本の起源はブナの木?世界の読書事情から紐解く本の未来

Book

読書好きな人にとって、本は知識や物語をくれるだけでなく、世界を広げてくれる存在です。しかし、私たちが知っている本の形は、ほんの一部の歴史に過ぎないかもしれません。本の歴史や世界のユニークな読書文化について、ナカムラ クニオ氏の著書『本の世界をめぐる冒険 NHK出版 学びのきほん』から深掘りしてみましょう。

スポンサーリンク

デジタル化が進む世界の読書事情

 

現代では、スマートフォンやタブレットで手軽に本を読むことができますが、これは日本だけでなく、世界中で広がっている傾向です。特に、国土が広い国や発展途上国では、紙の本の流通に課題があるため、デジタル化が加速しています。

ロシアでは、国土が広いため本の配達が非常に困難で、書店経営も難しい地域が多いのが現状です。そのため、電子書籍市場が大きく拡大しています。

ロシアのように国土が広い国では、本の配達が非常に困難です。さらに地方都市や離島では、紙の本の書店を経営すること自体が成立しないことも多いのです。

引用:『本の世界をめぐる冒険 NHK出版 学びのきほん』ナカムラ クニオ著

また、スウェーデンでは、聞き放題のオーディオブックサービスが急成長しています。

ヨーロッパ圏で最大のオーディオブックの会社、スウェーデンの「storytel(ストーリーテル)」では、聞き放題のサービスもはじまっています。そして、北欧や東欧諸国で急成長しているのです。

引用:『本の世界をめぐる冒険 NHK出版 学びのきほん』ナカムラ クニオ著

現代では、紙の本がインターネットから人気を集めるという興味深い現象も起きています。インターネットで発表された小説が人気となり、その後、紙の本として出版される例も増えています。

 

スポンサーリンク

本の起源はブナの木や粘土?

 

「本」という言葉のルーツには、意外なものが隠されています。英語の「Book」やドイツ語の「Buch」は、古代ゲルマン民族の「ブナの木(Buche)」が語源だと言われています。ブナの木の皮に文字を記したのが、本の始まりという説があるのです。

さらに、古代メソポタミアでは、粘土板に文字を刻んだ「クレータブレット」が本の役割を果たしていました。

メソポタミアでは、紀元前3000年ころから、粘土板の表面にくさび形文字を彫り、 瓦のように焼いたり、天日で乾かしたりして固めた、粘土製の「タブレット」を本にしました。

引用:『本の世界をめぐる冒険 NHK出版 学びのきほん』ナカムラ クニオ著

この「タブレット」という言葉が、現代のiPadやKindleなどの「タブレット」と同じような意味で使われているのは、とても興味深い事実です。

 

スポンサーリンク

本の革命、活版印刷とパピルスの再利用

 

15世紀には、ドイツの金細工師ヨハネス・グーテンベルクが活版印刷機を発明し、本の歴史に大きな革命を起こしました。これにより、本は大量生産が可能になり、それまで特権階級だけのものであった「読む」という行為が、一般の人々にも広がっていきました。

また、古代エジプトで使われていた「パピルス」には、驚くべき特徴がありました。書かれた文字は水で簡単に消すことができ、リサイクルして繰り返し使うことができたのです。さらに、パピルスに書かれた文字を消した水を飲んで、内容を記憶しようとする風習もあったそうです。

 

スポンサーリンク

ユニークな世界の図書館

 

本の未来を考える上で、図書館の役割も変化しています。 スペインのマドリードにある「地下鉄図書館」は、駅の構内に設置され、通勤中に本を借りることができます。

スペインのマドリードにある地下鉄図書館「Bibliometro(ビブリオメトロ)」は、画期的な試みをしています。この図書館は 12 の地下鉄駅の構内に設置されていて、約 10 万冊もの蔵書を貸し出しています。

引用:『本の世界をめぐる冒険 NHK出版 学びのきほん』ナカムラ クニオ著

また、ブルガリアのアルベナには、ビーチに設置された「ビーチライブラリー」があります。これらの例は、本が特定の場所だけでなく、人々の生活の様々な場面に溶け込んでいることを示しています。

コメント