です。

日本の地方や郊外は「ファスト風土」と呼ばれるように、どこに行っても同じような風景(街道沿いにチェーン店やショッピングモールが建ち並ぶ風景) が広がっていますが、それは、 みんながそういうお金の使い方をしたから、そうなっているだけのことです。

引用:『投資家が「お金」よりも大切にしていること』藤野英人著

あなたの行動や選択が、未来をつくります。 未来を悲観的に考える人は、自分自身のことを信じていません。

日本の未来が暗いと言う人は、 あなた自身が日本の未来を暗くしている のです。

引用:『投資家が「お金」よりも大切にしていること』藤野英人著

自分の将来を悲観的に感じている人は、 あなた自身が自分のことを信じていない のです。

引用:『投資家が「お金」よりも大切にしていること』藤野英人著

未来は誰かに託すものではなく、自分自身でつくっていくものです。 投資家が大切にしている「真面目さ」とは、そうした日々の行動一つひとつに宿るものなのです。

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