「おしゃれな人」は「ダサいものを着ない人」!服を減らして「いつも素敵な人」になる方法

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「おしゃれになりたいけど、何をどうすればいいかわからない…」そう悩んでいませんか?流行を追いかけたり、たくさん服を買ったりすることがおしゃれへの近道だと思われがちですが、実はそうではありません。ファッションは「目の錯覚と、思い込みの自己満足」と語る地曳いく子さんの著書『服を買うなら、捨てなさい』から、本当に「おしゃれな人」になるためのヒントをご紹介します。


 

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少ない服で「いつも素敵な人」をキープする秘訣

 

「毎日違う服を着なければ!」という考えは、もう古いかもしれません。本当に似合う服を繰り返し着る方が、むしろ好印象を与えることができます。

自分によく似合う服を週に2度3度着ているほうが、はるかによく見えるというもの。誰かの心の中で減点されることもなく、「いつも素敵な人」という印象をキープできます。

私自身も、自分によく似合っておしゃれに見えるので、週に2回は着ている夏のワンピースがあります。帰って来たら、ハンガーにかけたまま軽く洗剤をつけ、お風呂でシャワーを当ててそのまま干すだけ。汗や軽い汚れはこれで簡単に抜けるので、またすぐきれいに着られます。冬物のコートやジャケット、ワンピースなら、洋服ブラシをかけるだけでOKです。頻繁に着ても、こうして毎日少し手間をかけてお手入れしていれば、毎回クリーニングに出すお金の心配もいりません。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

週に何度も同じ服を着るなんて…と思うかもしれませんが、着こなしや清潔感を保つ工夫をすれば全く問題ありません。むしろ、それがあなたの「定番スタイル」となり、周囲に「いつも素敵な人」という印象を与えることにつながります。

ファッション界のトップに立つアナ・ウィンター氏も、少数の靴を大切に履き回していると言います。

アナ・ウィンターのお話をしましょう。

アメリカ版『ヴォーグ』誌編集長にして、ファッションの女王と目される彼女。ですが、コレクションの会場に現れるときに履いている靴は、驚くことにワンシーズンでもだいたい2~3足程度なのです。微妙にデザインや型が違うよく似た靴を、毎回履き替えているだけ。色はおもに、何にでも合うベージュです。

その気になれば、それこそ毎日でも履き替えられるほど大量の靴を提供されているはずの彼女でも、自らの厳しい審美眼が許したそれらの靴を繰り返し履くほうがいい、ということなのでしょう。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

たくさんの選択肢がある中でも、本当に良いもの、自分に似合うものを見極め、それを繰り返し使うことが、本質的なおしゃれと言えるでしょう。

 

「おしゃれの底上げ」は服を減らすことから

 

「おしゃれな人」になるための第一歩は、実は「ダサい服を着ないこと」なのだと地曳さんは指摘します。

要するに、「おしゃれな人」とは「ダサいものを着ない人」のことです。

おしゃれテクを研究するより、もはや似合わなくなったダサい服を手持ちから排除するだけで、誰でもおしゃれの底上げができます。

ということは、「毎日違う格好をする」ためにワードローブについ混ぜてしまっていた、バリエーション用のイマイチな服をバッサリとカットしてしまえばいいのです。

試しに、今のあなたの手持ちの服を半分に減らすとしましょう。それだけで、あっという間におしゃれ平均値が3割は上がります。

スタートはまず、服を減らすことから、です。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

手持ちの服を半分に減らすだけで、おしゃれ度が3割アップするとは驚きですね。無駄なものを徹底的に排除することで、本当に必要な服、似合う服だけが残ります。

 

「買わずに済ませる」工夫と我慢も必要

 

寒さをしのぐためだけに服を1枚ムダに増やすくらいなら、別のことでカバー。私たちは、ついいろいろ理由をつけて服を買おうとしますが、おしゃれな人になるために最も大切なことは、どうでもいい服の徹底排除です。それには、買わずに済ませるための工夫も必要だし、少々の我慢や、買いたい気持ちを軽くスルーする癖もつけたいものです。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

「念のため」「いつか着るかも」といった曖昧な理由で服を増やしてしまうことはありませんか?本当に自分にとって必要なものか、代用できるものはないか、一度立ち止まって考える習慣をつけることが大切です。

 

「定番」をアップデートする意識で買い物をする

 

年齢を重ねるにつれて、自分に似合う「定番」の服が見えてくるもの。しかし、その「定番」も時代と共にアップデートが必要です。

30 歳を過ぎてくると、おしゃれのレッスンの時期は終わり、「自分の定番」とも呼ぶべき服がだんだんわかってきます。この自分の定番は、その後歳を重ねていっても、大きく変わることはありません。

ですが、同じグレーのニットでも、形やディテール、色味、素材などが毎年微妙に変わりますし、去年の自分もまた、今年の自分と同じではありません。

ですから、今後服を買うときは、新しいアイテムに手を出してバリエーションを広げようとする前に、まず定番ものをアップデートすることを心がけることです。違うものを「買い足す」のではなく、すでに持っている定番ものを「買い替える」という意識で、買い物をするのです。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

「買い足す」のではなく「買い替える」という意識を持つことで、無駄な買い物を減らし、質の良い定番アイテムを長く愛用することができます。

 

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おしゃれは足元から!「靴」への投資のすすめ

 

「おしゃれは足元から」という言葉を耳にしたことはありませんか?ファッション業界のプロたちは、まず足元を見ると言います。

多くの人は、ブランドものとはっきりわかるバッグにお金をかけていますが、あなたを一日じゅう支えて遠くまで運んでくれる靴に比べると、職場やカフェなどに着いたら手から離してしまうバッグの持ち時間は短いものです。

ということは、決して靴を適当にはできないし、ある意味高級バッグを買うよりも、その分靴に予算を回すほうがずっと堅実ということです。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

上質な靴があると、毎日のおしゃれ度も格段にアップ。私たち業界人がおしゃれチェックの際にまず見るところは靴なのです。たとえ着ている服が全部今年の新作でも、靴がよくないと「残念ね」になってしまいますが、逆に服がまあまあでも靴がいいと、全体までよく見えるものです。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

高価なバッグよりも、毎日身につけている時間の長い靴にこそ投資する価値があるという考え方。靴が全体の印象を大きく左右するということを覚えておきましょう。

 

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「スタイル」とは究極のワンパターン

 

おしゃれな人には、自分自身の「スタイル」があります。それは、決して毎日違う服を着ることではありません。

ジャクリーン・オナシスやオードリー・ヘップバーンの名前を聞くと、彼女たちが着ているもの、髪型、メイクなどがパッとすぐ浮かんでくるでしょう。

それは、彼女たちのファッションや顔がいつも同じ、ワンパターンだから。そのワンパターンこそが、「スタイル」なのです。

スタイルとは、究極のワンパターンのことです。

おしゃれな人は、みんなスタイルを持っています。

おしゃれになるということは、自分のワンパターンを見つけることなのです。

現代のファッショニスタだって、例を挙げればきりがないほど。

ソフィア・コッポラはいつもボーダーにデニムかブラックパンツだし、テイラー・スウィフトはいつもミニワンピースに赤リップ。映画『プラダを着た悪魔』にも、アナ・ウィンターをモデルにしたファッション誌の鬼編集長が、廃番になったエルメスのスカーフの在庫をすべて買い占めるシーンが出てきますね。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

自分の「スタイル」を見つけるとは、自分に似合う色や形、アイテムを知り、それを軸にファッションを組み立てることです。それは「ワンパターン」に見えるかもしれませんが、実はそれがあなたらしい個性を際立たせることになります。

 

コストパフォーマンスを意識した賢い買い物

 

ファッションアイテムだけでなく、日常的に使うものへの賢い投資も、おしゃれへの大切な視点です。

最近では 20 代前半の、月給もまだ手取りで 20 万円くらいかという男の子が、服はファストファッションでも長財布や名刺入れはボッテガ・ヴェネタのものなどを使っているのを見かけますが、私はちっともばかげたことだとは思いません。毎日使うものにお金をかけているのですから、「使う回数」で考えればとても堅実な考え方です。私たち大人よりも今の若者たちのほうが、こういうコストパフォーマンスに見合った買い物のしかたが、ちゃんと身についているのかもしれません。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

使用頻度が高いものほど、質の良いものを選ぶという考え方は、とても合理的です。


 

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おしゃれ以前の「基礎」を大切に

 

どんなに素敵な服を着ていても、清潔感がなければ台無しです。

上から下まできっちりとコンサバスタイルで固めたエレガントな女性と話していたら、彼女がふと出したタオルハンカチがいつ洗ったのかと思うほどしわくちゃボロボロで、ギョッとしたこともあります。  髪がバサバサ、はげかけのネイル、あるいはつけすぎの香水や最近ブームになっている柔軟剤の匂い(もはや「香害」レベル!) など、おしゃれ以前の「基礎」の部分がガタガタになっている人が案外います。清潔感がなければ、高い服を着ていても台無し。基礎をおろそかにしないことはおしゃれの大前提です。  繰り返しますが、人はプラスポイントよりマイナスポイントのほうが強く記憶に残るもの。先ほどの人も、せっかく素敵な装いをしていても、「エレガントな人」ではなく、「ハンカチが汚い人」という印象になってしまうのです。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

髪や肌、爪の手入れ、そして清潔な下着や小物など、細部にまで気を配ることが、本当のおしゃれにつながります。

 

部屋着の選び方にもこだわりを

 

「どうせ家の中だから」と、適当な部屋着で過ごしていませんか?

もっとよくないのは、部屋着のつもりで取っておくこと。

みなさんのなかには、お家 で過ごす時間が長い方もいらっしゃるでしょう。そうしたら、「お家で過ごす」という行動が、あなたの一日の活動のメインになります。あまり外に出ないからどんな格好でもいい、というわけではありません。活動の中心となる大切な時間にイマイチな服を着て、わざわざ気分を下げることはありません。

それに、部屋着のつもりが「うっかり」それを着て外に出て行かないと言いきれるでしょうか?

だいたい、そんな格好をしているときに限って、いちばん見られたくない人──おしゃれライバルとか、ちょっと気になる男子とか──に会ってしまうものです(そして「ダサい人」の烙印を押されます!)。

部屋着が必要なら、ファストファッションのお店に行って、そこでいちばんかわいいリラックスウェアを2~3セット買いましょう。そのほうが、ずっと気分よく過ごせます。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

部屋で過ごす時間も、あなたにとって大切な時間です。気分が上がるような、お気に入りの部屋着を選んで、質の高い時間を過ごしましょう。

 

服の整理は「徐々に」でOK

 

服を捨てることは、思い切りと勇気がいる作業です。

服の処分の原則は、とにかく「自分にマイナスポイントを与えるものを家に置かない」ということです。

でも、そうして服を整理するのは、「一気に」ではなく「徐々に」でOK。

私もいっぺんには整理できず、時間を見つけて少しずつやっている状態です。忙しいせいもあるけれど、やっぱりチキン(臆病者) になってしまうからです。服を捨てるのは、それくらい思いきりや勇気がいる大変な作業だといえます。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

一度にすべてを終わらせようとせず、少しずつでも「自分にマイナスポイントを与える服」を排除していくことが大切です。


 

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服を買うときの3つのポイント

 

最後に、新しい服を買うときに意識したい3つのポイントをご紹介します。

 

1. 「今週2回以上着たい服」を選ぶ

 

キーワードは、「今週2回以上着たい服」

今の行動範囲。

今の生活様式。

今の時代の気分。

この3つに合っているのが、自分が着ていても心地よく、人から見てもおしゃれに感じられる服です。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

「今」の自分にフィットする服を選ぶことが、後悔しない買い物につながります。

 

2. 高いものを買うときは「ベーシック」なものを

 

ポイントは、「高いものを買うときこそベーシックなものを選ぶ」という原則を忘れないこと。高いからといってつい、「このお色はここにしかないんですよ」なんて言われるままに茶色なんか買っても、絶対はきませんからね。

タイツ以外なら、ウカのネイルオイルや、ロクシタンのハンドクリーム、スリーのボディソープといった、同じ値段でも普段は買わないプチ贅沢なアイテムを。

ストレス買いをしそうになったときは、こういう「贅沢消耗品」なら、間違いありません。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

長く使うことを前提に、飽きのこないベーシックな色やデザインを選ぶことが賢明です。また、ストレス解消の買い物なら、プチ贅沢な消耗品もおすすめです。

 

3. ボトムスは面倒がらずに「試着」を徹底する

 

ボトムスを選ぶポイントは、とにかく面倒がらずに試着することです。

スタイルがよく見えるということは、サイズが合っているということ、そして立っているときだけでなく動いたときも美しいということ。ちゃんと体力があるときにお店に行って、あきらめずにどんどんはきましょう。

パンツは前の章でもお話ししたとおり、同じ形で最低2サイズは試してください。

スキニーパンツの場合は、丈をちゃんと詰めましょう。足首のあたりで少したるんでいる分には、ルーズなこなれ感が素敵で脚長にも見えますが、そのたるみが膝下あたりから入るほど丈が余っていると、逆に脚が短く見えてしまいます。

また、脚は人によって細いところ、太いところが違います。足首に自信があれば足首が見えるくらいの丈、なければそこが隠れる丈がおすすめ。膝にコンプレックスがあるなら、スリムではなくストレートタイプを選びましょう。

ホワイトデニムなど白いボトムスを選ぶときは、下着が透けないことが絶対条件。赤など、濃い色のついたハンカチや 付箋 などを持って行って、裏から当てて透けて見えないかチェックすると安心です。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

ボトムスは特に、試着が重要です。サイズ感や丈はもちろん、動いたときのシルエットまで確認しましょう。

 

4. セール品は「今すぐ着るもの」だけを買う

 

セールの鉄則は、普段の買い物と同じく「今すぐ着るものだけを買う」こと。

このシーズン中、あとどれくらい着られるかを考えてみましょう。

たとえば、暮れから年明けの冬物セールなら、着られるのは1月と2月くらい。その2カ月間に何回着られるかを考えて、その回数で値段を割って納得できれば、買ってもOKです。

そうしてコストパフォーマンスを計算してみると、 11 月くらいのトップシーズンに正価で買って4カ月着るのも、半額セールで2カ月着るのも結局同じことで、セールの値段というのは得をしているわけではないことがわかります。

引用:『服を買うなら、捨てなさい』地曳いく子著

セールだからといって衝動買いせず、本当に必要なものかを冷静に判断することが大切です。


 

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まとめ

 

『服を買うなら、捨てなさい』で提案されているのは、服をたくさん持つことではなく、本当に自分に似合う、質の良い服を厳選し、それを大切にケアしながら着回すという考え方です。そして、何よりも清潔感を保ち、「おしゃれ以前の基礎」を整えることが、本質的なおしゃれへの道と言えるでしょう。

あなたのクローゼットに「マイナスポイントを与える服」はありませんか?もしあるなら、今日から少しずつ減らしていくことから始めてみませんか。

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