日々の忙しさの中で、私たちは常に疲労と隣り合わせにいます。しかし、もし人類史上最高のアスリートたちが実践している疲労回復のメカニズムを、私たちも日常に取り入れられるとしたらどうでしょうか?高岡英夫氏の著書『高岡式 超最強の疲労回復法』には、そのヒントが隠されています。
脳の運用システムが疲労回復の鍵
高岡氏は、超一流のアスリートが最高のパフォーマンスを発揮できるのは、彼らが特別な身体を持っているからではなく、脳の運用システムが優れているからだと説きます。
人類史上最高の超スーパーアスリートの最高状態のメカニズムの根底は、我々すべての人間とまったく同じ構造をした身体を、最も自由に最も矛盾なく使いこなす〝脳の運用システム〟なのです。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
この「脳の運用システム」を最適化することが、疲労回復の根本にあると言えるでしょう。
「ダラ~」が効く疲労回復法
高岡式疲労回復法のユニークな点は、そのアプローチにあります。力を入れず、むしろ「ダラ~」とリラックスして行うことが推奨されています。
ダラ~とした方が効くのです。疲労回復法のメソッドは、とにかくダラ~とだらしなくやると最高に効くという特長があります。ここが面白いところです。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
これは、一般的な「頑張る」という疲労回復のイメージとは異なり、身体に無理なく、自然な形で回復を促すアントラージュ効果です。
具体的な疲労回復メソッド
本書では、具体的な疲労回復法が多数紹介されています。その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
目の疲労回復と視機能向上
目の疲れは、現代人にとって大きな悩みの一つです。高岡式では、頭の角度を調整することで目と視神経にアプローチします。
その一端をご紹介しておくと、頭の角度が 70 度でやると、目と視神経に効果があり、疲労回復と高機能高能力化に役立ちます。 実際にやってみると、1分間で視野が拡大し、視野の明度が上がり、視力が回復するといったことが実感できます。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
また、目が悪い方への注意点も述べられています。
ただ、目がかなり悪い人や、目に何らかのダメージを受けたことがある人などは、脳は元気になっても長時間働き続けると、目が先に辛くなってきます。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
この体操は、同じ部屋にいても明るさの感じ方や視野に変化をもたらすとのこと。
その証拠に、この体操をやっただけで、同じ明るさの部屋に居ても、視覚の明度が上がって、より明るく感じられるようになったり、視野が広がったり、如実に目の疲れがとれたり、といった効果が実感できます。その結果、疲労を感じた状態だった人が、もう少し仕事を続けられるようになった例も珍しくありません。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
間脳と大脳基底核の疲労回復
首の角度を変えることで、深いリラックス効果と高機能化が期待できます。
同じように、首の角度を 40 度でやると、間脳と大脳基底核の疲労がとれて、高機能高能力化します。すると副交感神経優位になるので、落ち着いて、リラックスした状態になることができます。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
腰仙揉溶法:ぎっくり腰にも
腰の疲労回復には「腰仙揉溶法」が推奨されています。特に腰背部と仙骨まわりを重点的に行うことが大切です。
したがって、「腰仙揉溶法」をやるときは、腰背部と仙骨まわりの2カ所を重点的にやってください。(※ぎっくり腰は、仙骨と腸骨の間、仙腸関節の捻挫の一種)
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
ぎっくり腰は仙腸関節の亜脱臼であると説明されており、この関節の重要性が強調されています。
この動くことない関節が、何かの拍子に動いてしまうと、例のぎっくり腰になってしまうのです。ぎっくり腰というのは、仙腸関節が亜脱臼したときの症状なのです。ゆえに、(大人で)この仙腸関節がちょっとでもずらし動かすと、激痛が生じるのです。なぜなら、仙腸関節には軟骨がないからです。 ところが、渋野には、この仙腸関節に軟骨があるのです。仙腸関節の軟骨は、実は100%ないわけではなく、ごく稀に軟骨を持った人物がいて、スポーツ選手でこの仙腸関節に軟骨を持っている人は、天才といっていいでしょう。というのも、仙腸関節の軟骨は、普通はトレーニングによって後天的に作ることはできないからです。仙腸関節の軟骨があるのは、先天的な特徴で、しかるがゆえにその持ち主は〝天才〟といえるのです。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
下腿膝擦法でふくらはぎの疲労をとる
ふくらはぎは「第二の心臓」とも言われ、その疲労回復は全身の健康に繋がります。
実際にこの下腿膝擦法をやってみると、人によって「痛気持ちいい」「気持ちいい」「痛い」という3つの感想が聞かれます。 このうち、「痛い」と感じた人は、ふくらはぎにかなり強い疲労を抱えている場合です。 「痛気持ちいい」という人は、ある程度疲労をしている状態で、「気持いい」と感じた人は、疲労が少ない状態だということを覚えておいてください。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
ふくらはぎを細かく分割してアプローチすることで、より効果的な疲労回復が期待できます。
付け加えるなら、ふくらはぎを上段・中段・下段に3分割して、さらに内側、真ん中、外側と縦方向にも3分割します。 このようにふくらはぎを9つのエリアに分けて、その9つのエリアを一つずつ確実に攻略していくようにしてください。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
椅子を使った疲労回復法
身の回りにあるものを活用するアイデアも紹介されています。
具体的には、盆の窪にはめるものを、丸いものから少し角張ったものにするのです。 身の回りにあるものでいえば、椅子の背もたれの中央部分がちょうどいい角度と薄さになっているので、これを利用します。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
これは手軽に試せる方法ですね。
呼吸法による疲労回復
呼吸もまた、疲労回復に深く関わっています。
ます。胸、脇、背中に9割ほど息が入ってきたら、そこで息を止めて胸、脇、背中に入った息を2~3秒かけて腹、腰に下ろしていきます。寝た状態でいえば、上腔から下腔に吸い込んだ息を移動させるわけです。このとき、横隔膜が大きく働きます。本書をここまでお読みになった読者なら、上腔の息を下腔に移すときに、内臓を股の方に向かって押し下ろすようなイメージが持てるはずですので、やってみてください。そうして2~3秒かけて息を下腔に移動させたら、今度は気持ちよくゆったりと8秒ほどかけて息を吐いていきます。これを3回繰り返します。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
身体の軸と健康
身体の軸が傾くことの危険性についても言及されています。
人間はわずか 10 度でも軸を傾けて立とうとすると、 10 分も持ちません……。「もう限界だ」となったときには、腰から上が傾くと同時に反対側の筋肉はガチガチに固まり、肩こりのひどいものより、もっとひどい状態に見舞われます。下手をすると、それが原因で腰痛を起こしたり、支えている側の股関節に痛みを起こしたりします。さらには、傾いている側の膝を故障するリスクも出てきます。
引用:『高岡式 超最強の疲労回復法』高岡 英夫著
適切な姿勢と身体の使い方が、疲労を軽減し、故障を防ぐ上でいかに重要であるかがわかります。
アスリートの知恵を日々に
『高岡式 超最強の疲労回復法』は、単なる疲労回復に留まらず、人間が本来持っている身体能力を最大限に引き出すための「脳の運用システム」に焦点を当てています。アスリートの知恵を私たちの日常に取り入れることで、より健康的で充実した毎日を送れるようになるかもしれません。
これらのメソッドを試してみたいですか?
コメント